徒然なるままに

嘉禄(かろく)

君のいない季節


時は巡る 誰にも平等に
大切な者を亡くした私の上にも-

間違っても人に恋などしない
人を間引くことが私の役目
そう思っていた

-なのに あれは易々とそれを覆し
   あろうことか私の中に踏み込んできた


『黒、私は…君になら殺されても構わない』
『…馬鹿をいうな、交わしただろう?
お前を伴侶に迎えるという約束を』


あの言葉を交わした時から…悟っていたのだろうか?
分かっていなかったのは私だけだったのだろうか?
悔やんでも、あの日は遥か空の先-


年に一度の社の祭、静まり返った春の月夜に私はお前に捧げる舞を舞う
夜桜と共に

お前に届くように、夢と歌詠鳥を乗せて
また次の春までゆくように


『…お前が忘れてしまっても私は忘れない』


お前の美しい髪を雲が隠しても
ずっと見惚れたい

流れる季節の折々で-


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