ろりこんくえすと!

ノω・、) ウゥ・・・

閑話 傍観者


   
      閑話    傍観者


 「おー、やってるやってる」
 
 真っ白く、ただ広い空間に一人の白髪の少女がいた。 
 
 少女はパタパタと足をばたつかせながら、虚空に映し出されている三×三。つまり九等分に分割された画面をじっと見つめていた。
 
 画面に映し出されていたのは黒髪黒目の少年と、脅威度BからAクラスの魔物達。
 
 少年はダガーを振るい、様々な魔物達と激しい戦闘を繰り広げている。
 
「さて、今回はボクの適合者になれる君はいるのかな?」
 
 少女は少年の姿を見つめてにやけていた。
 
 そして、頬を赤く染めながら笑う。
 
 すぐ側に置いてある、トウモロコシで作られたスナック菓子をパクパクと食べながら、少年を心の中で応援する。
 
「今回も中々の強者達だね。君は勝ってくれるかな?」
 
 少女は九つの画面をそれぞれ見つめていく。
 
 そこに映し出されている魔物は、

 ヒュージスライムキングの更なる進化個体であり、緑色の超巨大物体。 
 脅威度B。ヒュージスライムエンペラー。
 
 全身から猛火を燃やし、触れるもの全て焼き尽くすオオトカゲ。 
 脅威度B。フレイムサラマンダー。
 
 ワイルドボアの進化個体であり、民家一軒並の巨躯を持つオオイノシシ。
 脅威度B。ヘルメスボア。
 
 稲妻を自由自在に操り、鋭い牙と俊足の足でもって狩りをする雷雲平原のハンター。
 脅威度B。サンダーパンサー。
 
 ふたつの頭にひとつの体を持ち、牙には致死性の猛毒を有する密林の巨大蛇。
 脅威度B。双頭の毒蛇。
 
 ダイヤモンドをも上回る硬度も有す、ダーククリスタルという淡紫色の結晶石を外殻に身に纏う魔物。
 脅威度B。メルトプリズン。
 
 見るもの全てを狂わせ、死へと誘う深淵の闇を体現するかのような眼球の悪魔。
 脅威度A。イビルアイ。
 
 斬撃や魔法を受けてもビクともしない堅牢な甲殻に覆われたカブトムシ。
 脅威度A。アークヘラクロス。
 
 そして、人類の天敵者であり人の肉を食べることを生きがいにしている化け物。
 脅威度A。貪食の食人鬼。
 
 どれもこれも、今の少年の実力では勝てそうもない魔物達ばかりであった。
 
「はぁ。今回も無理そうだなぁ。今の君じゃ勝ち目があまりな.......あ、言った側から次々と死んでいく」 
 
 少女の言葉が発せられたと同時に、粘液の中で窒息死し、業火で消し炭になり、タケノコで貫かれ、電撃で焼かれ、食いちぎられ、
結晶石に潰され、発狂して狂い死に、巨大な角で穿かれて、
 
 次々と死んでいった。
 
「あーあ。最後がよりにもよって貪食の食人鬼か。いやー酷いね。あいつ唯一神はボクの邪魔が本当に好きだよね」
 
 少女は残った最後の画面を見つめる。
 
 
 この世界の・・・・・少年はかなりの実力を付けていたようで、複数の冒険者達と協力しながら脅威度Cの食人鬼に対して、健闘を繰り広げている。
  
「相手が悪すぎるね。こいつ、七大罪スキルの『暴食』に加えて最上位スキルの『鬼化』称号の『人類の天敵者』まで持ってんじゃん。脅威度Aから脅威度Sの領域に片足突っ込んでるよ」
 
 少女はリスのように両頬を膨らませる。 

    その言葉通りに、冒険者達が次々と食い殺されていく。

    血が舞い、臓器が剥き出し、死骸が作られていく。
 
 だが、少女の表情は打って変わって喜びに満ちていた。
 
「けどね、その世界の君にはボクが少し手回しをしておいたよ。だから.......」
 
 少女は笑って、
 
「もしかしたら、ボクの器になる得る『覚醒者』になってくれるかもね」
 
 嬉しそうに呟いた。



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