ろりこんくえすと!
1-35 覚醒
    
    1-35    覚醒
    彼は、貪食の食人鬼は美味しそうな肉を見つけた。
食べやすくて手頃なサイズで、新鮮で若々しい肉だ。
さっき遊んでいた肉が連れてきてくれたんだ。  
今日はなんていい日なんだろうか。
思わず口がにやけてしまう。にやけた口から唾液が流れてしまう。
大好きな人の肉で腹が満たされ、元気な肉と遊んだ事で心も満たされた。  
この肉を食べたら終わりしよう。
また、次の街に行って大好きな人の肉をたらふく食べよう。  
   だけど、まずは目の前の肉だ。
目の前の肉を見ると、あまりにも美味しそうな見た目のせいだからか、さっき肉を食べたばっかりなのに腹がぐーっと鳴った。
ああ、そういえばさっき食べた肉はあまり美味しくなかったな。
筋張っていて硬いし、しぶみがあった。
噛みごたえはよかったけれど、柔らかい肉の方が好きなんだよな。
そう、目の前にいるこんな肉が。
今から自分が食べる肉は、大粒の涙を零しながら自分を見つめている。
ああ――美味しそうだ。
白くて柔らかそうな綺麗な肌からいい匂いがする。
泣いている顔が食欲を誘う。
この肉は一体どんな味がするのだろうか。 
甘いのかな? 苦いのかな? 塩っぱいのかな? 酸っぱいのかな? それとも、自分がまだ知らない未知の味なのかな?
思わず涎が口から垂れた。
食べよう。
早く食べよう。
もう我慢ができない。
彼は肉に向かって手を伸ばした。
肉は嗚咽と涙を流しながら目を閉じて、食べられる事を受け入れた。
そして、彼の細長い黒い腕伸ばしてから数秒が経った。
彼は、肉を口に入れることはできなかった。
「ゲェ.......?」
周りの手下達が呆然としている。
肉に向かって伸ばした腕が無くなくなっていた。
自慢の黒くて頑丈な腕が根元から消えていた。
彼は根元とから消えた腕を見つめながら考えた。
.......なんだこれ?いつの間に無くしたんだろう?
不思議そうに首を傾げた刹那。
何かが砕ける音が遅れて聞こえてきた。
頬に凄まじい衝撃が降り注ぎ、後方へと吹き飛ばされる。 
地面をガリガリと勢いよく削りながら、石で作られた建築物に衝突した。
爆音が轟き、建築物は大量の粉塵を巻き上げて破壊される。
粉塵と石片がパラパラと舞い、壁に叩きつけられた。
――なんだ? 何が起きたんだ?
思わず残った片方の腕で頭をさすってみた。
頭はへこんでいた。
ぐにゃり、と丸みを帯びている頭部が頭蓋骨の半分が潰れて歪んでいる。
彼は、思わず前を見た。  
何故か肉が立っていた。
何故か自分が遊んで壊したはずの肉が元気に動いていた。
何故か確かに壊したはずの腕と脚が元通りになっていた。
壊したはずなのに。
.......どうして? 
