甘え上手な彼女2
第19話
*
「よーし帰るぞ~」
「「「あ~い……」」」
高志達が海に来た日の翌日。
みんな揃って朝は寝坊してしまった。
その原因は、徹夜でトランプをしたことにあった。
途中から追加された罰ゲームルールにより、ゲームは盛り上がり、夜中の三時までゲームは続いた。
現在は昼近くになっており、一同は眠たい目を擦りながらホテルを後にする。
「誰だよ……負けた人が罰ゲームなんて言ったのは……」
「そのせいで寝不足だな……」
「由美華じゃなかったかしら? 罰ゲームって言い出したの……」
「ムキになったのは紗弥も同じよ……八重君に何をさせるつもりだったのよ……」
一同は駅に向かって歩く。
時折誰かが欠伸をする度に欠伸が別な誰かに伝染していた。
「とりあえず、向こうについたら飯食いにいくか」
「そうだな……俺と優一だけならラーメン屋でも良いが紗弥達もいるしな……ファミレスか」
「とりあえず、早く電車に乗りましょ」
電車に乗った一同は疲れで直ぐに眠ってしまった。
平日の昼間とあって、電車の中は空いており全員が並んで座ることが出来た。
「ん……」
電車の揺れで高志だけが、目を覚ました。
高志の隣には紗弥が高志の肩にもたれ掛かって眠っていた。
紗弥の可愛らしい寝顔を見て高志は笑みを浮かべ、目を瞑ってもう少し眠ることにする。
「……良い旅行だったな……」
また来年も来たい。
そう考えながら、高志は眠りにつく。
数時間後、高志達の地元の駅に到着した。
電車で眠った事により、みんなスッキリした顔で電車を降りた。
「う~ん! よく寝ましたね!」
「まさか全員爆睡とはな……」
「ま、目も冷めたしお腹も減ったし、何か食べて帰りましょ」
高志達はファミレスに行き食事を済ませて、それぞれ帰宅した。
高志と紗弥はいつもの通りいっしょに家に帰っていた。
「楽しかったな紗弥」
「うん、いままでこういう経験無かったから、とっても楽しかったよ」
「そうだね」
夕焼けの空の下を紗弥と高志は手を繋いで歩く。
ようやく家の近くまで来た時だった、高志と紗弥の前方から誰かが猛スピードで走ってきた。
「な、なんだ?」
「ま、まさか……」
「え? 紗弥知ってるの……ってアレって……」
「紗弥タァァァァン!!」
前方から猛スピードで走ってきたのは紗弥の父親だった。
恐らく仕事から帰ったばかりなのだろう、スーツ姿に革靴だった。
よく革靴であれだけ早く走れるなと感心しながら、高志は嫌な予感を感じていた。
「この害虫野郎ぉぉぉ!! 紗弥タンから離れろぉぉ!!」
「はいはい、貴方は少し落ち着きましょうね~」
「ぎゃひん!!」
「あ、紗弥のお母さん」
「おかえりなさい、紗弥と高志君。この人の事は任せて、ゆっくり帰ってきなさいね~」
猛スピードで迫ってきた紗弥の父親を紗弥の母親が、フライパンで殴って止める。
なんか前にもこんな事があったようなと考えながら、高志は紗弥の母親が父親を引きずって帰る様子を見守る。
「俺って……紗弥のお父さんから嫌われてるよな……」
「うちのお父さんは、私に寄りつく男全員が嫌いよ」
「まぁ……見てる感じそうだもんな……」
「気にしなくていいわよ。うちのお父さんは過保護なのよ……」
「でも……紗弥のお父さんには好かれたいかな……」
「え……なんで?」
「だって……その……いざ結婚ってなったときに、仲が良くなかったら大変だろ?」
「え……」
高志の言葉に紗弥は頬を赤らめる。
「た、高志は……私とその……け、結婚したいの?」
「え、あ! いや……あの……も、もしもの時って言うか……」
「ふぅーん、もしもの時なんだぁ~」
「しょ、将来的にはそうしたいけど……」
「けど?」
「さ、紗弥さえ良ければって言うか……」
「わ、私は……高志が良いもん……」
紗弥の言葉に高志は顔を真っ赤にする。
紗弥も頬を真っ赤に染め、高志の手を強く握る。
