異世界を8世界ほど救ってくれって頼まれました。~本音で進む英雄譚~(仮)
1-1 出発しましょう、そうしましょう!
「ええっと、何の話だったっけ?俺が世界を壊せばいいんだっけ?」
「しっかりして、陽。そうじゃないわ」
綾香が錯乱する俺を抱きとめてくれる。柔らかい。
「あー魔法、魔法だったっけ・・」
「そ、そうそう。魔法よ魔法!」
俺のキレっぷりにより、慌てて話を戻すメントル様。
どちらかと言えばあの禿散らかしているヤツが原因なんだけどな。ヤツは・・どこだ・・?
「”エクレイル”はごく普通の魔力を消費して火や水を出したりするんだ。まあゲームと同じ感じだと思ってくれ。長ったらしい詠唱は必要ないし、心の中で思うだけで使えるから色々試してみてくれ」
「ここじゃ使えないんですか?」
「この世界はあたしら神のフィールドだからね。残念だけど現地で試してくれ」
となると各世界で魔法体系が違う、という可能性があるな。でもまずは目の前の事を終えていくのが肝心か。
「火、水、土、風、聖の五属性が使えるようにしてあるから、不便は無いと思うよ。回復魔法は早めに使いこなせた方がいいかもしれないね。後はあたしの加護が付与しておいた」
メントル様が女神らしい仕事をこなしてくれる。
「肝心の魔法の名前とかは・・?」
「おお、そうだそうだ。はいこれ。魔法書ね。暇な時にでも読んで試してくれ!」
学校の教科書より厚く、辞書よりは薄い。そんな本を俺と綾香へ手渡してくれる。
ペラペラとめくってみると、文字の形態は分からないが読むことはできた。
「よし、じゃあこれでとりあえずは問題ないか!フィリア、準備はいいかい?」
そういや姿を見ないけどどこにいったんだろう?
「は、はーい・・・に、荷物をもってきてたんですぅ・・」
もらった皮袋に色々詰め込んできたらしい。そういや気にしてなかったけど、この子も神様の一人なのだろうか?
「フィリア・・さんって神様なんですか?」
暗い顔をした女の子が俺に向き直り、へらっと笑いながら答えてくれた。振り返った時胸が揺れた。
「ああ、わたしはメントル様の元で女神修行をしているんですよ。近いと言えば近いですが、そこまでの力はありません・・・・見ての通り、小間使いレベル、です・・」
俺と綾香は色々と察し目を逸らす。あの神様連中だと苦労も多いだろう。しかも俺達と旅になるなど思いもしなかったに違いない。
「私は雨宮綾香よ、フィリアさんよろしくね!」
綾香が握手を求め、フィリアさんがそれに応じる。これから長い旅になりそうだし、女の子同士仲良くやっていただきたい。
「わたしのことはフィリアで大丈夫ですよ、綾香さん!お友達が増えたみたいで嬉しいですね、大変な旅になるかもしれませんけど頑張りましょう!」
綾香の腕をぶんぶんと振ると、それに合わせて大きな胸が動く。俺は釘付けになってしまった。
「(陽に手を出したら・・分かってるわよね?)」
なにやらボソッとフィリアに言いながら手を離した。
「ヒッ!?」
「ど、どうしたんだ?俺は神代陽だ。あんたも大変だろうけど、宜しく頼む」
俺が握手を求めると、恐る恐る握ってくる。
「よ、よろしくお願いします・・・!」
「おい、すごい汗だぞ?大丈夫か?ほら、ハンカチ」
顔の汗もそうだが、手の汗もすごい。具合は悪そうには見えなかったけど・・?
「あ、だ、大丈夫、です!さあメントル様!準備はできましたよ!!」
空元気にも見えるが、腹は決まったようだ。
「まあ、賑やかなのは悪くないかな?」
「・・・そうね(うう、二人きりが良かったのに!!)」
「何か言ったか?」
「う、ううん!何も言ってないよ?」
怪しい。が追及しても回答は得られないだろう。
「よし、じゃあエクレイルへ転送するよ!『世界の境界を管理せし我が名はメントス!かの勇者たちを導きたまえ!』」
「おお、それっぽい!」
俺が感動していると、足元に魔方陣のようなものが出てきた。
「まあ、神様っぽいことをしない信じてもらえないしね。すまないけど、シルトの事頼んだよ!」
「はい、頑張ってきます!」
綾香も元気よく返事をする。いよいよ異世界か・・・本当に大丈夫なんだろうか?
後、何か忘れているような・・・。
「はー年を取るとトイレが近くなっていかんわい。ん?あ!も、もう転移を始めておるのか!?ちょ、待って待って!!コントローラーの使い方まだ教えておらんぞい!」
「「「「あ!?」」」」
そうだ、このコントローラーの使い方をまったく聞いていない!?
ドンドン!!
何か見えない壁があって魔方陣から出られないし!!
