甘え上手な彼女2
第14話
「ぶっちゃけやった?」
「は?」
「だから、付き合ってそろそろ三ヶ月だろ? キスの後はアレだろ?」
「なんだよ」
「馬鹿、言わせんなよ~わかってるくせに~」
ニヤニヤしながら尋ねてくる優一。
そんな優一に高志は不思議そうな顔をする。
「アレってなんだよ?」
「だから、アレだっての! とぼけるなって!」
優一のしつこい問いに、高志はようやくアレの意味を悟り、顔を赤らめる。
「そ、そんなのまだだよ!」
「付き合って三ヶ月だろ? キスまでしたんだし、そろそろだろ?」
「俺たちはまだ高校生だぞ!? そういうのはまだ早い!」
「いやいや、高校で童貞卒業するやつも結構いるらしいぞ?」
「いろいろ、怖いだろ……」
「でも、想像くらいしたことあるだろ?」
「う……そ、それは……」
優一の言うとおり、想像くらいなら高志も何度かした事があった。
高志も普通の男子高校生なので、そういう妄想なんかもする。
しかし、実際は紗弥に何かしようとも、積極的な事はしてこなかった。
「さ、三ヶ月でキスまで行けば十分だろ!」
「いや、最近は若者の性の乱れが問題になってるからな……一ヶ月で体の関係を持つカップルも多いらしいぞ」
「彼女居ないのにそういうこといは詳しいよな……」
「彼女居ないは余計だ!」
話しをしているうちに、夕食の時間になった。
三人はホテル一階のレストランに向かった。
夕食はバイキング形式で、美味しそうな料理が至る所に置かれていた。
「ローストビーフに、豚の生姜焼きだな……」
「牛と豚かよ……肉だけだと飽きるぞ?」
「良いんだよ、男は肉を食って筋肉をつけねーとな!」
「それ以上いるのか? 筋肉……」
肉ばかりを取る優一に、高志は呆れたようすでそう言う。
対する高志は、バランス良く野菜、肉、魚を皿に盛っていた。
席に戻ると、女性陣は高志達よりも明らかに少ない量の料理を食べていた。
「紗弥、それで足りるのか?」
「うん、大丈夫だよ」
「御門も秋村も少ねーな、そんなんだから……いや何でもない」
「おーい、那須ぅ~私たちの胸を見ながら何を言おうとした~?」
「イタタタ!! 何でもない! 何も思ってない! 別に貧乳とか思ってない!!」
「本音が出てるのよ!! 少しはあるわ!!」
「ぎゃん!」
優一は由美華の怒りを買ってしまい、机に頭を打ち付けられていた。
かつては最強の不良なんて言われた男が、今ではこんな姿なのだと知ったら、負けていった奴らは号泣するんだろうなと高志は思いながら、鮭のムニエルを口に運ぶ。
「うぅ……私だってまだまだ成長します!」
「イダ!!」
由美華に続いて、芹那も優一の足を踏みつける。
なんだか由美華に最近似てきたなと思いながら、高志はサラダを口に運ぶ。
「それに、デザートもあるし、私たちはこれくらいで大丈夫」
「デザート? あぁ、あったな。なんか専用コーナーみたいになってたやつ」
「そう! 種類も多いし! 食べ放題だし!」
「紗弥さん! あのコーナー、紅茶も置いてありましたよ!」
「ほんと? じゃあ、早速行きましょう」
女性陣三人は早々と食事を済ませ、デザートのコーナーに向かっていった。
「女って甘い物好きだよな?」
「あぁ、そうだな。俺はコレ食ったら、そば取ってくるわ」
「じゃあ、俺はラーメンで」
皿の料理を食べ終えた二人は、麺料理に移行した。
*
「あぁ……もう食えない……」
「食い過ぎたな……」
食事から戻ってきた高志と優一は、ベッドに横になっていた。
あの後、そばにラーメン、カレーにグラタンとかなりの量を食べた二人の胃袋は限界寸前だった。
「俺らもかなり食ったけど……女子のあのデザート欲はなんなんだ?」
「まだ食ってたぞ……」
高志達が腹をいっぱいにさせている横で、女子三人はもう何個目かもわからないケーキをもりもり食べていた。
