俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!

慈桜

第28話



「どうもこんちわっ! ネモですっ! えーなんとですね、先日の何処ぞの石油成金王子の動画を見て貰えばわかると思うんですけど、なんとね、飛行バイクを80億で吹っかけることに成功しまして、160億ゲットしてしまう事態に陥りました! というわけでね、早速有意義に無駄遣いしてみたいと思います!」

 と、言ってもエルフさん達の給料とかも考えなきゃなんで、160億あるから全部使っちまうぞー! とはいかないんですけど、何をして使えばいいか全くわからん。とりあえず暑いからタクシーに乗ります。

「と言ってもね、いきなり何に使えばいいかなんて全くわかりません。ですので、まずは私が管理していると言っても過言ではない名古屋を中心に、形骸化した古いシステムを一新していきたいと思います! 例えばタクシーね、目の前のオッさんは、朝から晩まで頑張って走り回って、ノルマノルマに追われて、加齢臭が臭い臭いと言われながらも毎日頑張っておられますが、ここまで来ると会社に搾取される奴隷でしかありません」

「いや、そんな事もないんだけどねぇ」

「そんなわけでオッさん。空飛ぶタクシーで一儲けしてみないか? ノルマもないし燃料代も必要ない。割高料金で売り上げ折半とかどうよ? 」

「でもぉ、うちは福利厚生もちゃんとしてるしねぇ」

「福利厚生って保険とか年金とか? 俺は如何なる病気も治してやれるし、引退後は勤続年数×1万で引退後に毎月支払ってあげてもいいよ。10年働いたら毎月10万、20年なら20万って感じ。なんなら若返らせてあげてもいいしね。それにウチの会社の社員になって年金も継続しちゃってもいいしね」

 滋賀のバサーのオギちゃんが会社を設立してくれるから、色々面倒な事は全部オギちゃんに任してしまえば問題ない。

「それに考えてもみてよ。この先空飛ぶタクシーが日本を埋め尽くした時に、地面をトロトロ走るタクシーが生き残れると思う? みんな多少値が張ってもそっちを選ぶと思うけどね」

「うーん……じゃあ、お世話になっちゃおうかなぁ」

「大歓迎、大歓迎だよオッさん。じゃあ会社を退職したら、ここに連絡してきてね。同僚とかでも、俺の話に興味がありそうな人は誘っちゃってよ」

 ごめん、160億全く関係ないよな。
 普通にテンション上がって引き抜きしちゃってた。
 でもまずはタクシー会社を潰しちゃおうと思う。
 なんならいくら掛かるのか知らんが買収してしまってもいい。

 中東で80億で売れた代物のタクシーに乗って旅ができる。
 まるでプライベートジェットのような扱い、間違いなく流行る。
 なんだったらタクシーに乗るために日本旅行に来る外国人だって増えそうだ。

「と、こんな感でね、160億は全く関係のない結果になりましたけど、このオッさんをキッカケにタクシー業界は大躍進する事間違いなしだと思います。その過程もまたね、色々お伝えできたらな、なんて思ったりもしますけど、じゃあ次! 」

 面白そうな事はすぐに思い浮かぶけど、お金を使うことってなんだろう。
 ギャンブルに大金突っ込むとか、投資にぶち込むとか、高級品無双で買いまくるぐらいしか思いつかない。
 他は全部ちょちょいと済ませちゃえるから尚更だ。

 でも自分だけが儲けて損して一喜一憂なんてしてても何も面白くないので、人に出資してみよう。

「じゃあ次はね、この動画の投稿後に、コメント欄でみんなと語り合いたいと思います。そこで色んな案を出して欲しいんだ。例えば、アマテラスの世界で水産養殖をやりたいから、その設備投資をしてくれ! とか、他にも畜産、農業は勿論だし、向こうの世界関係なく、こんなことをやってみたいからいくら段取りして欲しいとか、色々意見を聞かせて欲しいんだ。勿論バーをやりたいから500万貸して欲しいとかでも、なんでもいいよ。まず案を出してくれ。そして、会いに来て欲しい。俺は個人情報がブラックだとか、事業に失敗したことがあるとか、そんな過去は全く気にしない。まだ攻めたい奴、攻めてみたい奴、とりあえず連絡してこい。金が無くなったら、また外国で稼いできてやる。みんなで面白い国にしようぜっ!」

 丸投げである。
 俺がやりたい事なんてアラレちゃんのラノベのアニメ化ぐらいだし、妥協したくないから絶対赤字になるのは目に見えてるし、多分アラレちゃんが本気でやめてくれって言うだろうから叶えられない。

 だから泡銭はばら撒いて新しい可能性を広げる為に使う。
 どうせ迷宮でワンパンで倒した素材で作ったバイクで元手0円のゴミを金持ちに売りつけただけの金であるし、もとより政府から引っ張った4億ですらアラレちゃんは多すぎると怒っていたぐらいだ。
 俺にはそれ以上必要ない。

