錬成七剣神(セブンスソード)
安神日向1
それから此方は自分であげるプレゼントを探すらしいが、一人で探したいとのことで聖治はさきに帰ってプレゼントを渡して欲しいということだった。聖治はビジネスホテルに戻り部屋へと入る。
「日向、もう大丈夫なのか?」
「はい。だいぶ楽になりましたので。すみません、ご心配おかけして」
「そんなことはない」
日向はベッドに腰掛け聖治は机の椅子に座った。
「むしろ、俺の方こそすまなかった。日向のことを考えもせず」
「そんな、聖治さんは悪くありません。今も香織さんが危険なのに、私のせいで」
日向は自分を責めていた。仲間が危機的状況にいるのに怯えている自分を。それが迷惑だと分かっているから日向の表情は暗い。
「私、本当に駄目ですね……。これまでもずっとお姉ちゃんに甘えてて。すぐに怯えて、怖がって。お姉ちゃんは一生懸命私を守るとしてくれるのに、私はなにもしてなくて。今も、こうして迷惑ばかり……」
自責の念は止まらない。日向は自分で自分を傷つけていた。
「そんなことはない!」
「え?」
それを、聖治は否定した。
「誰も悪くない。誰だって怖くて当然なんだ。それを責められる人なんかいない」
聖治は真っ直ぐに日向を見つめる。それからポケットに入れておいたキーホルダーを取り出した。
「これ、お見舞いのプレゼントだ」
「え、いいんですか?」
日向は受け取ると嬉しそうに表情をパッとさせた。さきほどの沈んだ表情が消えて聖治もホッとする。
「此方から聞いたんだ。孤児院にそれとよく似たお気に入りのぬいぐるみがあるって」
「はい! ところどころ破れていましたけど、それが『お姉ちゃん』のお気に入りだったんです」
「え?」
話と違う。
(此方、お前……)
とりあえずそっとしておいた。
日向はキーホルダーを見つめながら柔らかい表情をしている。
「聖治さん、優しいですよね」
「そうでもないさ」
聖治は苦笑した。ほんとうに自分はなにもしていないと思っているだけに。お礼なんて、そんなもの、自分には相応しくない。
「ありがとうございます、こんなにも気を遣ってもらえて」
なのに日向は小さくお辞儀する。礼儀正しくて明るい、小さく可愛い女の子。それが日向だった。
だが、そんな彼女すらもセブンスソードは容赦なく襲いかかる。今もこんなに苦しんでいる、それをなんとかしたいと思った。
「俺なんか全然さ。それに、日向もそんなに自分を責めなくていい。此方から聞いたんだ、昔の日向のこと。とても優しくていい子で、此方がどれだけ嫌っても、それでも笑顔で接してくれたって。此方、嬉しそうに喋っていたんだ」
聖治は此方と話していた時のことを思い出していた。
「その時のことを此方は覚えていて、日向にすごく感謝していた。毎日がすごく怖かったけど、日向のおかげで救われたって。本当の姉妹じゃないけど、此方は日向のことを本当の妹みたいに思ってる。それは日向だからだ。日向が優しくしてくれたから、此方も心を開いた。日向はもっと自信を持っていい」
聖治は日向を励ましていた。安神姉妹の姉妹愛を知っているから。
それをなんだか自分のことのように誇らしく思える。二人と接していて、彼女たちが偽りの姉妹でも二人が互いを思う気持ちは本物だと知っている。それを、聖治は嬉しく思っていた。
「止めてください、私は、そんなんじゃない!」
「日向?」
「日向、もう大丈夫なのか?」
「はい。だいぶ楽になりましたので。すみません、ご心配おかけして」
「そんなことはない」
日向はベッドに腰掛け聖治は机の椅子に座った。
「むしろ、俺の方こそすまなかった。日向のことを考えもせず」
「そんな、聖治さんは悪くありません。今も香織さんが危険なのに、私のせいで」
日向は自分を責めていた。仲間が危機的状況にいるのに怯えている自分を。それが迷惑だと分かっているから日向の表情は暗い。
「私、本当に駄目ですね……。これまでもずっとお姉ちゃんに甘えてて。すぐに怯えて、怖がって。お姉ちゃんは一生懸命私を守るとしてくれるのに、私はなにもしてなくて。今も、こうして迷惑ばかり……」
自責の念は止まらない。日向は自分で自分を傷つけていた。
「そんなことはない!」
「え?」
それを、聖治は否定した。
「誰も悪くない。誰だって怖くて当然なんだ。それを責められる人なんかいない」
聖治は真っ直ぐに日向を見つめる。それからポケットに入れておいたキーホルダーを取り出した。
「これ、お見舞いのプレゼントだ」
「え、いいんですか?」
日向は受け取ると嬉しそうに表情をパッとさせた。さきほどの沈んだ表情が消えて聖治もホッとする。
「此方から聞いたんだ。孤児院にそれとよく似たお気に入りのぬいぐるみがあるって」
「はい! ところどころ破れていましたけど、それが『お姉ちゃん』のお気に入りだったんです」
「え?」
話と違う。
(此方、お前……)
とりあえずそっとしておいた。
日向はキーホルダーを見つめながら柔らかい表情をしている。
「聖治さん、優しいですよね」
「そうでもないさ」
聖治は苦笑した。ほんとうに自分はなにもしていないと思っているだけに。お礼なんて、そんなもの、自分には相応しくない。
「ありがとうございます、こんなにも気を遣ってもらえて」
なのに日向は小さくお辞儀する。礼儀正しくて明るい、小さく可愛い女の子。それが日向だった。
だが、そんな彼女すらもセブンスソードは容赦なく襲いかかる。今もこんなに苦しんでいる、それをなんとかしたいと思った。
「俺なんか全然さ。それに、日向もそんなに自分を責めなくていい。此方から聞いたんだ、昔の日向のこと。とても優しくていい子で、此方がどれだけ嫌っても、それでも笑顔で接してくれたって。此方、嬉しそうに喋っていたんだ」
聖治は此方と話していた時のことを思い出していた。
「その時のことを此方は覚えていて、日向にすごく感謝していた。毎日がすごく怖かったけど、日向のおかげで救われたって。本当の姉妹じゃないけど、此方は日向のことを本当の妹みたいに思ってる。それは日向だからだ。日向が優しくしてくれたから、此方も心を開いた。日向はもっと自信を持っていい」
聖治は日向を励ましていた。安神姉妹の姉妹愛を知っているから。
それをなんだか自分のことのように誇らしく思える。二人と接していて、彼女たちが偽りの姉妹でも二人が互いを思う気持ちは本物だと知っている。それを、聖治は嬉しく思っていた。
「止めてください、私は、そんなんじゃない!」
「日向?」
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