俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!

慈桜

第18話少子化とワンオペらだめだよね。



 動画撮影を終えて、寂しさに号泣するアラレちゃんを宥めてから、カラスちゃんモードで旅路にGO。
 俺は仕送りの為に単身赴任で頑張るパパなのさっ。
 まぁ、ほぼ遊んでるだけなんですけど。

 折角東京に来たのに、残念だけど一度名古屋に戻ります。
 東京で色々やりたかったけど、後回しになりそうで悲しい。
 とりあえずは鼻クソの処分がどうなるかの決定は現地で知りたいからな。

 それまでの間はほのぼの動画ぐらいしか上げれないかなぁ。

「失礼ですが身分証の確認をさせてもらえませんか?」

 って、切符買おうとしたら私服警官に絡まれちゃいました。
 てか気付けよ俺、明らかに服装おかしいじゃねぇか。なんでスラックスにポロシャツのオッさんが腰に無線つけてるんだよ。

「え、嫌なんですけど」

「申し訳ありません。いま巷で話題になっている外国人を探す為に、どうしても必要なのです。どうかご協力願えませんか」

「任意ですよね? 従う理由がありません。しかも彼は男性だったと思うのだけれど」

「ですが、どうかどうかご協力願います。免許、パスポート、在留証明でもなんでもいいんです。パッと見せてハイ終了、直ぐに終わりますから。むしろ覚醒剤を持っていても指名手配犯でも目を瞑る覚悟です。身分証の提示だけお願いします」

 こいつむちゃくちゃ言いやがるな。
 しかし困ったな、身分証なんて無いから勿論逃げるの一択なんだが、カラスちゃんの姿はまだバレていないので派手な行動はしたくない。
 戸籍を買うのも兼ねて東京に来たのに本末転倒とはこのことか。

「あら、それなら協力も吝かではないのだけど、生憎IDはホテルの荷物に入れたままなの。これからクライアントと会わないといけないから時間も取れないし……」

「どうにかお約束の予定時刻の変更は出来ませんか? 現在厳戒態勢で身分確認の出来ない外国人は新幹線に乗せるな! なんて法律なんてクソ食らえな命令が出ちゃってるんです。自分達もこんなことしたくないんですが……ほんと申し訳ない……」

「はぁ……オーケイ、じゃあIDを取りに行ってくるわ」

「申し訳ありません。本当にご迷惑をおかけします」

 もう一人の無口なゴリラみたいなオッさんは俺に同行しようとしてきたが、ずっと話していた刑事が制止してくれたので助かった。

 しかし困ったな。

 これじゃ名古屋に行こうにも行けない。
 よくよく見れば普通の電車の改札にも刑事が張ってるし、セフティなインフラはタクシーとバスぐらいしかない。

 こんなことになるなら土地神が嫌がるだろうからやらなかったが、転移のマーキングをしておけば良かった。
 アラレちゃんの家しかマーキングできてない切なさ。
 たらればを吐いても後の祭りだが、これからどうしたものか……。

 いや、それこそまさしくネモさん降臨やっちゃうしかないか。

 一度アラレちゃんの家に転移して、ネモの姿に切り替えて、いそいそと着替える。
 パソコンでカタカタ執筆してるアラレちゃんは集中しまくってて、こちらに全く気付いていないので、脱ぎ散らかしたままだけど転移して東京駅にカムバック。

 OLさんが俺を見てポカンとしているけど、ウィンクを返しておこう。女性のスーツ姿ってなんでこんなエロいんだろうな。

 孕ませたい。

 ちがう、性欲アクティベートしたままだった、オフにしておこう。

 って直後にOLさんが腕に手を回してきました。モテ期到来ですね、わかります。

「一緒に写真撮ってもいいですか?」

「もちろん!」

 これもユーチューバーたる証ですね。有名になるって楽しい。
 でも一人撮ったら私も俺もと野郎は来んな! とか言いつつも、ちょっとした人集りが出来てしまった件。
 やっぱ変装って効果あるんだわ。
 顔ポン出しだとすぐ囲まれちゃったんだけども、これは有名になれたと喜んでもいいものなのかな……むむむ。

