異世界に転生した僕は今宵も腕を磨く

美鈴

誰だお前ら

「……っし、到着っっと」

やっぱ便利だよなぁ…ワープ、それにしても異空庫Lv10が満帆になるってどんだけだよ…あ、でも装備とかもあったからな。ま、とりあえず久々にギルドに行ってみるか



リナリス ソルティア視点


「よし、今日も安全に帰ってこれたね!」
「そうだね。明日も頑張ろうか」
「うん」

会話が途切れてしまった…なんとか話を繋げるためにソルティアは、周りを見渡す。
するとある人物が目に入って、なぜか目が離れなかった

「ジレ…ン?」
「…え?……」
「っっ!あれ!あの人!めちゃくちゃがっしりしてるけど!面影が見えるよ!」
「た、確かに…じ、じゃあはなしかけてみようよ!」

ドタバタと2人は彼を向けて走った
そして彼の真正面に立つと

「あ、あの…あなた…!!」
「あの、!!!」

そして顔を見て確信したそれは彼本人だと、私たちが捜し求めていたものだと

だが、その感動は彼のある一言でかんぜんにきえさる

「あ?なんだよ、つかお前ら誰だ?俺は今からギルドに行くんだ用があるなら早くしてくれ」

「「え?」」

2人は口を開けていた、目の焦点もあっていない

「用がないならそこをどけ、邪魔だ」

「ど、どうして?!」
「もしかして…覚えていないの?」
「はぁ?いやいや、今あったばかりだろうが…何馬鹿な事言ってんだ」

時連はなんだこいつらうぜぇ、男ならぶっ飛ばしてるんだがな…と思っていた

「え?!!なんで?!なんで覚えてないの?!」
「もしかして…記憶を消された?」
「んなわけねぇだろ、お前らなんか知らねぇよ」

そして、再び口を開けてボーっとしている

「っ!ソルティアだよ私!そしてこっちが」
「僕がリナリス!」

何故だろう…なんか懐かしい気がする……
だけど、思い出せない

「…知らん」

そう言って2人の少女の真ん中を通りスタスタとギルドのある方角へ歩いていった。

「…どうするの?」
「決まってるでしょ?後をついて行ってギルドカードを見てみるの」
「わかった。行ってみよう」




ギルドにて

「これを頼む」
「分かりました…っ!! あなた、時連さんですか!?」

またこれか…俺なんかしてたのか?
ここにいたこととギルドに所属してたことぐらいしかここのことは覚えてねぇな…

「…ああそうだが。」
「!!  あれからどうしていたんですか?!約3年も…心配したんですよ!?」
「お、おおそうか…すまんがここのことはほとんど覚えてねえんだ……もちろんあんたのことも」
「!?……それは記憶喪失と言うやつですか?」
「いいや、違うと思う。俺がここの情報などをシャットアウトして戦闘ばっかりしてたから忘れたんだろ…」
「どこに行ってらっしゃたんですか?」
「ダンジョンだ。たしか…なんだっけ【エレガントリア】だったっけな…そk「エレガントリア!?!?」」
「あ、ああ…そうだが?」
「あ、あ、あそこってSランク冒険者が何人も…って何人で?もしかして……」
「ご名答、そのもしかしてだ。だが、案外弱いぞ?」
「嘘でしょ?あそこの魔物はLv100は軽々と超えるときいたことがありますが…」