「ああ!ちょ!『キャンセル!キャンセルぅ!』」
メントス様が雑な詠唱をしているところに、俺達の勇者認定した声が響き渡る。
<転移が始まっておりますので、キャンセルはできかねます。どうしてもキャンセルされる場合は、今から申し上げる口座へ10万円お振込をお願いします>
「何そのワンクリック詐・・・・」
俺は最後までセリフを言い終えることが出来なかった。
「しっかりして、陽。そうじゃないわ」
綾香が錯乱する俺を抱きとめてくれる。柔らかい。
「あー魔法、魔法だったっけ・・」
「そ、そうそう。魔法よ魔法!」
俺のキレっぷりにより、慌てて話を戻すメントル様。
どちらかと言えばあの禿散らかしているヤツが原因なんだけどな。ヤツは・・どこだ・・?
「”エクレイル”はごく普通の魔力を消費して火や水を出したりするんだ。まあゲームと同じ感じだと思ってくれ。長ったらしい詠唱は必要ないし、心の中で思うだけで使えるから色々試してみてくれ」
「ここじゃ使えないんですか?」
「この世界はあたしら神のフィールドだからね。残念だけど現地で試してくれ」
となると各世界で魔法体系が違う、という可能性があるな。でもまずは目の前の事を終えていくのが肝心か。
「火、水、土、風、聖の五属性が使えるようにしてあるから、不便は無いと思うよ。回復魔法は早めに使いこなせた方がいいかもしれないね。後はあたしの加護が付与しておいた」
メントル様が女神らしい仕事をこなしてくれる。
「肝心の魔法の名前とかは・・?」
「おお、そうだそうだ。はいこれ。魔法書ね。暇な時にでも読んで試してくれ!」
学校の教科書より厚く、辞書よりは薄い。そんな本を俺と綾香へ手渡してくれる。
ペラペラとめくってみると、文字の形態は分からないが読むことはできた。
「よし、じゃあこれでとりあえずは問題ないか!フィリア、準備はいいかい?」
そういや姿を見ないけどどこにいったんだろう?
「は、はーい・・・に、荷物をもってきてたんですぅ・・」
もらった皮袋に色々詰め込んできたらしい。そういや気にしてなかったけど、この子も神様の一人なのだろうか?
「フィリア・・さんって神様なんですか?」
暗い顔をした女の子が俺に向き直り、へらっと笑いながら答えてくれた。振り返った時胸が揺れた。
「ああ、わたしはメントル様の元で女神修行をしているんですよ。近いと言えば近いですが、そこまでの力はありません・・・・見ての通り、小間使いレベル、です・・」
俺と綾香は色々と察し目を逸らす。あの神様連中だと苦労も多いだろう。しかも俺達と旅になるなど思いもしなかったに違いない。
「私は雨宮綾香よ、フィリアさんよろしくね!」
綾香が握手を求め、フィリアさんがそれに応じる。これから長い旅になりそうだし、女の子同士仲良くやっていただきたい。
「わたしのことはフィリアで大丈夫ですよ、綾香さん!お友達が増えたみたいで嬉しいですね、大変な旅になるかもしれませんけど頑張りましょう!」
綾香の腕をぶんぶんと振ると、それに合わせて大きな胸が動く。俺は釘付けになってしまった。
「(陽に手を出したら・・分かってるわよね?)」
なにやらボソッとフィリアに言いながら手を離した。
「ヒッ!?」
「ど、どうしたんだ?俺は神代陽だ。あんたも大変だろうけど、宜しく頼む」
俺が握手を求めると、恐る恐る握ってくる。
「よ、よろしくお願いします・・・!」
「おい、すごい汗だぞ?大丈夫か?ほら、ハンカチ」
顔の汗もそうだが、手の汗もすごい。具合は悪そうには見えなかったけど・・?
「あ、だ、大丈夫、です!さあメントル様!準備はできましたよ!!」
空元気にも見えるが、腹は決まったようだ。
「まあ、賑やかなのは悪くないかな?」
「・・・そうね(うう、二人きりが良かったのに!!)」
「何か言ったか?」
「う、ううん!何も言ってないよ?」
怪しい。が追及しても回答は得られないだろう。
「よし、じゃあエクレイルへ転送するよ!『世界の境界を管理せし我が名はメントス!かの勇者たちを導きたまえ!』」
「おお、それっぽい!」
俺が感動していると、足元に魔方陣のようなものが出てきた。
「まあ、神様っぽいことをしない信じてもらえないしね。すまないけど、シルトの事頼んだよ!」
「はい、頑張ってきます!」
綾香も元気よく返事をする。いよいよ異世界か・・・本当に大丈夫なんだろうか?
後、何か忘れているような・・・。
「はー年を取るとトイレが近くなっていかんわい。ん?あ!も、もう転移を始めておるのか!?ちょ、待って待って!!コントローラーの使い方まだ教えておらんぞい!」
「「「「あ!?」」」」
そうだ、このコントローラーの使い方をまったく聞いていない!?
ドンドン!!
何か見えない壁があって魔方陣から出られないし!!
「ああ!ちょ!『キャンセル!キャンセルぅ!』」
メントス様が雑な詠唱をしているところに、俺達の勇者認定した声が響き渡る。
<転移が始まっておりますので、キャンセルはできかねます。どうしてもキャンセルされる場合は、今から申し上げる口座へ10万円お振込をお願いします>
「何そのワンクリック詐・・・・」
俺は最後までセリフを言い終えることが出来なかった。
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