異世界を8世界ほど救ってくれって頼まれました。~本音で進む英雄譚~(仮)
1-9 ちょっとそこまでレベル上げ
「それでは、これでギルドカードの作成は終わりです。最後にですが、町の中で武器を抜いたりすると罰金が発生しますので気を付けてください」
コルベットさんの話を一通り聞いて、特に問題は無さそうだと判断し俺達はギルドを後にした。
「冒険者ランクとか聞いてもこの世界にいつまでいるか分からないし、身分証としての役割だけになりそうだよな」
「確かにそうね、何となく指針はできたけどうする? 領主の所へ行くとしても、刺客の強さが分からないからこのまま行くのは危なくないかしら?」
俺がレベル五で、綾香が四。フィリアに至っては一だからなあ。
「そろそろ泣き止めよ、ちょっとポンコツなだけじゃないか」
「ちょっと!? ちょっとでも嫌ですよ!?」
「むしろどれくらいポンコツなのか見てみたいわね……」
「じゃあレベリングを兼ねて外へ出てみるか? あまりきつい様だったら防具もどっかで調達しよう」
「オッケー!」
「うう……はい……」
外に出るとギルドマスターとばったり会った。そして何故か泣いている子供を背負っていた。
「……どうしたんですか?」
咥えたばこのまま俺達に向き直り、状況を説明してくれる。
「いや、タバコを買いに行ったら、角で迷子を見つけてね。今、家まで送って居る所なんだよ。あまり一人で居ると誘拐されかねないから……ふー」
相変わらず気怠そうだが、やっていることは超いいことだった。
うん、もうちょっとやる気を出したらいいのにと思いながらギルドマスターと別れた。
「外に出るなら陽が暮れるまでに戻るんだぞ」
お母さんか!?
---------------------------------------------------
「気を付けてな。今じゃ魔物より野盗の方がおっかないくらいだ」
そんな物騒なことを言う門番へ挨拶をし、町の外へ出ると広々とした草原が広がっていた。
草はあまり伸びていないので身を隠したりは出来ないが、奇襲もされにくいだろう。
その時、コントローラーがピコーン! と鳴る。
<適性存在が付近に居ます。ご注意ください>
「お、ちゃんと仕事してくれてるな? 助かるよ」
<役目ですから。エネミーサーチを使用しますか?>
「折角だしお願いするわ」
<貴女には聞いていませんが、まあいいでしょう>
「え!?」
<1メートル以内に【グリーンスライム:LV1】が三匹居ます。対象は小さく、酸の攻撃をしてきますのでご注意ください>
「あ、見つけましたよ」
フィリアが早速グリーンスライムを見つけたようだ。
「まだレベル1だから気をつけろよ?」
「はい! ちょっと魔法を使ってみますね! ≪ライトニング≫!」
「それっぽいわね! いいじゃない!」
バチバチと電撃がスライムに走り、ピキュっとスライムを倒す。
綾香が初めて見る魔法に興奮気味になっていた。俺もちょっとカッコいいと思ってしまった。
あの星形ステッキじゃなければ。
「それ持ってきてたんだな……」
「え? 可愛いじゃないですか!」
シャラランと音がしそうな先っぽが★のステッキを振りながら、残りのスライムを倒していく。
<ちゃらら~ん♪ フィリアのレベルが上がった>
「え!? 呼び捨て!? そしてBGMでもSEでも無く肉声!?」
<色々上がりました>
「雑!」
<チッ>
「さっきからこのオペレーター生意気じゃないかしら? 陽の言う事はちゃんと聞くみたいだけど……」
「そうですね。何だか悪意を感じます!」
<雌豚に構っている暇はありませんので>
「正体を現したわね!? 陽、こいつがラスボスよ!?」
綾香がコントローラーを捻り壊そうとしていた。
「待て待て……。これから長い付き合いになるんだ、オペレーター? お前も自重してくれ」
「うわーん、雌豚って言われたぁぁぁ!」
<ハルさんにそう言われたら仕方ありません譲歩しましょう>
うん、生意気だと俺も思うわ。
「そうしてくれ……オペレーターじゃ呼びにくいな。何か名前つけるか」
「必要かしら? オペ子とかでいいんじゃない?」
<あ?>
「あ?」
言ったそばから喧嘩するなよ…!?
「あーはいはい。そこまでだ。そうだな、コントローラーだし。『ローラ』とかどうだ?」
<完璧ですね。流石はハルさんです>
「露骨すぎる!?」
「まあ気に入ったならいいだろ? じゃあもうちょい戦ってみようぜ」
「そうね、私も戦闘してみたいわ!」
「じゃあフィリアを優先して戦ってみるか」
「オッケー!」
---------------------------------------------------
1時間ほど経過しただろうか?
「……グリーンスライムしかいねぇ……」
「全ッ然レベル上がらないわね……」
「わたし、3から上がらなくなりましたよ……」
<現在50匹討伐しています。素材は【スライムの粘液×27】回収済み>
同じ物ばかりを27個。そして微妙に使えるのか分からん粘液ばかりでもなあ……。
「はあ……そろそろ帰るか? 魔法の本を読んでこいつらに試した方がいい気がしてきた。弱いし」
綾香も疲れた顔で俺に同意してくれる。言葉がない所を見るともう飽きているようだな。
陽も傾きかけてきたし、それじゃ戻るかと三人で決めたところでフィリアが何かを発見する。
「あれ? あの影は……?」
フィリアが言いかけたところで、ローラが警報と共に敵の存在を告げる。
<緊急事態です。【ジャンボグリーンスライム】が仲間を殺された恨みを持って近づいてきます。おおよそのレベルは50。陽が暮れると出現する個体のようです。ただちに避難してください>
はあ!? ちょっとバランス悪すぎないかこの世界!?