まぁ、たしかにこいつらからしたら強いのかもな…でも、俺1人だったからな……

その受付嬢はコホンと咳ばらいをして一言

「それで、今回はどうしましたか?」
「そうだったな、この魔石たちを頼む」

そこでその受付嬢は頭にハテナを浮かべた
そして苦笑いをしてこちらに尋ねてくる

「あの…いったいどちらに?」

その言葉に俺は笑いながら言った

「異空庫にある」

何秒かポカーンと口を開けて、「おい、大丈夫か?」と、そう言うと受付嬢はハッと目を見開いて

「い、異空庫!?い、いつの間にそんなに…すみませんがステータスを拝見しても?」
「ああいいぞ」

俺はニヤッとしてあの石に手をかざした
それを受付嬢は見て一瞬ビクッと痙攣し、こちらを向きゆっくりと口を開いた

「……ギ…より…強……です…」
「え?なんていったんだ?」
「ギルド長の何倍も強いです!」

いきなりの大声にちょいと怯んじまった
なんだよいきなり、うるせぇなぁ
ちなみに今のステータスはもうぶっ壊れだな、正直に言うと…だけど俺無限に成長できるからな……




大野 時連

Lv298

種族 ヒューマン

称号
転生者
モンスターイーター
ゴブリンスレイヤー
ダンジョン踏破者
ボス殺し
竜殺し
アンデットに恐れられている者
無限の可能性を持つ者

体力 350690/350690
魔力 138690/143680
攻撃 246350
防御 236580

これまで戦ってきたことでわかったことがあった。この体力は関係なく、死ぬということ、魔物の死骸を見てみると、ステータスには体力が残っているのに死んでいて、その魔物は手足がなく、そこで倒れていた。
それで時連はそれがわかることが出来た

スキル
無限の可能性
剣の扱いLv12
双剣の扱いLv23
弓の扱いLv9
雷走
暴食
ワープ
異空庫
錬成
調節
限界突破
辛勝
error

辛勝とは…魔物とギリギリの戦いをすることで多くの経験値を得る


魔法

火属性Lv21
水属性Lv19
風属性Lv20
光属性Lv23
闇属性Lv25
生活魔法Lv13

このステータスは我ながらビックリだ、前はerrorがふたつあったのだが、ひとつはイナズマウルフとの競り合った殺し合いで発動し、ダンジョンのあの二人こと【ダブルイノムート】を倒した時に力を解放した。
だがもうひとつは未だに解放されていない。
発動した理由もわかっていない。
全く不思議なものだ




「ねぇ、聞いてた?リナリス……ジレンギルド長よりも強いんだって…私たちもだけど」
「聞いたよ…ビックリだねギルド長よりつよかったのは…僕らもだけど」

そこで2人はジレンに見つかる

「あ?お前ら着いてきてたのか?ったく、誰なんだよお前ら…」
「え?この人たちはソルティアさんとリナリスさんじゃないですか、時連さんが最初にパーティを組んだ人たちですよ。」

それを言われた瞬間俺の頭にあの光景が何度も何度も浮かんできた

「ソルティア・シャルテリア?それとお前は…リナリス・オーシャントだったか?」

「「そう、そうだよ!!」」

2人はハモリながら叫んだ、そして俺に抱きついていた。
泣きながらだ…だがその少女達を俺は抱き返すことが出来なかった。
全て思い出し、罪悪感が込み上げてきたから

「う、うぅぅ…やっと思い出したんだねぇ…心配したのよぉ? …」
「僕ら…何度も何度も探したんだからぁ…」

グスンと鼻を鳴らしている2人だったが俺は2人を引き離し、謝罪したこれまでの事を

「本当に申し訳ない、急に居なくなったりして…」

腰を90度の角度に曲げて謝罪したこれまでもこれからもないぐらい謝罪した。
そして謝罪の後。2人は声を合わせて俺に向かって笑顔で言った。俺はそれに見惚れてしまった

「「…また、私たちとパーティを組んでください!!」」

そして俺はクスッと笑い、笑顔で返した

「すまんが、それはちょっと待ってくれ」








鈴です。この度はこの作品をご鑑賞いただきありがとうございます。

この話では、時連が2人のことを思い出すパートです。なんかいい雰囲気ですが、時連は恋をすることはありません。
好意を寄せられることは多々ありますが…
今のところはそういう設定です。
次回は、出来なかった魔石の鑑定と気になるお値段です。

その作品がいいな、と思いましたら

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