甘え上手な彼女2
第9話
*
「優一さん! なんで毎回逃げるんですか!!」
「お前が周囲から誤解をうけそうな事を言うからだ!」
優一は現在ゲームセンターを後にし、芹那から逃げながら街中を走り回っていた。
高志のせいで絶対に会いたくないと思っていた芹那と出会ってしまい、優一は高志に腹を立てていた。
「たく……高志の野郎……」
文句を言いつつも体力の限界が近づき、優一はその場で膝に手をつく。
「はぁ……はぁ……」
暑さで体力を奪われ、いつもより体力が続かない優一。
直ぐに芹那に捕まってしまった。
「もぉ、夏休みに入ってようやく会えたのに~」
「俺は会いたく無かったよ……」
公園のベンチに座り込み、優一は芹那を見る。
普通にしていれば間違いなく可愛い子だ。
しかし、とある一つの問題が彼女の評価を大きく下げて居る。
「さぁ! 早く私を虐めて下さい!」
「黙ってろこの変態!」
「はぅ!! さ、最初は言葉責めからですね……はぁ……はぁ……」
「めんどくせぇ………なんだこいつ……」
隣に座って息を荒くする芹那に、優一は肩を落とす。
これさえ無ければ、今すぐにでも芹那と付き合うのになと考える優一。
再び溜息を吐き、優一はベンチから立ち上がる。
「どこにいくんですか?」
「決まってんだろ? 高志をぶん殴りに行く!
「あ、じゃあ私も……」
「お前は来るな! 帰れ帰れ」
「え~なんでですか~、それとも放置プレイですか?」
「あぁ……もうそれで良いから、ついて来んな……」
あきれ果てる優一を他所に、芹那はニコニコしながら優一の後をついて行く。
「本当について来るのかよ……」
「はい! 折角休みの日に会えたんですし!」
「はぁ……全く…」
溜息ばかりを出しながら、優一は高志の家に向かって歩いて行く。
「本当に八重先輩のとこに行くんですか?」
「当たり前だろ、俺はあいつをぶっ飛ばしに行くんだよ」
「それよりも私と鞭とロウソク買いに行きましょうよ~」
「なんでそんなもんをお前と買いに行く必要があるんだよ!」
「そりゃあ、プレイに必要ですし」
「しないからな! お前とそんな特殊プレイはしないからな!!」
後ろを歩いてついてくる芹那にそう言いながら、優一は足を進める。
商店街を歩いていると、優一は良く声を掛けられた。
「お、那須! この前はありがとな!」
「へいへい、今度から気を付けろよ」
「那須君、この前は妻の浮気の件ありがとう」
「慰謝料もがっぽりだったろ?」
「優一! この前の合コンサンキュー! 彼女出来そうだわ!」
「出来てから言えよ、そういうのは」
噂の発信源であり、多くの情報を持つ優一を頼る人間は多い。
町の中でも顔の広い優一は人脈も広く、声を掛けられる事も多い。
「優一さんって、知り合い多いんですね」
「まぁな……昔よりは増えたな」
「凄いですね、私の学年でも優一さんの事は色々言われてますよ」
「まぁ、そうだろうな。何人か一年の相談も受けたし……」
「なんでそんなに情報通なんですか?」
「色々あるんだよ、俺独自のルートが……俺の手に掛かれば、お前の学校での人気の度合いだってわかるぜ」
「凄いですね……でも、私はそういうの気にしないので」
「なんでだよ? そういうのは誰でも気になるだろ?」
「いや、私は優一さんへの好感度だけあればそれで良いので」
優一は芹那に言われ一瞬ドキッとする。
なんでこんな良い子なのに、あんな特殊な性癖を持っているのだろう改めて思いながら、深い溜息を吐く。
「あのなぁ……俺以外にもそう言う趣味の奴を探せば良いだろ?」
「だから、私は誰でも言い訳じゃ無くて、優一さんだから良いんです! 優一さんだから、虐めてほしいんです!」
「だから俺はSじゃねーっての!!」
「優一さん! なんで毎回逃げるんですか!!」
「お前が周囲から誤解をうけそうな事を言うからだ!」
優一は現在ゲームセンターを後にし、芹那から逃げながら街中を走り回っていた。
高志のせいで絶対に会いたくないと思っていた芹那と出会ってしまい、優一は高志に腹を立てていた。
「たく……高志の野郎……」
文句を言いつつも体力の限界が近づき、優一はその場で膝に手をつく。
「はぁ……はぁ……」
暑さで体力を奪われ、いつもより体力が続かない優一。
直ぐに芹那に捕まってしまった。
「もぉ、夏休みに入ってようやく会えたのに~」
「俺は会いたく無かったよ……」
公園のベンチに座り込み、優一は芹那を見る。
普通にしていれば間違いなく可愛い子だ。
しかし、とある一つの問題が彼女の評価を大きく下げて居る。
「さぁ! 早く私を虐めて下さい!」
「黙ってろこの変態!」
「はぅ!! さ、最初は言葉責めからですね……はぁ……はぁ……」
「めんどくせぇ………なんだこいつ……」
隣に座って息を荒くする芹那に、優一は肩を落とす。
これさえ無ければ、今すぐにでも芹那と付き合うのになと考える優一。
再び溜息を吐き、優一はベンチから立ち上がる。
「どこにいくんですか?」
「決まってんだろ? 高志をぶん殴りに行く!
「あ、じゃあ私も……」
「お前は来るな! 帰れ帰れ」
「え~なんでですか~、それとも放置プレイですか?」
「あぁ……もうそれで良いから、ついて来んな……」
あきれ果てる優一を他所に、芹那はニコニコしながら優一の後をついて行く。
「本当について来るのかよ……」
「はい! 折角休みの日に会えたんですし!」
「はぁ……全く…」
溜息ばかりを出しながら、優一は高志の家に向かって歩いて行く。
「本当に八重先輩のとこに行くんですか?」
「当たり前だろ、俺はあいつをぶっ飛ばしに行くんだよ」
「それよりも私と鞭とロウソク買いに行きましょうよ~」
「なんでそんなもんをお前と買いに行く必要があるんだよ!」
「そりゃあ、プレイに必要ですし」
「しないからな! お前とそんな特殊プレイはしないからな!!」
後ろを歩いてついてくる芹那にそう言いながら、優一は足を進める。
商店街を歩いていると、優一は良く声を掛けられた。
「お、那須! この前はありがとな!」
「へいへい、今度から気を付けろよ」
「那須君、この前は妻の浮気の件ありがとう」
「慰謝料もがっぽりだったろ?」
「優一! この前の合コンサンキュー! 彼女出来そうだわ!」
「出来てから言えよ、そういうのは」
噂の発信源であり、多くの情報を持つ優一を頼る人間は多い。
町の中でも顔の広い優一は人脈も広く、声を掛けられる事も多い。
「優一さんって、知り合い多いんですね」
「まぁな……昔よりは増えたな」
「凄いですね、私の学年でも優一さんの事は色々言われてますよ」
「まぁ、そうだろうな。何人か一年の相談も受けたし……」
「なんでそんなに情報通なんですか?」
「色々あるんだよ、俺独自のルートが……俺の手に掛かれば、お前の学校での人気の度合いだってわかるぜ」
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