 金持ちが資産運用にウンタラカンタラ言ってきたら無視で、みんなの夢の第一歩になればそれでいい。

「うん、我ながらにクサイ」

「で、お客さん、ずっとグルグル同じとこ回ってますが、どこ行きます?」

「全然適当でいいよ。クーラー効いてる空間に行きたかっただけだから。オッさんメシくった?」

「まだ食べてないですねぇ」

「じゃあどっか美味いとこ連れてってよ。オッさんの分も出すから高いとこでも何処でもいいよ。あ、鰻いこ!うなぎ!」

「いいですねぇ。じゃあ、いきますかぁ」

 これでも頑張って無駄遣いしてるんだがな、いかんせん金の扱いとは難しいものである。
 アラレちゃんに現金にしてもらった100万円ですら使い切れるか微妙なのが我ながらに恥ずかしい。

 そんなこんなで猛暑への活力と言わんばかりに鰻を食べ、タクシー運転手の河内かわちさんと満面の笑みを浮かべながらに店を出た。
 食事を必要としない身ではあるが、めちゃくちゃ美味かったとだけ言っておこう。

「ネモさん、さっきの出資話ですがねぇ、まず向こうの世界に学校を作ってはいかがです?」

「学校? またなんで」

「いや、世界の成り立ちはまず言語かと思いましてねぇ。向こうで日本語を共通語とする学校を作って、日本のみならず世界中から孤児なんかを集めて専門的な教育を行えば、最終的には水産や畜産だけでなく様々な業種の人手にもなるんじゃないかって思いましてね」

 河内さんの提案は、壮大でロングスパンの計画ではあったが、同時に夢のある話でもあると思った。
 最初は我慢が続くが、子供達が社会に出るようになってしまえば、それからは毎年優秀な人材が確保できるし、言葉の壁が無ければ人種の壁もない。

 専門知識を持つ監督責任を問える立場の者を用意しておけば、後は日本人を人工として送り出せば雇用の創出にもなる。

「それ、悪くないかもね」

「実地訓練の職業訓練校扱いにするなら、早い段階での丁稚奉公扱いで人足としても使えますしねぇ」

 なるほど、その筋のスペシャリストを作ってしまおうといった試みか。
 義務教育時点で専門学校生的なノリだな。
 言ってしまえば四則演算と読み書きが出来たら生きていく上で困らないし、後の判断基準は仕事の良し悪しだから、ガキの頃から特化させるのは悪くない。

 可能性を伸ばす意味では、多岐に渡る教育課程の試みも必要となるだろうが、授業料免除と寮付き飯付きでの入学の有無は本人の自由意志とすれば、特化した授業内容であっても無理を通せる。

「悪くない。非常に悪くない」

 それに俺の特権とも言える神力を使って子供達の知能のみならず、能力の底上げをしてしまえば、優秀な技能者集団の土台は完成する。
 それをやるかどうかはわからんけど。

「オッさん、その意見頂戴致します」

「大変でしょうけどねぇ」

 そうと決まればやる事が一気に増える。本来であればゼネコンとかに頼んで校舎を建ててもらうべきなんだろうけど、俺は何ヶ月も何年も待ちたくないから、今回は力を使って建てちゃいます。結局お金は関係ありません。

「じゃあ近所の小中高を回って貰える? ちょっとデザインの参考にするから。その後は赤鳥居まで」

「了解しました」

 河内さんのノリノリ学校巡りを終えて、学校のデザインは勿論、様々な建造物のデータを保存したので、早速赤鳥居へレッツラドン。
 自衛官がどうぞどうぞと招き入れてくれたので、顔パスのままにアマテラスの世界へGO。

 さて、速攻で学び舎を作ってしまおう。先ずは周囲の山と平原を全て潰して平地にしちゃいます。
 後は潰した山の素材を使って、 小中高の学び舎をおっ建てるだけの簡単なお仕事です。

 てか高校まで授業過程いるかな?
 いや、日本の生徒を受け入れるなら必要か? でも未認可の学校であるから、就職をする扱いとあんまり変わらないんだよな。
 まぁいいや、深く考えないでおこう。

 学校が出来たから次は先生、と言いたいところだけど、教員寮としてタワーマンション、学生寮として団地型のマンションをコピーしてきたので、住宅地の作成。
 団地の中にタワーマンションってのも中々変な感じだが気にしない。
 上下水道の段取りがめちゃくちゃ面倒だったけど、湖から水を引き込む施設から本管を通してウンディーネに浄水させた綺麗な水を建造物全てに届くようにした。下水道は地下貯水池でスライムフィッシュが浄化してから海に排出するようにした。
 クソだるかったけどなんとか完成、一応は撮影してるけど、こんなの使えそうにもない。使うけどね。

 ガスはLPでいいや、電気は食料の段取りができ次第、電気ぬこを放つから心配なし。
 アマテラスの世界は放射能が薄いからキャットフードが必要になる。
 無駄な出費だが電気は必要なので致し方あるまい。
 生徒達に門の外へ連れて行ってもらって充電って方法もあるけどな。
 それか水飲んだら発電とかに設定を変えてしまうのもありだな。けどそれだと大型の魔石が必要になるか……よし、それは追って考えよう。

