錬成七剣神(セブンスソード)
決戦4
――其は時を駈ける支配者。遍く世界を覆い刻み続けよ無窮の時針。終わりなき円環を走り続け、無限の地平を疾走せん!
「光帝剣・エンデュラス!」
魔来名が放つ音速の一閃。それを、迎え撃つ神速の剣撃があった。
「終わらせるかぁあ!」
一振りする魔来名の攻撃を防いだ後、五つの斬撃が魔来名に襲い掛かる。剣風は数をみるみると増していき、音速の戦いでなおガトリング銃の勢いで斬撃が乱れ飛ぶ。
最速を誇る光帝剣の剣舞。手数が違う。回数が違う。埋め尽くすほどの剣撃が魔来名を襲う。
「フン!」
魔来名と星都が戦った時のように、魔来名は手元を動かすだけの最少の動きで捌いていく。
「俺は、絶対に負けない!」
「やってみろ」
互いに音速を超える者同士、二人の戦いは極大の暴風を発生させていた。テナント募集の看板は剥がされ天高く舞い、店の前に下ろされているシャッターが耐えられずにひしゃげている。
魔来名は飛び交う光帝剣の刃から甘い攻撃をなんとか読み取り、その一撃に合わせて力を込めた剣撃で迎えた。
「ぐっ!」
衝撃に聖治は腕が反り、その隙に魔来名は後退した。
間合いがひらき二人は道の中央に沿って立つ。互いの間には障害物はなくアスファルトの道路が続くだけである。
「来い、友情」
そこで聖治は叫ぶ。魔来名が着地する隙を突いた攻撃。ならば追撃には速度よりも攻撃力だ。ならば、敵を粉砕するのにこれほどのスパーダはない。
――其は地平を統べる覇者。あらゆるものは其に平伏しこうべを垂れよ。根源の力が真価を発し世界を揺るがす。破壊の衝動、鉄槌となりて眼前の敵を破砕せよ!
「鉄塊王、撃鉄!」
ゼウシスを仕舞い聖治が吠える。友の呼び声に応じるが如く左手に現れたのは大剣、鉄塊王撃鉄。
鋼鉄の巨塊であり破壊力はスパーダ一。そして、スパーダ六本になれば破壊力は爆発的に上昇する!
「くらえ!」
聖治は左手だけで撃鉄を真横に振るい、ここに変化が起きる。
完成手前の撃鉄は亜空間から質量を取り込み、一閃される最中で巨大化していったのだ。
如意棒のように刃渡りは伸び、周囲の店を破壊しながら魔来名へと襲い掛かる。
まさかの攻撃に魔来名も虚を突かれ、着地のタイミングを狙われたこともあり回避が出来ない。
すぐに天黒魔を構えて防御を取るが巨大化した撃鉄の刃渡りは十メートル以上で十トンを超えている。
とてつもない破壊力であり、魔来名は踏み止まるどころか吹き飛ばされ、反対側の店に激突していった。
「どうだ!?」
激突の衝撃に豪快な音を立て魔来名は店の中へと入っていった。ここまで聖治が受けた傷は実質的になく、激闘の中で未だに無傷であった。
だが、
――武と魔、ここに交わる。繋がる地平を分断し組み立てる。
魔来名が激突した建物に変化はない。物音もなく出てくる気配がない。聖治は油断せず注視しているが、風が吹いて煙が運ばれた後、そこには魔来名の姿がなかった。
「なに!?」
――連続する道よ、我が導き与えてやろう。
見失ったことにより聖治は慌てて顔を動かした。目を離してはなかったが、事実として魔来名はそこにはいない。
――汝が目指し突き進むべき出口は一つではないのだと。
そこで聖治は気が付き、視線を周囲ではなく頭上へ向けた。都市の光に照らされた夜空には星は消え、月しか浮かんでいないはずの空にはしかし――いた。
――無限の空間に点在する扉は開かれ新たな道を示さん!
