錬成七剣神(セブンスソード)
犠牲4
指先が自分の意思を離れ震えている。これでは戦えない。足も震えており逃げられない。
だが、震えているのは自分だけではなかった。
力也も、震えていたのだ。大きな背中も、スパーダを握る大きな両手も。それでも力也は友達を守るため、恐怖に耐えて立っていた。
(力也)
その姿勢に聖治は感動していた。こんなにも分かり易い友情があるだろうか? 友のために死の恐怖に耐えて、戦うこと以上の。
「力也……」
聖治は思った。最高の友達だと。力也も、そして星都もだ。彼らと友達で良かったと心の底から思い、その絆を誇らしく思う。
だからこそ、聖治は全力で叫んだ。
「止めろ力也ぁああああ!」
力也は、駆け出した。巨大な撃鉄を構えて。
大きな背中が遠ざかっていく。友達を助けるために。自分を守るために。勇気を出して向かっていく。
それを、魔来名は切り裂いた。
力也の動きが止まる。撃鉄を振り上げた姿勢のまま魔来名の前で動かない。前え向きに姿勢が傾いていき地面に倒れた。
「力也……?」
目の目で友人を二人も失った。悲しみと虚無感が全身を包んでいく。
「あ……あ……うああああああああ!」
絶叫が夜の街に響いた。爆発する感情が胸の中で暴れている。
聖治は立ち上がった。右手はスパーダを痛いくらいに握り締める。
「許さない……」
呟く声は、激怒に満ちていた。
「お前は、許さない! 絶対に許さない、魔来名(まきな)ぁ!」
睨みつける。友の仇である魔堂魔来名を。
灼熱の敵意で聖治は睨む。それを冷酷な瞳が受け止めていた。
「お前は、ここで倒す!」
「やってみろ、出来るものならな」
二人は対峙した。殺し合うために。
聖治は駆け出し二人は激しく切り結ぶ。
聖治は上段に構えた神剣を振り下ろす。それを魔来名は払い横からの一閃を放つ。それを聖治はすぐさまゼウシスで防いだ。その後も互いの剣を繰り出していく。
神剣と魔刀がぶつかり合う。黄金と漆黒をまとう刀身が何度も当たっては攻防を繰り返す。聖治は思いを込めて猛攻した。上段からの切り落としや全力の突きを放つ。
「お前だけは絶対に許さない!」
昨晩、四人とした約束がある。全員で生き残ろうと、そして明るい明日を掴み取ろうと。
しかし、その約束はもう守れない。
聖治は胸の中で燃える思いを剣に乗せ、勢いよく剣を振っていく。
「ふん、単純な攻撃だな」
だが魔来名は静かだった。表情に乱れはない。剣筋は力強く殺意とともに放たれる一閃は強烈だ。
その剣技は聖治よりも一段も二段も上であり、風のような剣速は聖治の機を制し動きを徐々に奪っていく。
「くっ!」
聖治から勢いがなくなっていく。はじめは怒涛の勢いで攻めていた聖治はすぐに防戦一方となり、ついには攻めることすら出来なくなっていた。
「くそ!」
魔来名の攻撃を耐えるだけにまで追い詰められ悔しい思いが漏れる。
そして刀に気を取られた隙に魔来名(まきな)の蹴りを受けてしまう。
「があ!」
聖治は吹き飛び地面を転がった。起き上がろうとするのだがせき込んでしまいすぐには立てない。
「ぐぅ……!」
痛みに顔が引きつる。魔来名は納刀すると聖治を見下ろしていた。それを悔しそうに見上げる。
だが、震えているのは自分だけではなかった。
力也も、震えていたのだ。大きな背中も、スパーダを握る大きな両手も。それでも力也は友達を守るため、恐怖に耐えて立っていた。
(力也)
その姿勢に聖治は感動していた。こんなにも分かり易い友情があるだろうか? 友のために死の恐怖に耐えて、戦うこと以上の。
「力也……」
聖治は思った。最高の友達だと。力也も、そして星都もだ。彼らと友達で良かったと心の底から思い、その絆を誇らしく思う。
だからこそ、聖治は全力で叫んだ。
「止めろ力也ぁああああ!」
力也は、駆け出した。巨大な撃鉄を構えて。
大きな背中が遠ざかっていく。友達を助けるために。自分を守るために。勇気を出して向かっていく。
それを、魔来名は切り裂いた。
力也の動きが止まる。撃鉄を振り上げた姿勢のまま魔来名の前で動かない。前え向きに姿勢が傾いていき地面に倒れた。
「力也……?」
目の目で友人を二人も失った。悲しみと虚無感が全身を包んでいく。
「あ……あ……うああああああああ!」
絶叫が夜の街に響いた。爆発する感情が胸の中で暴れている。
聖治は立ち上がった。右手はスパーダを痛いくらいに握り締める。
「許さない……」
呟く声は、激怒に満ちていた。
「お前は、許さない! 絶対に許さない、魔来名(まきな)ぁ!」
睨みつける。友の仇である魔堂魔来名を。
灼熱の敵意で聖治は睨む。それを冷酷な瞳が受け止めていた。
「お前は、ここで倒す!」
「やってみろ、出来るものならな」
二人は対峙した。殺し合うために。
聖治は駆け出し二人は激しく切り結ぶ。
聖治は上段に構えた神剣を振り下ろす。それを魔来名は払い横からの一閃を放つ。それを聖治はすぐさまゼウシスで防いだ。その後も互いの剣を繰り出していく。
神剣と魔刀がぶつかり合う。黄金と漆黒をまとう刀身が何度も当たっては攻防を繰り返す。聖治は思いを込めて猛攻した。上段からの切り落としや全力の突きを放つ。
「お前だけは絶対に許さない!」
昨晩、四人とした約束がある。全員で生き残ろうと、そして明るい明日を掴み取ろうと。
しかし、その約束はもう守れない。
聖治は胸の中で燃える思いを剣に乗せ、勢いよく剣を振っていく。
「ふん、単純な攻撃だな」
だが魔来名は静かだった。表情に乱れはない。剣筋は力強く殺意とともに放たれる一閃は強烈だ。
その剣技は聖治よりも一段も二段も上であり、風のような剣速は聖治の機を制し動きを徐々に奪っていく。
「くっ!」
聖治から勢いがなくなっていく。はじめは怒涛の勢いで攻めていた聖治はすぐに防戦一方となり、ついには攻めることすら出来なくなっていた。
「くそ!」
魔来名の攻撃を耐えるだけにまで追い詰められ悔しい思いが漏れる。
そして刀に気を取られた隙に魔来名(まきな)の蹴りを受けてしまう。
「があ!」
聖治は吹き飛び地面を転がった。起き上がろうとするのだがせき込んでしまいすぐには立てない。
「ぐぅ……!」
痛みに顔が引きつる。魔来名は納刀すると聖治を見下ろしていた。それを悔しそうに見上げる。
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