異世界に転生した僕は今宵も腕を磨く

美鈴

自分の弱さ

ゴブリン2体を相手に敗れた時連は気絶し
ギルドに連れていかれリナリスに膝枕をされている。

「……ん?……おっ俺は!ゴブリンに…」
「大丈夫、助かった。」
「大丈夫?!ジレン!!」
「たすかった…ってことは負けたのか。」

俺はやはり弱かった。
ステータスが強いだけの雑魚だったんだ。

「くっ…くそ……俺は…俺はやっぱりよわいんだなぁ……」

ポロポロと涙を流しながら時連は独り言をこぼす。
そして泣き止んでから2人に語りかけた。


「リナリス…ソルティアすまない……お、俺はこのパーティを抜ける…」

【パーティを抜ける】
時連はそう決めたのだ。
こんな俺よりもっと強いやつと仲間を組めば
2人がもっと輝けると知っていたから。

「な…なんで?」
「どうして?!!」
「やっぱり俺は…ズ、ステータスが強かっただけなんだよ…」
「じゃあこれから強くなればいいじゃない!!」
「ああ、1人でな。」
「どうして?!意味わかんない!」
「そうだよ…何で?」
「そりゃぁ決まってんだろ…俺が弱いからだ…」
「じゃあ私たちとt…「それじゃあダメなんだ」」
「「…え?」」

そう、1人じゃないとダメなのだ。2人、3人とかだと…「俺ぐらいいいや」と、甘えが出るからだ。

「なんでダメなの?!」
「なんだって!!」

ビクッ

リナリス、ソルティア両方の体が揺れた

「…すまない。……なんだって、いいだろ…」
「でも……」
「いいんだ…今まで世話になった。ちと短すぎるかもしれないがな。ありがとう。」
「そんな…」
「…」
「いつかまた会った時に俺が強くなったら…またパーティに誘ってくれ。」

2人は何も出来なかった。
ただ涙を流すだけで。
こんな短い間のパーティでも、別れは辛いもんだ。3人はそれを初めて知った。
そしてこれからも訪れるだろう別れに
少し恐怖を抱いた。

視線がこっちに全て集まっている。
恥ずかしい悔しい、そんな気持ちを押し返すように小さな声でそう呟いた

「じゃあな…」

時連がそう言った瞬間時連は時が止まったのかと思うぐらい空気が悪くなった。

スタ、スタ、スタ

本当は待ってと言いたい2人だが。
これ以上拒絶されるのが怖かった。
何も言えない自分達が悔しくてたまらなかった。だが、時は待ってくれない。

ギィィィ…バタン

時連が去るのを悲しむかのように
扉が皆の脳に響くような音を立てて閉まった






鈴です。この度はこの作品をご鑑賞いただきありがとうございます。

さてさて、時連はこのパーティを抜け出します。そしてここから、時連は死ぬほど努力する。そんなお話をかけたらと思います。

「この作品いいな」「頑張って」
と思いましたら。

ブックマーク、高評価、感想よろしくお願いします。


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