「じゃ、じゃあ……あのお父さんと仲良くならなきゃだな……」
「それが多分最大の難関よ……」
「そうなの?」
「うちのお父さんを舐めない方が良いわよ……」
「何を?」
話しをした後、高志と紗弥は別れそれぞれの家に帰って行った。
「ただいま~」
「おかえりなさい。どうだった? 楽しかった?」
「あぁ、楽しかったよ」
「ニャー」
「おう、チャコただいま。良い子にしてたか?」
「ニャン」
玄関で高志を迎えてくれたのは、高志の母親とチャコだった。
チャコは高志の足に体を擦りつけ、仕切りに鳴き声を上げていた。
なんだかんだで、チャコは高志に一番懐いている様子だった。
「チャコちゃんは良い子だったわよ。この通り、高志に悪影響を及ぼす本を大量に見つけ出してくれたわ」
「俺のトップシークレット!!」
高志の母親が見せてきたのは、高志が隠し持っていた十八禁の本。
しかも気に入っていた物すべてが、高志の母親の手元にあった。
「ま、まさか! チャコお前!」
「にゃ~」
「チャコちゃんの後についていくと必ず見つかるのよね~、良い子なチャコちゃんにはおやつあげましょうね~」
「にゃー!!」
チャコは直ぐさま高志の元を離れ、おやつの方に飛んで行く。
「チャコ……お前……」
結局高志の本は紗弥に晒された挙げ句、ゴミと一緒に捨てられてしまった。
紗弥は二度目とあってか、そこまで怒らなかった。
海の帰りに高志が言った言葉のせいもあってか、すこしからかわれる程度で済んだ。
高志の父親に至っては……。
「全く……誰ににたんだか……コレは父さんが責任を持って捨てて……」
「あなたの机からもこんなの見つかったけど?」
「………母さん、話せばわかるよね?」
「昔から趣味が変わらないわね……」
「やめて! 昔の事は言わないで!!」
高志の巻き添えをくってしまい、隠していた本が見つかってしまった。
「「男ってつらい……」」
親子揃って肩をがっくりと落として落ち込んだ、夏の夜であった。
「よーし帰るぞ~」
「「「あ~い……」」」
高志達が海に来た日の翌日。
みんな揃って朝は寝坊してしまった。
その原因は、徹夜でトランプをしたことにあった。
途中から追加された罰ゲームルールにより、ゲームは盛り上がり、夜中の三時までゲームは続いた。
現在は昼近くになっており、一同は眠たい目を擦りながらホテルを後にする。
「誰だよ……負けた人が罰ゲームなんて言ったのは……」
「そのせいで寝不足だな……」
「由美華じゃなかったかしら? 罰ゲームって言い出したの……」
「ムキになったのは紗弥も同じよ……八重君に何をさせるつもりだったのよ……」
一同は駅に向かって歩く。
時折誰かが欠伸をする度に欠伸が別な誰かに伝染していた。
「とりあえず、向こうについたら飯食いにいくか」
「そうだな……俺と優一だけならラーメン屋でも良いが紗弥達もいるしな……ファミレスか」
「とりあえず、早く電車に乗りましょ」
電車に乗った一同は疲れで直ぐに眠ってしまった。
平日の昼間とあって、電車の中は空いており全員が並んで座ることが出来た。
「ん……」
電車の揺れで高志だけが、目を覚ました。
高志の隣には紗弥が高志の肩にもたれ掛かって眠っていた。
紗弥の可愛らしい寝顔を見て高志は笑みを浮かべ、目を瞑ってもう少し眠ることにする。
「……良い旅行だったな……」
また来年も来たい。
そう考えながら、高志は眠りにつく。
数時間後、高志達の地元の駅に到着した。
電車で眠った事により、みんなスッキリした顔で電車を降りた。
「う~ん! よく寝ましたね!」
「まさか全員爆睡とはな……」
「ま、目も冷めたしお腹も減ったし、何か食べて帰りましょ」
高志達はファミレスに行き食事を済ませて、それぞれ帰宅した。
高志と紗弥はいつもの通りいっしょに家に帰っていた。
「楽しかったな紗弥」
「うん、いままでこういう経験無かったから、とっても楽しかったよ」