あの細い体のどこにそれだけの食べ物が入るのか、二人は不思議に思いながら先に部屋に帰ってきた。
「先に風呂入ってくるか」
「そうだな……だけど、少し休んでからにしようぜ……腹が重くて動けん……」
「はいはい」
高志は隣のベッドに倒れる優一に返事をし、ベッドから起き上がってドアの方に向かう。
「じゃあ、俺はその辺歩いてくるわ、動いた方が消化されそうだし」
「了解……」
高志はそう言って部屋を後にした。
何となくホテルを歩いた後、高志は外に出て風に当たることにした。
海の近くだからか、良い風が吹いていた。
「気持ちいい風邪だな……」
海を眺めながら、高志はそうつぶやき、砂浜を歩く。
どうせ風呂に入るのだから、多少汚れても良いだろうと、高志は海の中に足を入れる。
「うお! 冷って! 夜の方が水温低いんだな……」
一人で驚きながら、高志は足に付く砂を払い、ホテルに戻ろうとする。
すると少し離れたところで大きな爆発音がした。
どうやら少し離れたところで誰かが花火をしているようだった。
「花火か……買ってくればよかったな……」
紗弥と二人で花火をする妄想をしながら、高志はホテルの方に歩き出す。
すると、何やらヒュ~っという音と共にこちらの方に何かが飛んできた。
「ん? なんうぉ!!」
飛んできたのはロケット花火だった。
花火は高志の目の前で落下した。
高志は突然の事に驚き、一歩身を引いた。
「すいませーん! 大丈夫ですか!?」
危ないなと思いながらも、高志は面倒な事になるのも嫌だったので一言だけ大丈夫ですと言って、その場を離れようとする。
しかし、そこにやってきたのは意外な人物だった。
「あぁ、大丈夫……って、君は……」
「あ! もしかして高志君!?」
高志の元にやってきたのは、以前優一が主催で開かれた合コンで、高志に積極的にアピールをしていた少女、村上夢だった。
高志は夢を見た瞬間、絶対に面倒な事になる予感がした。
「は?」
「だから、付き合ってそろそろ三ヶ月だろ? キスの後はアレだろ?」
「なんだよ」
「馬鹿、言わせんなよ~わかってるくせに~」
ニヤニヤしながら尋ねてくる優一。
そんな優一に高志は不思議そうな顔をする。
「アレってなんだよ?」
「だから、アレだっての! とぼけるなって!」
優一のしつこい問いに、高志はようやくアレの意味を悟り、顔を赤らめる。
「そ、そんなのまだだよ!」
「付き合って三ヶ月だろ? キスまでしたんだし、そろそろだろ?」
「俺たちはまだ高校生だぞ!? そういうのはまだ早い!」
「いやいや、高校で童貞卒業するやつも結構いるらしいぞ?」
「いろいろ、怖いだろ……」
「でも、想像くらいしたことあるだろ?」
「う……そ、それは……」
優一の言うとおり、想像くらいなら高志も何度かした事があった。
高志も普通の男子高校生なので、そういう妄想なんかもする。
しかし、実際は紗弥に何かしようとも、積極的な事はしてこなかった。
「さ、三ヶ月でキスまで行けば十分だろ!」
「いや、最近は若者の性の乱れが問題になってるからな……一ヶ月で体の関係を持つカップルも多いらしいぞ」
「彼女居ないのにそういうこといは詳しいよな……」
「彼女居ないは余計だ!」
話しをしているうちに、夕食の時間になった。
三人はホテル一階のレストランに向かった。
夕食はバイキング形式で、美味しそうな料理が至る所に置かれていた。
「ローストビーフに、豚の生姜焼きだな……」
「牛と豚かよ……肉だけだと飽きるぞ?」
「良いんだよ、男は肉を食って筋肉をつけねーとな!」
「それ以上いるのか? 筋肉……」
肉ばかりを取る優一に、高志は呆れたようすでそう言う。
対する高志は、バランス良く野菜、肉、魚を皿に盛っていた。
席に戻ると、女性陣は高志達よりも明らかに少ない量の料理を食べていた。
「紗弥、それで足りるのか?」
「うん、大丈夫だよ」
「御門も秋村も少ねーな、そんなんだから……いや何でもない」