 とりあえず水があればなんとでもなる。

 次は教員だな。ネットで募集するのもありだけど、やっぱ直に交渉してプロの元で修行してる若造を回収するのが効率良さそう。

「こんな感じでね、住環境はなんとか整えていますので、後は食料をなんとかすれば生活はできます。その食料生産に関して、我こそはって方がいらっしゃいましたら、是非ともご連絡下さい!!」

 こんなもんかな。後はプロパンガスとか段取りしにいかなきゃだな。
 つかガスとか設置して大丈夫かな? 生徒が爆破させて僕たちがやりましたとか言わないよね。やっぱオール電化にすべき? でも給食ってか、食堂を稼働させるならガスは絶対だよな。

 食堂のおばちゃんもいるし、言葉とか算数とかを教える教員も必要か……クソ、ままならん。
 逆に飛行バイクで遊び回ってる奴らとかを捕まえて無理矢理やらすのでもいいか。
 悩みだしたら進まないから、一つずつ片付けていっちゃおう。

「何やら企んでおるな?」

「あー!! アマテラス「ヒーちゃん」すまん、ヒーちゃんテメェ!!」

「ぬぉー! やめろやめろ! ツインテ掴んでグルグルするのやめろ! もげるぅ!」

 さぁ、次は生徒探しかなと赤鳥居を潜り抜けようとしたら、またもやチビテラスが登場したので、テンション上がって振り回してしまった。
 ジャイアントスイングならずツインテブンブンである。

「神威を抑えられてるじゃないか」

「これは思念体だからのぅ。ウズメが煩くて降りられんのだ」

「まぁ、お前クラスの神がほいほい降りてきたら大迷惑だけどな」

「ふん。むちゃくちゃしておるお前に言われたくはない! 」

「はいはい。で? わざわざ思念体を降ろしてまで何か伝言?」

「うむ。汝が好きにすれば良いと思って手を加えておらなかったが、余りにもブツクサと文句を言いおるで、ここ数日で溜まった祈りと超吸収で高天原より集めた神力を思念体に詰めた。好きに使うと良い」

 おっと、これは気が利いたプレゼントじゃないか。
 俺の特性として過剰神力を多量にストックしているから別に何の心配もいらないのだが、流石に星一つの水陸共々の数百万の生物を生み出せば、過剰分は使い果たしてしまうと懸念していただけなのだが、わざわざ届けてくれるとは気が利いた神である。

「ありがたく使わせてもらおう」

「ふんっ! 神力の枯渇をさせて首を狙ってるなぞ傲慢に過ぎる勘違いをしておったからな! 余がその気になれば、汝なぞチリ紙より容易く燃やし尽くしてくれるわ」

「もうぅ、そんなカリカリするなよチビテラスぅ。じゃあ遠慮なく」

「ヒーちゃんだと言っておろう! その名は仰々しくて好かんって話を聞け! 会話の途中で思念体を潰そうとするでない…………ん? お前さっきチビテラスって言ったじゃろ?!」

 結局日が暮れるまでチビテラスのお話相手をさせられたのは言うまでもない。多分こいつ気兼ねなく誰かと駄弁りたかっただけなのは確定。
 結構大御所となると息が詰まるだろうし、神力の手土産があるなら、今後も仲良く駄弁ってやろうと思う。

「てか天照のイメージって、こんな感じの東洋美人だったんだけどな」

「それは日巫女。大昔に余に仕えた巫女だの」

 スラスラっと空中に書いたのはみんながイメージする太陽のサークレット? ほら頭にジャキーンってヤツ、あれをつけた女の子、所謂単にイメージできる天照だ。

「あ、卑弥呼ってやつ? 邪馬台国とかなんとか」

「ちゃうわい。それは大国をチラつかせて暴れておった国売りの小娘だわい。なんぞゴッチャになっておるぞ? お前は学が足りんようだの」

「高天原はヤバイ神が沢山いてクソややこしすぎるから、喧嘩するなら全員で死ぬ気で行くぞってのは知ってる」

「キリッとして喧嘩を売るでない。これだから神喰らいってのは始末におえ……いかんな、ウズメが怪しんでおるからそろそろ帰る。ほれ、サクッといけ」

 神力の回収はチューとかじゃないよ? 普通に心臓に腕突っ込んでブチュッと行くだけの簡単な作業です。

「じゃあなチビ」

「ヒーちゃんと呼べと言っておるだろ」

 おっほ、こいつやっぱり加減知らないんだな。思ってたよりずっと神力詰め込んできてくれてたみたいだ。
 てか思念体でこの量の神力抑え込めるってキャパすげぇな。

 冗談でも喧嘩売るのやめとこ。

 あれ? じゃあアイツ、この星作っただけですっからかんとかおかしくね?
 まさか宇宙創造までしてる? いや、そんなはずないよな。
 そこまでしてたら天体配置とか時流操作とか諸々考えても、あんな一瞬で全部やり終えるとか化け物超えてる。

 ……あんま考えないでおこう。
 ヨソはヨソ、ウチはウチ。
 太陽神なんて所詮脳筋だし、対となる月神殴ったら黙るからな。
 それはウチの奴らで実証済みだ。
 いくら凄くても恐るるに足らん! 多分な、うん、多分。そう願おう。

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