ろりこんくえすと!

ノω・、) ウゥ・・・

3-5 目指せ! エルフの大陸!


 3-5 目指せ! エルフの大陸!


「と、言うわけで東にあるエルフの大陸に行きたいんだけど、みんなはどう思う?」

 街の衛兵達を軽く弄んだ後日、僕は食卓を囲みながらエマの家でみんなと話していた。

 食卓を囲むのは僕、エマ、アシュレイ、エキューデ、リフィア、ドレム、ミナト、ノアの九人。

 気付いたら王都に行ってから五人も増えている。足元で餌を食べている水上水鶏と猫を含めれば十一人の大御所だ。

「エルフだと!? エルフって今言ったよな!?」
「あ、ああ。そうだけど?」

 僕の話にサンマと呼ばれる魚をつついていたミナトが食いついてきた。

「なあなあ、エルフってあれだろ! 自然をこよなく愛していて、めっちゃ美形の子が多くて、寿命が長いあの種族だろ!」
「やけに詳しいわね」

 横からエマが感心したような、呆れたような、やや冷めた目で言った。

「ねえねえ、どうしたのよミナト? エルフが好きだったの?」
「あったりまえよ! 異世界と言ったらエルフ! エルフと言えば異世界! 定番っしょ!」

 ミナトのテンションがやけに高い。エルフに何か心ときめくものがあったのだろうか。 僕にはよく分からない。

 その隣でふん、と大きく鼻を鳴らす音が聞こえた。

 少し赤く顔を染めながら偉そうに足を組んでいるエマ。エマは僕にそっぽを向きながら、大きな声で言ってきた。

「全くしょうがないわね。変態がどーしても、どーしても! 私に付いてきて欲しいってなら一緒に言ってあげてもいいわよ」

 エマのその言葉と態度に僕は驚き、思わず目を見開く。

「なあ、これって.......」
「デレ、ですかねぇ.......」

 ミナトと僕はほぼ同時に確信し頷いた。

 デレた、デレたぞあのちびっ子が。いつもツンツンしてるだけのあのちびっ子が、遂に僕にデレを見せたんだ。

 確かにエマのデレには予兆があった。僕が抱き締めても渋々ながらそのままでいてくれたり、態度はいつも通りツンツンしてたけど、何かと気にかけてくれていたり。それでもまさか、このタイミングでデレるなんて。

 僕とミナトはニヤニヤと薄気味悪い笑顔でエマを愛おしそうに見つめていた。

「勘違いしないでよね! ただ研究がしたいだけよ!」
「お約束の台詞、ご馳走様です! よし、これでツインテだったら完璧だな。ちょっと俺に髪を弄らせてくれる?」
「なに意味分かんないこと言って私の髪の毛を触ろうとしてんのよ童貞!」

 ミナトが手をワキワキさせながらエマに近付くが、獰猛な猛禽類の如く目付きとなったエマがシャーッと鋭い目付きで威嚇をした。

「ま、エマが行くと言うのなら私も付いて行くぞ」

 ギャーギャーと低次元の争いをしているミナトとエマの傍らで、アシュレイが含みを込めた表情で言った。

「そりゃそうか。エマはアシュレイの妹なんだし、魔物に賊。旅には危険が付き物だ。心配だよな」

 僕の言葉を聞いたアシュレイは、急に気まずい顔になると、ぼそぼそと言いにくそうに答えた。

「その、な。魔物や賊よりもウェルトにエマを任せるのはなんというか.......心配だからな」
「どうゆう意味だよ!」

 僕は反射的に怒鳴ってしまった。すると場が一気に静かになり、リフィア以外の全員が蔑んだ目で僕のことを睨んできた。

「.......そうだね。うん、僕が悪かった。だからもう白い目を向けるのはやめよう、ね?」

 心の中で号泣しながら落ち込む僕。確かに前科ありだが、僕は節操のない男じゃないんだぞ。

「はい! お兄ちゃんが行くならリフィアも行くの!」

 次に元気よく声をあげたのはリフィア。どうやらエルクセム王都に続き、リフィアも付いて行きたいらしい。

「あんたはギルドの仕事があるでしょ? 今はまだ復興中で仕事は無いと言えどもただでさえサボり気味なんだから。それに、どんな理由で変態に付いて行くつもりなのよ?」
「バックれるの!」
「あんたねぇ.......」

 理由すらなかった。確かにリフィアと僕は、なんというか、恋人みたいな気分になっていたのもあるけども。

「その、リフィアは出来ればネメッサの街にいて欲しい。また危険な目にあってしまうかもしれないから、さ.......」

 だけど僕自身はリフィアがエルフの大陸まで付いて行くのにはあまり気が乗らない。

 特異点とか訳の分からない理由でユリウスに狙われたリフィア。万が一ということもある。また、危険に身を晒してしまう可能性も高い。

 それに、多少は強くなった僕だがリフィアの身を完全に守りきれる保証なんてどこにもない。

 本心はリフィアに付いてきて欲しい。一緒にいたい。でも、リフィアを失うのが一番嫌だった。

「むむーっ! じゃあお兄ちゃん達が帰ってくるまで、リフィアはお兄ちゃんと一緒に大人の階段を登ったラブラブなお話を街中のみんなにしてあげ」
「よーし、分かった! 僕がちゃんと守るから付いてきてもいいぞ!」
「やったー!」
「い、一瞬で折れた.......」
「脆すぎる.......」

 なんだよドレム。そんな目で僕を見るな。

 ちくしょう、リフィアにこんな事言われたらどうしようもないだろ。折れるしかないだろ。

「はいはーい! 俺も勿論行きまーす!」

 続いて声をあげたのはミナト。元気に挙手をした後、満面の笑顔で両拳を握りしめている。

「だってエルフだぞ? エルフだよ? 可愛い子ちゃんいっぱい居るに決まってんじゃん! 仲良くなって、イチャイチャしたいじゃん!」
「下心と煩悩が丸出しね。だからあんたはいつまで経っても童貞なのよ」
「うるせぇ! 余計なお世話だっつーの!」

 エマとミナトがまたもや低次元の争いを始めた。

 それでも、僕は五月蝿く騒いでいるミナトとエマを見てなんだか微笑ましい気持ちになった。

 自覚が無いかもしれないけど、ミナトは小さい子どもと仲良くなるのが早い気がする。青髪の女の子、ノアとも結構打ち解けていた筈だ。

 歳とか性別も関係ない。他人と同じ目線になって接してあげられるのがミナトの良さなのだろう。

 僕は最後に、まだ意思決定がしてない人間に尋ねた。

「エキューデはどうするんだ?」

 そう、エキューデだ。呑気にご飯を食べていたエキューデだが、ドレム以外の全員がエルフの大陸に行くと決めたので、エキューデもどうやら腹が決まったらしい。

「わ、我も行く!」

 こうして、僕達全員はエルフの大陸を目指すことに決定した。



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