錬成七剣神(セブンスソード)
第一章 絶望の中、団結の時
朝の陽ざしが学校の廊下を満たしていた。時刻は九時に差し迫り生徒たちは教室に集まっている。
物静かな廊下はホームルームの開始を感じさせるが、そこには女性の教師だけでなくもう一人の男子生徒が歩いていた。
「緊張してない? みんないい子だし、すぐに友達もできるわ」
「は、はい、ありがとうございます」
教師からの気遣いに少年は固い声で答える。
剣島聖治。今日は彼の転校日だ。真新しい制服に身を包み表情は初めての転校というものに緊張している。
聖治は遠くを見るような気持ちで天井を見上げてみた。
(転校、かあ)
自分の境遇にしみじみとした思いが沸いてくる。両親は二人とも海外出張で出ていってしまい、日本には自分だけが残った。これからどうなってしまうのか。今後のことを思うと気が重い。
「はあ」
聖治は憂鬱なまま廊下を歩いた。
すると教師が立ち止まった。見れば自分のクラスである二年四組の札がかかっている。ここだ。聖治の緊張が一層高まった。
「それじゃあここで少し待っててね。私が呼んだら教室に入ってきて。自己紹介してもらうから」
「は、はい」
そういうと先生は教室へと入っていった。言われたまま扉の前で待つ。緊張からか妙に心臓の動きがぎこちない。
リズムが悪いというか一回の鼓動が大きいというか。聖治は不甲斐ない自分にまたもため息を吐いた。
そうしていると先生から転校生が来ることが伝えられたようでクラスから声があがった。
(変に期待されてないよな……?)
もう入る前からくたくただ。
「それじゃあ入って来て」
先生に呼ばれる。少しだけ躊躇う気持ちはあるが行かなばなるまい。ここで引き返してもどこに行けばいいというのか。
聖治は固い動きで扉を開き教室へと一歩を踏み出した。みなからの視線を感じる。聖治はあまり見ないように視線を下げて黒板の前に立った。
顔を上げてみれば、クラスメイト全員が自分を見ている。
「…………」
とても緊張する。
「彼が今日から新しくクラスメイトになる剣島聖治君よ。じゃあ自己紹介してもらえるかしら」
先生から促され聖治も心を決めた。不安な表情に気合いを入れて、これから一緒に過ごすクラスメイトたちへと声をかけた。
「はじめまして。剣島聖治です。よろしく。お願いします」
緊張を残しながら聖治はあいさつし小さく頭を下げる。聖治の自己紹介が終わったことにクラスメイトたちから拍手が送られてきた。
当然の反応と言えば当然の反応だが、緊張していたわりには呆気ない。
(なんか、俺の気負いすぎだったな)
案外そういうものかもしれない。
その後は席に案内され、空いている席に座った。先生から他の伝達事項が告げられホームルームは終わりとなった。先生が出ていく。
(あ)
とたんに取り残された気分だ。周りに人はいるのに孤独感がすごい。これなら本当に一人きりの方が気が楽だ。
物静かな廊下はホームルームの開始を感じさせるが、そこには女性の教師だけでなくもう一人の男子生徒が歩いていた。
「緊張してない? みんないい子だし、すぐに友達もできるわ」
「は、はい、ありがとうございます」
教師からの気遣いに少年は固い声で答える。
剣島聖治。今日は彼の転校日だ。真新しい制服に身を包み表情は初めての転校というものに緊張している。
聖治は遠くを見るような気持ちで天井を見上げてみた。
(転校、かあ)
自分の境遇にしみじみとした思いが沸いてくる。両親は二人とも海外出張で出ていってしまい、日本には自分だけが残った。これからどうなってしまうのか。今後のことを思うと気が重い。
「はあ」
聖治は憂鬱なまま廊下を歩いた。
すると教師が立ち止まった。見れば自分のクラスである二年四組の札がかかっている。ここだ。聖治の緊張が一層高まった。
「それじゃあここで少し待っててね。私が呼んだら教室に入ってきて。自己紹介してもらうから」
「は、はい」
そういうと先生は教室へと入っていった。言われたまま扉の前で待つ。緊張からか妙に心臓の動きがぎこちない。
リズムが悪いというか一回の鼓動が大きいというか。聖治は不甲斐ない自分にまたもため息を吐いた。
そうしていると先生から転校生が来ることが伝えられたようでクラスから声があがった。
(変に期待されてないよな……?)
もう入る前からくたくただ。
「それじゃあ入って来て」
先生に呼ばれる。少しだけ躊躇う気持ちはあるが行かなばなるまい。ここで引き返してもどこに行けばいいというのか。
聖治は固い動きで扉を開き教室へと一歩を踏み出した。みなからの視線を感じる。聖治はあまり見ないように視線を下げて黒板の前に立った。
顔を上げてみれば、クラスメイト全員が自分を見ている。
「…………」
とても緊張する。
「彼が今日から新しくクラスメイトになる剣島聖治君よ。じゃあ自己紹介してもらえるかしら」
先生から促され聖治も心を決めた。不安な表情に気合いを入れて、これから一緒に過ごすクラスメイトたちへと声をかけた。
「はじめまして。剣島聖治です。よろしく。お願いします」
緊張を残しながら聖治はあいさつし小さく頭を下げる。聖治の自己紹介が終わったことにクラスメイトたちから拍手が送られてきた。
当然の反応と言えば当然の反応だが、緊張していたわりには呆気ない。
(なんか、俺の気負いすぎだったな)
案外そういうものかもしれない。
その後は席に案内され、空いている席に座った。先生から他の伝達事項が告げられホームルームは終わりとなった。先生が出ていく。
(あ)
とたんに取り残された気分だ。周りに人はいるのに孤独感がすごい。これなら本当に一人きりの方が気が楽だ。
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