「どけろ!! 邪魔だ!! 公務執行妨害でしょっぴくぞコラァ!!」

「どけてくださぁい!! 警察です!! 道を開けてくださぁい!!」

 まぁ、こんな騒ぎになったら厳戒態勢の警察達は急いで駆けつけますよね、わかります。
 皆さんムービー撮るのやめてください。むしろ俺のカメラで撮影してほしい。

「見つけたぞ! お前ネモだな! いいか、抵抗するな、悪いようにはしないから、一度署に同行してもらいたい」

「抵抗するし嫌です。警察嫌いなので」

 てなわけで、オッさん二人を一気に赤子にまで若返らせます。
 もう、おぎゃあバブーしか言えません。可愛いでちゅね。

「大変だ! 赤ちゃんが捨てられてる! 誰か! 誰かこの子達を保護してあげてください!! 」

 なんて言いながら蕎麦屋から出てきて野次馬してた目の前のサラリーマン二人組に赤ちゃんを渡す。

「ちょいちょい、悪いけど警察に届けてあげてよ。これその人達の服ね」

「え、えぇ……会社に戻らなきゃなんですよ」

「そっか。折角丸の内のいい会社に入れたのに赤ちゃんからやり直しか、楽しそうだな」

「わかりました!! 私にお任せください!!」

 さぁ、反撃開始だ。
 いや、何もされてないから反撃はおかしいのか? でも何かと捕まえようとしてくるから反抗するって意味でも反撃だよな。

 とりあえず東京駅に張ってるファッキンポリスメンは全員赤ちゃんから人生やり直しの形に処する。
 処す、処す処す敵を処す!

 俺が動いたら人の群れも動くので、集合体独特の気持ち悪さはあるけど、人群れのお陰で銃も撃たれないし、誰かが教えてくれるので直ぐに警察が見つけられるので容易く赤子にできちゃう。

 やると決めたら作業ゲーでしかない。

 順調に赤ちゃんを増やして行くと、けたたましくサイレンが鳴り響き、応援が群れで突入してくるけど、正直竜の巣穴な放りこまれた生贄でしかない。

 特殊部隊だろうが、なんだろうが、等しく赤子になってしまうのだから意味がない。

 まぁ、少子化問題に一石を投じる形となったかな? 体は赤ちゃん、頭脳は大人とかカオスすぎるけど、お前らには献身的な博士がいないことを嘆き悲しめ、くそが。
 真面目に頑張ってたらキック力上がる靴ぐらいなら作ってやる。

 記憶をリセットしないのは俺の慈悲である。よーく噛み締めてもらいたいものだ。よく味わえ。

「しかしどうしてこうなるかな」

「派手に暴れすぎですよネモさん」

 なんか知らんけど、気付けば大勢の人質をとって東京駅に立て籠もるテロリストの図になってしまった。
 手伝ってくれてた人集りは更に増えて、会社をわざわざ休んでまで付き合ってくれる人達までいる始末。
 正直やらかした。
 大人沢山で、みんな赤ちゃんを抱っこしてる謎の絵柄が出来上がってしまった。

「とりあえず赤ちゃん抱いてる人は、そのまま外の警察の所まで行ってください!」

 一応撮影してるけど、これどうやって編集しようかな? 普通に政府から削除要請とか出そうな気がする。
 アカウントハックして大元から分離だけしておこうかな。

 赤ちゃんを抱っこした人達が人質解放といった扱いを受けながらに保護されて、報道のカメラやフラッシュのオンパレード。
 犯人は未だ大勢の人質をとって立て籠もっており的な原稿をアナウンサーが読み上げているカオス。

 かつてこんなにも大量のパトカーと警察を見たことがあっただろうか?
 勿論否だ、あるわけがない。
 クライムゲームですら見たことない夏のポリ祭りである。
 そろそろ戦車でも来そうな勢いだ。

「よーし、じゃあ次は皆さん一人ずつ警察に保護してもらってくださいねぇ。俺に脅されたって言ってもらってかまいませんから!」

 そして次は駅構内に残る人員を一掃する。
 正直あの数の警察と戦うとなると周囲も巻き込んでしまう危険性もあるので、寂しいけどみんなとはバイバイだ。なんて言い訳をしておく。

「ネモ! 応援してるからな!」
「ネモさん頑張ってね!」
「動画楽しみにしてるからねぇ!」

 みんな口々にお別れの言葉を告げて駅から出て行く。
 ちゃんねる登録30万ちょいなのに、知名度すげぇな俺。

 最後は俺一人、静まり返った東京駅の構内でポツンと残された状態の完成だ。

 早速改札を飛び越えて乗り場に到着、後は空飛ぶバイクさんで一気に飛び上がり、ヘリコプターにサーチライトを照らされながらも、一気にアクセルを開けてグッバイトーキョーである。

「ふぁっはっはー! ばーか!!」

 人質を一人ずつ解放したのは一気に踏み込ませない為、そしてどれだけの人質がいるのか把握できていない警察に二の足を踏ませる為だ。
 踏み込めば赤子にされてしまう、ならば人質を言い訳に待機しておこう、その決断が見え隠れしていたので、そのまま逃げても良かったのだが、念には念を押して安全に逃げられる時間を確保した。