「そうだね」
夕焼けの空の下を紗弥と高志は手を繋いで歩く。
ようやく家の近くまで来た時だった、高志と紗弥の前方から誰かが猛スピードで走ってきた。
「な、なんだ?」
「ま、まさか……」
「え? 紗弥知ってるの……ってアレって……」
「紗弥タァァァァン!!」
前方から猛スピードで走ってきたのは紗弥の父親だった。
恐らく仕事から帰ったばかりなのだろう、スーツ姿に革靴だった。
よく革靴であれだけ早く走れるなと感心しながら、高志は嫌な予感を感じていた。
「この害虫野郎ぉぉぉ!! 紗弥タンから離れろぉぉ!!」
「はいはい、貴方は少し落ち着きましょうね~」
「ぎゃひん!!」
「あ、紗弥のお母さん」
「おかえりなさい、紗弥と高志君。この人の事は任せて、ゆっくり帰ってきなさいね~」
猛スピードで迫ってきた紗弥の父親を紗弥の母親が、フライパンで殴って止める。
なんか前にもこんな事があったようなと考えながら、高志は紗弥の母親が父親を引きずって帰る様子を見守る。
「俺って……紗弥のお父さんから嫌われてるよな……」
「うちのお父さんは、私に寄りつく男全員が嫌いよ」
「まぁ……見てる感じそうだもんな……」
「気にしなくていいわよ。うちのお父さんは過保護なのよ……」
「でも……紗弥のお父さんには好かれたいかな……」
「え……なんで?」
「だって……その……いざ結婚ってなったときに、仲が良くなかったら大変だろ?」
「え……」
高志の言葉に紗弥は頬を赤らめる。
「た、高志は……私とその……け、結婚したいの?」
「え、あ! いや……あの……も、もしもの時って言うか……」
「ふぅーん、もしもの時なんだぁ~」
「しょ、将来的にはそうしたいけど……」
「けど?」
「さ、紗弥さえ良ければって言うか……」
「わ、私は……高志が良いもん……」
紗弥の言葉に高志は顔を真っ赤にする。
紗弥も頬を真っ赤に染め、高志の手を強く握る。
「じゃ、じゃあ……あのお父さんと仲良くならなきゃだな……」
「それが多分最大の難関よ……」
「そうなの?」
「うちのお父さんを舐めない方が良いわよ……」
「何を?」
話しをした後、高志と紗弥は別れそれぞれの家に帰って行った。
「ただいま~」
「おかえりなさい。どうだった? 楽しかった?」
「あぁ、楽しかったよ」
「ニャー」
「おう、チャコただいま。良い子にしてたか?」
「ニャン」
玄関で高志を迎えてくれたのは、高志の母親とチャコだった。
チャコは高志の足に体を擦りつけ、仕切りに鳴き声を上げていた。
なんだかんだで、チャコは高志に一番懐いている様子だった。
「チャコちゃんは良い子だったわよ。この通り、高志に悪影響を及ぼす本を大量に見つけ出してくれたわ」
「俺のトップシークレット!!」
高志の母親が見せてきたのは、高志が隠し持っていた十八禁の本。
しかも気に入っていた物すべてが、高志の母親の手元にあった。
「ま、まさか! チャコお前!」
「にゃ~」
「チャコちゃんの後についていくと必ず見つかるのよね~、良い子なチャコちゃんにはおやつあげましょうね~」
「にゃー!!」
チャコは直ぐさま高志の元を離れ、おやつの方に飛んで行く。
「チャコ……お前……」
結局高志の本は紗弥に晒された挙げ句、ゴミと一緒に捨てられてしまった。
紗弥は二度目とあってか、そこまで怒らなかった。
海の帰りに高志が言った言葉のせいもあってか、すこしからかわれる程度で済んだ。
高志の父親に至っては……。
「全く……誰ににたんだか……コレは父さんが責任を持って捨てて……」
「あなたの机からもこんなの見つかったけど?」
「………母さん、話せばわかるよね?」
「昔から趣味が変わらないわね……」
「やめて! 昔の事は言わないで!!」
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