錬成七剣神(セブンスソード)
対決3
「私だって、本当はしたくない……! でも、あの子を守るためには、仕方がないのよ!」
その時、激しく吠える此方の顔から、輝く雫が見て取れた。此方は拭き取ろうとも隠そうともせず、聖治に剣を振るってくる。
「くそ!」
その一撃は強烈だった。鮮烈だった。だけど聖治には恨めない。その一撃が強いほど、此方の思いが伝わってくる。
「終わりにするわよ……?」
此方は聖治と間合いを離した。道沿いに対峙して、此方はスパーダを持って発現する。
「発動、カリギュラ!」
それは生気を奪う死の波動。所持者以外を破滅させる、暴虐の風だった。
それをまともに受け続ければ衰弱死は免れない。それは以前での戦闘で知っている。防御は不可能だ。
ならば、すべきは守りではなく阻止すること。そして、そのための手段なら今の聖治にある!
胸に宿る確かな感触。それが今では三つに感じる。聖治はゼウシスを仕舞い、もう一つに手を伸ばした。
「来い――」
その名を告げる間際、不意に過る友の顔と共に、それはこの手に現れた。
「光帝剣、エンデュラス!」
瞬間、聖治は風になった。全身の肌を擦れる空気が水のように感じたがそれもすぐになくなる。
光帝剣の加速は空気抵抗すら無視して突き進み、此方の目の前にまで到達した。
「ッ――」
瞬時の超加速に此方も声が出ない。だが、構えていた魔皇剣にエンデュラスを打ち付けたため此方は耐えられた。聖治の突撃を受け止め衝撃に顔を顰める。
だが聖治の追撃は終わらない。左手をエンデュラスから離し振り被る。その最中で、聖治はもう一人の友が残してくれた剣をここに現す。
「鉄塊王、撃鉄!」
左手が感じる確かな触感。聖治は柄を握り締め、目の前の此方に打ち付けた。
「きゃああああ!」
此方は攻撃を防ぐものの重量差は覆しようがない。撃鉄が誇る質量は三百キロを超える。
おそらく自身の体重の七倍近い重量の一撃を受け日向は吹き飛ばされた。コンクリートの道路を転がり、服と体にいくつもの傷を作る。
「く、うぅ……」
吹き飛ばされたことにより能力への意識が外れたのか、今ではカリギュラによる能力は感じられない。
だが、此方はまだ諦めていない。傷を負った体を強引に起こし、乱れた髪を整えるため首を振って後ろに流し、立ち上がった
「まだよ。私は、まだ死んでいない!」
「死ぬまで続ける気か!?」
「そうよ! じゃないと、意味がないじゃない!」
此方が睨み付けてくる。瞳には今も燃え続ける闘志がある。折れない決意がある。気迫は眼光となって聖治を貫いた。死ぬまで終わらない戦いを続けようとしている。
「止めてぇええええ!」
「え?」
「日向……?」
その時、響いた叫びに聖治と此方が固まった。二人が向いた先には、日向が立っていた。
「日向、どうしてここに!?」
「お姉ちゃんこそ、何をしてるの!?」
怒りを露わに日向が怒鳴る。普段見せない表情と荒れた声に、此方が畏縮している。
「で、でも、私は! 日向のことを思って!」
押されそうになる気持ちを反発させて此方も叫ぶ。自分の行動は全部日向のためだと声を張った。
「私が、それを望んだの!?」
「!?」
その時、激しく吠える此方の顔から、輝く雫が見て取れた。此方は拭き取ろうとも隠そうともせず、聖治に剣を振るってくる。
「くそ!」
その一撃は強烈だった。鮮烈だった。だけど聖治には恨めない。その一撃が強いほど、此方の思いが伝わってくる。
「終わりにするわよ……?」
此方は聖治と間合いを離した。道沿いに対峙して、此方はスパーダを持って発現する。
「発動、カリギュラ!」
それは生気を奪う死の波動。所持者以外を破滅させる、暴虐の風だった。
それをまともに受け続ければ衰弱死は免れない。それは以前での戦闘で知っている。防御は不可能だ。
ならば、すべきは守りではなく阻止すること。そして、そのための手段なら今の聖治にある!
胸に宿る確かな感触。それが今では三つに感じる。聖治はゼウシスを仕舞い、もう一つに手を伸ばした。
「来い――」
その名を告げる間際、不意に過る友の顔と共に、それはこの手に現れた。
「光帝剣、エンデュラス!」
瞬間、聖治は風になった。全身の肌を擦れる空気が水のように感じたがそれもすぐになくなる。
光帝剣の加速は空気抵抗すら無視して突き進み、此方の目の前にまで到達した。
「ッ――」
瞬時の超加速に此方も声が出ない。だが、構えていた魔皇剣にエンデュラスを打ち付けたため此方は耐えられた。聖治の突撃を受け止め衝撃に顔を顰める。
だが聖治の追撃は終わらない。左手をエンデュラスから離し振り被る。その最中で、聖治はもう一人の友が残してくれた剣をここに現す。
「鉄塊王、撃鉄!」
左手が感じる確かな触感。聖治は柄を握り締め、目の前の此方に打ち付けた。
「きゃああああ!」
此方は攻撃を防ぐものの重量差は覆しようがない。撃鉄が誇る質量は三百キロを超える。
おそらく自身の体重の七倍近い重量の一撃を受け日向は吹き飛ばされた。コンクリートの道路を転がり、服と体にいくつもの傷を作る。
「く、うぅ……」
吹き飛ばされたことにより能力への意識が外れたのか、今ではカリギュラによる能力は感じられない。
だが、此方はまだ諦めていない。傷を負った体を強引に起こし、乱れた髪を整えるため首を振って後ろに流し、立ち上がった
「まだよ。私は、まだ死んでいない!」
「死ぬまで続ける気か!?」
「そうよ! じゃないと、意味がないじゃない!」
此方が睨み付けてくる。瞳には今も燃え続ける闘志がある。折れない決意がある。気迫は眼光となって聖治を貫いた。死ぬまで終わらない戦いを続けようとしている。
「止めてぇええええ!」
「え?」
「日向……?」
その時、響いた叫びに聖治と此方が固まった。二人が向いた先には、日向が立っていた。
「日向、どうしてここに!?」
「お姉ちゃんこそ、何をしてるの!?」
怒りを露わに日向が怒鳴る。普段見せない表情と荒れた声に、此方が畏縮している。
「で、でも、私は! 日向のことを思って!」
押されそうになる気持ちを反発させて此方も叫ぶ。自分の行動は全部日向のためだと声を張った。
「私が、それを望んだの!?」
「!?」
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