 ぶっちゃけ逃げ果せてくれて心底安心しただろうと思う。

 問題はこれぐらいの厳戒態勢が全国規模で行われている事実だな。
 このまま名古屋に辿り着いても本末転倒、結局は赤ちゃん製造マシーンにならざるをえないのはしんどい。

 いっそのこと名古屋の警察全員赤ちゃんにしてしまおうかな?
 そしたら当初計画していた名古屋地獄計画もしないで済みそうだし……うん、それがいい、そうしよう。
 大丈夫、それが駄目なことってぐらいわかる。けど、それぐらいの勢いで行くってこと。

 平和的、且つ屈辱的な攻撃だ。

 年金貰えない世代からやり直しさせるのは心が痛むが、知り得ない未来を知れるって特典もあるのでwin-winって事でお願いします。

「いぃーーやっほぅー!!」

 しかし飛行バイク楽しい。
 特殊な反重力フィールドが形成されるから、逆さまになろうが何をしようが落ちないから、気兼ねなくぶっ飛ばせるし、障害物がないからどんだけスピードを出してもフリーダムである。

 この乗り物は絶対みんな好きになると思うな。
 愛知県とか工業地帯が多いから、飛行バイクの製造工場とか作っちゃおうかな……。

 いや、逆に大手メーカーとかに話を持って行って、国に普及の促進をさせるのもアリかもしんない。

 愛知県を本拠とする世界最大手のヨーダ自動車に問い合わせてみよう。
 本社っていれてググったら速攻でてきたのにモシモシタイム。

『お電話ありがとうございます。申し訳ございませんが、現在営業時間外となっており』プツッとな!
 そりゃそうだよな、今23:00だもん。ディーラーとかなら出てくれる所はあるかもしれんけど、俺としては社長さんと直談判したいから残念。

 まぁ、記憶の片隅にとどめておこう。
 いつか移動手段に革命を……メモメモ。

 車型とか作ってもいいかもしれないな。

 空の旅を好きなあの子と、気の合う仲間と、長年連れ添った大切な人と……自分達の知らない世界に飛び立とう。
 的なCMとか誰か作ってくれないかな? いや、自分で作ればいいのか。

 スーパーカーとか70'sのアメ車のオープンカー的なオシャレなデザインとかもアリだよな。
 軽四、ハイブリッド社会に激震だ。

 それを実現させる為にも、俺を取り巻く環境をどげんかせんといかん。

 あっちゅー間に名古屋に到着しちゃったのでコンビニに着陸。
 高校生ぐらいの金髪の少年が汗だくでアイスを食べながらに固まってしまったのでスティックキーを投げ渡す。

「やるわ。風になってこい」

「えと、ネモ?さん? 乗り方教えてもらえたりしません?」

 また動画のネタができた。
 ヤンキーはいいね。後先考えるよりも、今楽しいかどうかが判断基準だから、連日ニュースで岡本流星こと鼻くそが、このバイクで捕まって大騒ぎだってのに、余裕で乗る決断しちゃうんだから。

 俺もアイス買お。夏はシロク◯だよね。ドクペとシロクマ……ドクペねーしクソが。

「あ、ネモだ」

「おう、なんじゃいデブゥ。ネモだったら悪ぃのかぁ? あーん?」

「やめて! その無理に悪ぶる感じやめて! 全然似合ってない!」

 店員のデブの若者はコンビニ店員の癖に金髪ボディピの張り切り坊主君である。

「てか、さっきナナオと喋ってませんでした?」

「外の金髪ボーイ?」

「そうですそうです。あいつアイス食ってました?」

「うん、モナカくってたよ」

「やっぱりかボケが! あいつ俺がバイトしてるからって、いっつもアイスパクりやがってね、俺が毎回お金払ってるんですよ! いくら幼馴染でも、もう許せねぇ」

 それとほぼ同時だった。
 突然危機察知が反応し、視界がスローモーションになると、ガッシャーンと激しい破砕音と共に、満面の笑みの金髪少年が飛行バイクのままに特攻してきたのだ。

「玉ちゃーん!」

「てんめぇぇぇぇ!!」

 陳列棚を薙ぎ倒しながらに、芸術とも言えるターンを決め込むと、背中に指をさして「のれよ」と促す少年。

「行こうぜ、ピリオドの向こうに」

「バイトにもピリオドだよ!!」

 金髪坊主のデブは呆れながらにバイクの後部座席に跨り、そのまま夜の空へと2ケツで消えていった。

「さて、俺は誰にお金を払ってアイスを食べればいいのだろうか?」

 コンビニのワンオペ、ダメ、ぜったい。

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