「おーい、那須ぅ~私たちの胸を見ながら何を言おうとした~?」
「イタタタ!! 何でもない! 何も思ってない! 別に貧乳とか思ってない!!」
「本音が出てるのよ!! 少しはあるわ!!」
「ぎゃん!」
優一は由美華の怒りを買ってしまい、机に頭を打ち付けられていた。
かつては最強の不良なんて言われた男が、今ではこんな姿なのだと知ったら、負けていった奴らは号泣するんだろうなと高志は思いながら、鮭のムニエルを口に運ぶ。
「うぅ……私だってまだまだ成長します!」
「イダ!!」
由美華に続いて、芹那も優一の足を踏みつける。
なんだか由美華に最近似てきたなと思いながら、高志はサラダを口に運ぶ。
「それに、デザートもあるし、私たちはこれくらいで大丈夫」
「デザート? あぁ、あったな。なんか専用コーナーみたいになってたやつ」
「そう! 種類も多いし! 食べ放題だし!」
「紗弥さん! あのコーナー、紅茶も置いてありましたよ!」
「ほんと? じゃあ、早速行きましょう」
女性陣三人は早々と食事を済ませ、デザートのコーナーに向かっていった。
「女って甘い物好きだよな?」
「あぁ、そうだな。俺はコレ食ったら、そば取ってくるわ」
「じゃあ、俺はラーメンで」
皿の料理を食べ終えた二人は、麺料理に移行した。
*
「あぁ……もう食えない……」
「食い過ぎたな……」
食事から戻ってきた高志と優一は、ベッドに横になっていた。
あの後、そばにラーメン、カレーにグラタンとかなりの量を食べた二人の胃袋は限界寸前だった。
「俺らもかなり食ったけど……女子のあのデザート欲はなんなんだ?」
「まだ食ってたぞ……」
高志達が腹をいっぱいにさせている横で、女子三人はもう何個目かもわからないケーキをもりもり食べていた。
あの細い体のどこにそれだけの食べ物が入るのか、二人は不思議に思いながら先に部屋に帰ってきた。
「先に風呂入ってくるか」
「そうだな……だけど、少し休んでからにしようぜ……腹が重くて動けん……」
「はいはい」
高志は隣のベッドに倒れる優一に返事をし、ベッドから起き上がってドアの方に向かう。
「じゃあ、俺はその辺歩いてくるわ、動いた方が消化されそうだし」
「了解……」
高志はそう言って部屋を後にした。
何となくホテルを歩いた後、高志は外に出て風に当たることにした。
海の近くだからか、良い風が吹いていた。
「気持ちいい風邪だな……」
海を眺めながら、高志はそうつぶやき、砂浜を歩く。
どうせ風呂に入るのだから、多少汚れても良いだろうと、高志は海の中に足を入れる。
「うお! 冷って! 夜の方が水温低いんだな……」
一人で驚きながら、高志は足に付く砂を払い、ホテルに戻ろうとする。
すると少し離れたところで大きな爆発音がした。
どうやら少し離れたところで誰かが花火をしているようだった。
「花火か……買ってくればよかったな……」
紗弥と二人で花火をする妄想をしながら、高志はホテルの方に歩き出す。
すると、何やらヒュ~っという音と共にこちらの方に何かが飛んできた。
「ん? なんうぉ!!」
飛んできたのはロケット花火だった。
花火は高志の目の前で落下した。
高志は突然の事に驚き、一歩身を引いた。
「すいませーん! 大丈夫ですか!?」
危ないなと思いながらも、高志は面倒な事になるのも嫌だったので一言だけ大丈夫ですと言って、その場を離れようとする。
しかし、そこにやってきたのは意外な人物だった。
「あぁ、大丈夫……って、君は……」
「あ! もしかして高志君!?」
高志の元にやってきたのは、以前優一が主催で開かれた合コンで、高志に積極的にアピールをしていた少女、村上夢だった。
高志は夢を見た瞬間、絶対に面倒な事になる予感がした。
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