巨乳だらけの世界で、貧乳求め旅をする。

風切切羽

自分のジョブは変じゃないと思った?

早速冒険者ギルドに行こうということで、僕達は宿を出た。
外の街並みはラノベで見かけるような、ザ・異世界という感じの風景だった。
ベージュがかったレンガと木でできた古風な家だらけだった。
「奥に見えるひときわ大きなあの建物は?」
と、僕が聞くと、
「アレはここら辺一帯、カムルス王国の国王陛下カムルス・ロイズ・バルダ様のお城だよー」
と、気の抜けた声でリンカちゃんが答える。
おー、流石異世界ファンタジー。
国王とかいちゃう辺りがね。
日本以外だといたりするけども。
その辺はやっぱり日本とは違うなーと実感する。
「転生者の方には色々この世界のことを説明した方がいいと思うのですっ!」
リリシアちゃんが一番まともで重要な事を言った。
その通りだ、僕は転生者である為この世界のことをほとんど知らない。
言語はなぜか通じているが、文字が違う可能性もある為、不安はある。
「ならば私が僭越ながら、」
と、独特な言い回しとともに、ネメアさんが前に出た。
「この世界は4つの王国に分かれていてね、1つは今言ったカムルス王国、基本的に平地が広がっていて、気温も温暖。農業や畜産が主な収益になっているんだっ。
次に4つの王国の中でも一番の面積を誇る、ゼネスト王国。巨大なハルル川が通っていて、流通が盛ん。
他の王国との貿易や、単純に移動なんかでも通ることは多いと思う」
止まらない止まらない、切れ目なく喋り続けるなこの娘は。
しかもよく覚えてるな、他国なんて現代日本では気にしなかったからなー、その日をどう過ごすかだけで精一杯だったからなー、(まぁ、アニメ見てたりマンガやラノベ読んでたりしただけだが)
そんな僕には目もくれず(僕に話しているのに)話を続ける、
「3つ目は最大の軍事力を誇る、アーバスト王国。武器の技術などを発展させていき繁栄した国だね。
ハルル川を使って武具の輸出を行なっているよ。
そして最後は金やプラチナなどの貴金属の採掘場が数多く存在し、経済大国へと成長した、オクティア王国の、4つの王国によってこの大陸アバルトレスは、できてるんだよっ」
話終わり、ネメアさんは少し息を整えた。
ふむ、国とこの世界の作りは分かった。まだまだ分からないことだらけだが、まぁなんとかなるでしょ。
異世界だし。
と、そんなこんなで話している間に、周りの建物よりも一回り大きい建物が正面に見えてきた。
「あそこが冒険者ギルドだよー」
僕はその建物を見て、
(あー、いかにもギルドっぽい建物だなー、冒険者っぽい人たちも出入りしてるみたいだし)
と、率直な現代日本人のラノベ好きなら誰しもが考えるような事を考える。
しかし、自分のジョブが分かるとかドリーム過ぎるでしょう。
こんなイベントを経験してみたいっていう中高生は、日本に、ごまんといるんだろうなぁ。
知らないうちに僕は手を固く握り締めていた。
(僕の新しい旅?は、ここから始まるのだろう。きっとチート能力とかで無双してしまうに違いない) 
思わずにやけてしまうが、周りの目とか気になるし、何よりもクレシカさんの目が、(何この男、何でニヤニヤしてるわけ?まだダイオウグソクムシの方が可愛げがあるんだけど?)
みたいな顔してこちらを見ているので早くしなければ。
僕達は、ギルドの中に入った。
中は壁などが少ないからか、広く感じられ、しかし冒険者達がせわしなく動き回っているため、がらんとしている感じはない。
入ってすぐに、掲示板が左手にあり、依頼などが張り出されている。
受付には女性がおり、討伐賞金の支払いや、その他さまざまな話が出来るようだ。
(なお胸は以下略)
二階に続く階段があり、そこから上は、小さな宿になっているらしい。
思わず中を見渡していると、
「早くしよー」
と、リンカちゃんに言われたので、僕は一番空いている所へと並んだ。
幸いにもすぐに自分達の番が来たので、僕達は前に出た。
正面には周りの受付の人が着ているものと同じ制服を着た女の人がいた。
金髪で赤眼、とても美しい顔立ちをしているが、こちらを見る目や、接客スマイルかもしれないが、にこやかに微笑む顔は、親しみやすさを感じさせる。
胸に関してはもういいでしょ。
あえて言うなら服がきっちりと閉まり清楚な感じがする。少なくとも後ろの、肌色が6割みたいなマジシャンよりはとても普通に見える。
「私が今回担当させて頂く、マレストと申します。本日はどう言ったご用件でしょうか?」
と、普通に聞かれる。
ここはストレートに言った方が良いかもしれないので、簡潔に言う。
「僕転生したばかりなので、ジョブの確認と、ギルドメンバーへの入会手続きをしたくて、、」
よし!噛まずに言えたぞ。
小さくガッツポーズをして、前に向き直る。
マレストさんは、はい承りました。
と一言いうとバックヤードの方へと行った。
ふーん。反応の落ち着き具合からして、転生者がいるのはそこまで珍しくないのかもしれない。
表情を崩さず、眉ですらピクリともしなかった。
そわそわしながら待っていると、マレストさんが戻ってきた。
手には青っぽい水晶がおさまっている。
思わず、(あー、はいはいよく見かけるタイプの、手を置くと光ってステータスとか分かるやつね)と、
初めて見るのにこの見慣れてる感というか知っているというか、、
予想どおりではある。
「ではまず、こちらの機器に手をかざしてください。自分のジョブやステータス、レベルなどが表示されます」
と、説明を受けたので早速やってみる。
自分の心臓の鼓動が早くなっていくのが分かる。
これから僕はこの世界で冒険をして、向こうの世界に戻る方法を探し出して、この巨乳だらけの世界から脱出してみせる!
僕は期待を込めて手をかざした。
淡く光り出したと思うと、周りに魔方陣のようなものが広がる。
僕の体の周りを囲うように回り続け、しばらくすると光は治り始め、
水晶の上にウィンドが開いた。
僕はそれを覗き込もうとする。
一歩前に出てよく見る。
レベルは1、そしてジョブは...







「ジョブ    主人公    」

お?


んん?


は?
思わず3度見してしまった。
いやもしかしたら気づいていないだけでもっと見返していたかもしれない。この場合回数がわからない為、
自然数nで、n度見したということにしておこう。
でだ。
ジョブが?主人公?なにそれ?
ジョブとしての効果は?
「主人公っぽいことが起きる
(ステータスによって起きる事は変わる)、主人公っぽいこともだいたいできる」
これが効果?
強いの?っぽいて何?
ただ、そんなことよりも今一番重要なのはそこではなかった。
それは、最後の一文、
「主人公らしく旅をしなければならない、最初に自分を助けてくれた美少女とかいたら、ヒロインとして連れていなければならない」
という文だった。
これをみて僕はすぐにピンときた。
そして力の限り叫んだ、


「あの神ふざけてんじゃねぇぞおおぉおおおお!!!!!」

普段の僕らしくもない雄叫びだったが、今はもう関係ない。
こんなにわざとらしく作られた文章なんて意図的に作られたに決まっている。
そして作ったのが誰かもわかっている。
ならやる事はただ1つだった。
「あいつをぶっ倒して元の世界に戻させてやる!」
こうして、波乱の僕の冒険はま幕を開けたのだった。

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