リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ

seabolt

ドロップボール




3回表、矢部っちに変わって俺がマウンドに立った。そして、超山なりボールを投げるのだった。

「ストライク!!」

「え?」

「うそ?」

相手チームの驚きの声を聞きながらも、超山なりのボールを投げたのだった。最初の打者は、タイミングが合わず、三振、2番目のバッターは、バットにあてたものの、ぼてぼてのサードゴロだった。そして、3人目が青木君だった。流石3球目でなんとかファールをしてくる。4球目もファールだ。しかたない。とズバットストライクを投げるとビクッとバットも出ないで三振をしたのだった。あの時の悔しそうな青木君の顔が怖かったんだけど、こうして、膠着状態のまま回が進み、俺達は、ドロップボールに手が出ないまま、最終回の7回になった。この回の先頭は3番矢部っちからだった。

「いけー!!矢部っち!!」

とはいうものの既に、ツーストライクを追い込まれていた。

「気をつけろ!!!」

キン!!

すると矢部っちがレフト前にヒットを打ったのだった。最後の玉は決め球のドロップボールのはず、どういうことだろうと思って、バッターボックスに立つと、初球を見てなんとなくわかった。球威が明らかに落ちているのだ。つまり、体力的に厳しいのだ。俺のようにあまり体力を使わないスローボールと違い球威があってこそのドロップボールのはず、ということは、ドロップボールも落ちなくなっているはずだ。ということで、俺は、レフト線へ引っ張ることにした。そして、迎えた2球目

「うぐ・・・」

「デッドボール」

こうして、ノーアウト1、2塁、ここで打順は四谷君

キン!!

今度は、ライト線へヒットを打った。

こうして、1塁の俺も生還し逆転、2対3で辛うじて勝つことが出来たのだった。

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