「いい面構えだ」
僕は、   
                ・・
地面に゛両足゛で立っていた。
「―――お兄、ちゃん?」
リフィアが顔を上げて僕を呼んだ。
「お兄ちゃ、」
「言ったよな」
僕は笑って答える。
「僕に任せろって、もう大丈夫だって、僕は言ったんだ」
僕はひび割れて、今にも砕けそうなダガーを拾って構えた。
「今からあいつをぶっ飛ばしてくる」
一陣の熱い風が僕を撫でる。
僕は風に吹かれながら、言葉を紡げる。
「だから、」
だから、
「必ず帰ってくるから、少しだけ待っててくれ」
僕は貪食の食人鬼に向かってゆっくりと歩き出した。
    1-35    覚醒
    彼は、貪食の食人鬼は美味しそうな肉を見つけた。
食べやすくて手頃なサイズで、新鮮で若々しい肉だ。
さっき遊んでいた肉が連れてきてくれたんだ。  
今日はなんていい日なんだろうか。
思わず口がにやけてしまう。にやけた口から唾液が流れてしまう。
大好きな人の肉で腹が満たされ、元気な肉と遊んだ事で心も満たされた。  
この肉を食べたら終わりしよう。
また、次の街に行って大好きな人の肉をたらふく食べよう。  
   だけど、まずは目の前の肉だ。
目の前の肉を見ると、あまりにも美味しそうな見た目のせいだからか、さっき肉を食べたばっかりなのに腹がぐーっと鳴った。
ああ、そういえばさっき食べた肉はあまり美味しくなかったな。
筋張っていて硬いし、しぶみがあった。
噛みごたえはよかったけれど、柔らかい肉の方が好きなんだよな。
そう、目の前にいるこんな肉が。
今から自分が食べる肉は、大粒の涙を零しながら自分を見つめている。
ああ――美味しそうだ。
白くて柔らかそうな綺麗な肌からいい匂いがする。
泣いている顔が食欲を誘う。
この肉は一体どんな味がするのだろうか。 
甘いのかな? 苦いのかな? 塩っぱいのかな? 酸っぱいのかな? それとも、自分がまだ知らない未知の味なのかな?
思わず涎が口から垂れた。
食べよう。
早く食べよう。
もう我慢ができない。
彼は肉に向かって手を伸ばした。
肉は嗚咽と涙を流しながら目を閉じて、食べられる事を受け入れた。
そして、彼の細長い黒い腕伸ばしてから数秒が経った。
彼は、肉を口に入れることはできなかった。
「ゲェ.......?」
周りの手下達が呆然としている。
肉に向かって伸ばした腕が無くなくなっていた。
自慢の黒くて頑丈な腕が根元から消えていた。
彼は根元とから消えた腕を見つめながら考えた。
.......なんだこれ?いつの間に無くしたんだろう?
不思議そうに首を傾げた刹那。
何かが砕ける音が遅れて聞こえてきた。
頬に凄まじい衝撃が降り注ぎ、後方へと吹き飛ばされる。 
地面をガリガリと勢いよく削りながら、石で作られた建築物に衝突した。
爆音が轟き、建築物は大量の粉塵を巻き上げて破壊される。
粉塵と石片がパラパラと舞い、壁に叩きつけられた。
――なんだ? 何が起きたんだ?
思わず残った片方の腕で頭をさすってみた。
頭はへこんでいた。
ぐにゃり、と丸みを帯びている頭部が頭蓋骨の半分が潰れて歪んでいる。
彼は、思わず前を見た。  
何故か肉が立っていた。
何故か自分が遊んで壊したはずの肉が元気に動いていた。
何故か確かに壊したはずの腕と脚が元通りになっていた。
壊したはずなのに。
.......どうして? 
「いい面構えだ」
僕は、   
                ・・
地面に゛両足゛で立っていた。
「―――お兄、ちゃん?」
リフィアが顔を上げて僕を呼んだ。
「お兄ちゃ、」
「言ったよな」
僕は笑って答える。
「僕に任せろって、もう大丈夫だって、僕は言ったんだ」
僕はひび割れて、今にも砕けそうなダガーを拾って構えた。
「今からあいつをぶっ飛ばしてくる」
一陣の熱い風が僕を撫でる。
僕は風に吹かれながら、言葉を紡げる。
「だから、」
だから、
「必ず帰ってくるから、少しだけ待っててくれ」
僕は貪食の食人鬼に向かってゆっくりと歩き出した。
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コメント
ノω・、) ウゥ・・・
ご指摘ありがとうございます
送り仮名に関しては、作者もちらほらと確認しながら修正を行います
そして、1章終了後に1章全体の改稿を行う予定です
その時に誤字脱字や改行、不適切な表現などと送り仮名も一緒に合わせて随時修正致しますので気長にお待ちください
ノベルバユーザー232154
送り仮名、所々間違いしてます