魔来名は聖治の頭上で天黒魔を上段で構えており、落下と共に振り下ろす。
ロハネスから得た空間転移によって瞬時に移動していた魔来名は聖治の隙を突き、頭上から攻撃していた。
聖治は大きさを元に戻した撃鉄で受け止める。天黒魔と撃鉄の衝撃に火花が散る。
だが、鍔迫り合いとはならず、魔来名は聖治の眼前から一瞬で姿を消した。
そして、出現したのは直後で背後。聖治の後方の空間が歪むとそこから魔来名が飛び出す。
天黒魔は納刀されており、魔来名は居合切りと共に現れたのだ。
「光帝剣・エンデュラス!」
魔来名が放つ音速の一閃。それを、迎え撃つ神速の剣撃があった。
「終わらせるかぁあ!」
一振りする魔来名の攻撃を防いだ後、五つの斬撃が魔来名に襲い掛かる。剣風は数をみるみると増していき、音速の戦いでなおガトリング銃の勢いで斬撃が乱れ飛ぶ。
最速を誇る光帝剣の剣舞。手数が違う。回数が違う。埋め尽くすほどの剣撃が魔来名を襲う。
「フン!」
魔来名と星都が戦った時のように、魔来名は手元を動かすだけの最少の動きで捌いていく。
「俺は、絶対に負けない!」
「やってみろ」
互いに音速を超える者同士、二人の戦いは極大の暴風を発生させていた。テナント募集の看板は剥がされ天高く舞い、店の前に下ろされているシャッターが耐えられずにひしゃげている。
魔来名は飛び交う光帝剣の刃から甘い攻撃をなんとか読み取り、その一撃に合わせて力を込めた剣撃で迎えた。
「ぐっ!」
衝撃に聖治は腕が反り、その隙に魔来名は後退した。
間合いがひらき二人は道の中央に沿って立つ。互いの間には障害物はなくアスファルトの道路が続くだけである。
「来い、友情」
そこで聖治は叫ぶ。魔来名が着地する隙を突いた攻撃。ならば追撃には速度よりも攻撃力だ。ならば、敵を粉砕するのにこれほどのスパーダはない。
――其は地平を統べる覇者。あらゆるものは其に平伏しこうべを垂れよ。根源の力が真価を発し世界を揺るがす。破壊の衝動、鉄槌となりて眼前の敵を破砕せよ!
「鉄塊王、撃鉄!」
ゼウシスを仕舞い聖治が吠える。友の呼び声に応じるが如く左手に現れたのは大剣、鉄塊王撃鉄。
鋼鉄の巨塊であり破壊力はスパーダ一。そして、スパーダ六本になれば破壊力は爆発的に上昇する!
「くらえ!」
聖治は左手だけで撃鉄を真横に振るい、ここに変化が起きる。
完成手前の撃鉄は亜空間から質量を取り込み、一閃される最中で巨大化していったのだ。
如意棒のように刃渡りは伸び、周囲の店を破壊しながら魔来名へと襲い掛かる。
まさかの攻撃に魔来名も虚を突かれ、着地のタイミングを狙われたこともあり回避が出来ない。
すぐに天黒魔を構えて防御を取るが巨大化した撃鉄の刃渡りは十メートル以上で十トンを超えている。
とてつもない破壊力であり、魔来名は踏み止まるどころか吹き飛ばされ、反対側の店に激突していった。
「どうだ!?」
激突の衝撃に豪快な音を立て魔来名は店の中へと入っていった。ここまで聖治が受けた傷は実質的になく、激闘の中で未だに無傷であった。
だが、
――武と魔、ここに交わる。繋がる地平を分断し組み立てる。
魔来名が激突した建物に変化はない。物音もなく出てくる気配がない。聖治は油断せず注視しているが、風が吹いて煙が運ばれた後、そこには魔来名の姿がなかった。
「なに!?」
――連続する道よ、我が導き与えてやろう。
見失ったことにより聖治は慌てて顔を動かした。目を離してはなかったが、事実として魔来名はそこにはいない。
――汝が目指し突き進むべき出口は一つではないのだと。
そこで聖治は気が付き、視線を周囲ではなく頭上へ向けた。都市の光に照らされた夜空には星は消え、月しか浮かんでいないはずの空にはしかし――いた。
――無限の空間に点在する扉は開かれ新たな道を示さん!
魔来名は聖治の頭上で天黒魔を上段で構えており、落下と共に振り下ろす。
ロハネスから得た空間転移によって瞬時に移動していた魔来名は聖治の隙を突き、頭上から攻撃していた。
聖治は大きさを元に戻した撃鉄で受け止める。天黒魔と撃鉄の衝撃に火花が散る。
だが、鍔迫り合いとはならず、魔来名は聖治の眼前から一瞬で姿を消した。
そして、出現したのは直後で背後。聖治の後方の空間が歪むとそこから魔来名が飛び出す。
天黒魔は納刀されており、魔来名は居合切りと共に現れたのだ。
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