巨大なスライムはすでに目の前まで迫っていた。
コルベットさんの話を一通り聞いて、特に問題は無さそうだと判断し俺達はギルドを後にした。
「冒険者ランクとか聞いてもこの世界にいつまでいるか分からないし、身分証としての役割だけになりそうだよな」
「確かにそうね、何となく指針はできたけどうする? 領主の所へ行くとしても、刺客の強さが分からないからこのまま行くのは危なくないかしら?」
俺がレベル五で、綾香が四。フィリアに至っては一だからなあ。
「そろそろ泣き止めよ、ちょっとポンコツなだけじゃないか」
「ちょっと!? ちょっとでも嫌ですよ!?」
「むしろどれくらいポンコツなのか見てみたいわね……」
「じゃあレベリングを兼ねて外へ出てみるか? あまりきつい様だったら防具もどっかで調達しよう」
「オッケー!」
「うう……はい……」
外に出るとギルドマスターとばったり会った。そして何故か泣いている子供を背負っていた。
「……どうしたんですか?」
咥えたばこのまま俺達に向き直り、状況を説明してくれる。
「いや、タバコを買いに行ったら、角で迷子を見つけてね。今、家まで送って居る所なんだよ。あまり一人で居ると誘拐されかねないから……ふー」
相変わらず気怠そうだが、やっていることは超いいことだった。
うん、もうちょっとやる気を出したらいいのにと思いながらギルドマスターと別れた。
「外に出るなら陽が暮れるまでに戻るんだぞ」
お母さんか!?
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「気を付けてな。今じゃ魔物より野盗の方がおっかないくらいだ」
そんな物騒なことを言う門番へ挨拶をし、町の外へ出ると広々とした草原が広がっていた。
草はあまり伸びていないので身を隠したりは出来ないが、奇襲もされにくいだろう。
その時、コントローラーがピコーン! と鳴る。
<適性存在が付近に居ます。ご注意ください>
「お、ちゃんと仕事してくれてるな? 助かるよ」
<役目ですから。エネミーサーチを使用しますか?>
「折角だしお願いするわ」
<貴女には聞いていませんが、まあいいでしょう>
「え!?」
<1メートル以内に【グリーンスライム:LV1】が三匹居ます。対象は小さく、酸の攻撃をしてきますのでご注意ください>
「あ、見つけましたよ」
フィリアが早速グリーンスライムを見つけたようだ。
「まだレベル1だから気をつけろよ?」
「はい! ちょっと魔法を使ってみますね! ≪ライトニング≫!」
「それっぽいわね! いいじゃない!」
バチバチと電撃がスライムに走り、ピキュっとスライムを倒す。
綾香が初めて見る魔法に興奮気味になっていた。俺もちょっとカッコいいと思ってしまった。
あの星形ステッキじゃなければ。
「それ持ってきてたんだな……」
「え? 可愛いじゃないですか!」
シャラランと音がしそうな先っぽが★のステッキを振りながら、残りのスライムを倒していく。
<ちゃらら~ん♪ フィリアのレベルが上がった>
「え!? 呼び捨て!? そしてBGMでもSEでも無く肉声!?」
<色々上がりました>
「雑!」
<チッ>
「さっきからこのオペレーター生意気じゃないかしら? 陽の言う事はちゃんと聞くみたいだけど……」
「そうですね。何だか悪意を感じます!」
<雌豚に構っている暇はありませんので>
「正体を現したわね!? 陽、こいつがラスボスよ!?」
綾香がコントローラーを捻り壊そうとしていた。
「待て待て……。これから長い付き合いになるんだ、オペレーター? お前も自重してくれ」
「うわーん、雌豚って言われたぁぁぁ!」
<ハルさんにそう言われたら仕方ありません譲歩しましょう>
うん、生意気だと俺も思うわ。
「そうしてくれ……オペレーターじゃ呼びにくいな。何か名前つけるか」
「必要かしら? オペ子とかでいいんじゃない?」
<あ?>
「あ?」
言ったそばから喧嘩するなよ…!?
「あーはいはい。そこまでだ。そうだな、コントローラーだし。『ローラ』とかどうだ?」
<完璧ですね。流石はハルさんです>
「露骨すぎる!?」
「まあ気に入ったならいいだろ? じゃあもうちょい戦ってみようぜ」
「そうね、私も戦闘してみたいわ!」
「じゃあフィリアを優先して戦ってみるか」
「オッケー!」
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1時間ほど経過しただろうか?
「……グリーンスライムしかいねぇ……」
「全ッ然レベル上がらないわね……」
「わたし、3から上がらなくなりましたよ……」
<現在50匹討伐しています。素材は【スライムの粘液×27】回収済み>
同じ物ばかりを27個。そして微妙に使えるのか分からん粘液ばかりでもなあ……。
「はあ……そろそろ帰るか? 魔法の本を読んでこいつらに試した方がいい気がしてきた。弱いし」
綾香も疲れた顔で俺に同意してくれる。言葉がない所を見るともう飽きているようだな。
陽も傾きかけてきたし、それじゃ戻るかと三人で決めたところでフィリアが何かを発見する。
「あれ? あの影は……?」
フィリアが言いかけたところで、ローラが警報と共に敵の存在を告げる。
<緊急事態です。【ジャンボグリーンスライム】が仲間を殺された恨みを持って近づいてきます。おおよそのレベルは50。陽が暮れると出現する個体のようです。ただちに避難してください>
はあ!? ちょっとバランス悪すぎないかこの世界!?
巨大なスライムはすでに目の前まで迫っていた。
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