リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ
それから・・・それから?
打った打球は、なぜか、ライトへ転がっている。しかも追いつかれそうだ。
結局、2塁打に、5番もバントをして、この回も終わった。コーチのオッパイはお預けに、一方試合は膠着しお互い得点ゼロの2対1のまま、最終回になった。
こうして迎えた最終回は3番の絹やんからだった。
キン!!
「うぉおおおお!!」
久しぶりの快音にベンチからの歓声が上がった。絹やんがヒットを打ったのだった。
そして、打順は俺、そして、コーチは
「ホームラン打ったら、オッパイ見せてあげるわ」
これは打てないことを示している。ホームランで逆転だが、そう簡単に打てる訳もない。相手は高校生、顔は真剣だ。
「なにやってんの!!あとアウト三つ!!」
「しまって行こう!!」
「おー!!」
「プレイ!!」
その時だった。センターの方向から一人の少女が走ってきた。その後ろには中学生らしき男の姿が彼女を追いかけている。そして、俺の姿を確認したその少女が叫んだ。
「佐藤君ーー!!助けてー!!」
なんと!!岡本さんが逃げてきて、バッターボックスに立っている俺に抱きついてきた。
何が起きたのやら、目の前には、全く面識がない中学生が一人俺に向かって吠えている。
「お前が〜!!、俺の女を取った佐藤か〜?!ぐぅるぁああああ!!」
なんとも頭の悪さな行動だ。頭はチェッカーズのように前髪を垂らして、長ランを来ている。そんな修羅場は、俺の背後でも起きていた。それは、天野さん、太田さん、山田さんの三人が俺の後ろで岡本さんと言い合いをしている。目の前のアホは
「きいてんのか〜あ"〜?ぐぅるぁあああ!!」
するとこの頭の悪いやつは後ろから蹴りを入れられた
「邪魔だ」
「がは!!」
そいつは振り返ると驚きの表情をしていた。
「あたいの試合邪魔すんじゃねーよ!ひとみ!!」
あたふたとあわてるひとみと呼ばれる中学生、
「なんで・・・ねーちゃんが・・・」
「ひとみ君て言うんだーかわいい」
「けど、だめだぞー試合を邪魔しちゃー」
「えっ?あっ?」
俺の後ろの三人が瞳君だってーと笑い始めていた。すると何を慌てたのかその場から逃げ出すと転がっているバットに引っかかって転倒、すぐに立ち上がり走り出すがグラウンドに置かれてあったトンボをふんだ
バーン!!
起き上がったトンボを顔面に直撃、なんてベタなやつなんだ?とそれより、この空気をどうしたらいいんだろうか?
それより試合再開、俺は、なんとかタイムリーヒットで一点を返し同点に、そして、7回裏はなんとかゼロ点で同点で試合が終わったのだった。そして、おれには、岡田さんの件が待ち受けていた。
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