詩花 嫉妬の花

葵冬弥

詩花 嫉妬の花

咲いた


咲いた


何かが咲いた


心の中で


密やかに 


はっきりと


その花の香りが


心を満たしていく


芳醇に


溜まっていく


だけど


その花の名前が分からない


ただあなたを見る時に


強く香る


なんだろう


この花の名前を知っているような


感じているような


知りたくて


知りたくて


刃を立てた


その胸に


その花を見るために


あぁ、やっぱりそうなんだ


見てみて確信した 


納得した


そうか


これは


醜くも 


美しい


嫉妬の花だ


目の前で倒れた


あなたの胸の上で


その花は咲き誇っていた

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