異世界転移したら勇者になったんだが?

sirokuro

掌の上

技に【】をつけました!

みんな待たせてごめんね!

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「【雷切 Lv10】!」
「舐めるな! 【無空】!」

ゲイネスが右手をだすと刀に纏わせていた【雷】がなくなってしまい、ただの剣撃になってしまった。その剣撃をゲイネスはやすやすと剣で受け止めると、俺のことを蹴飛ばしてきやがった。

「さっきのはなんなんだよ」
「【無空】のことか? お主は天才なのだからわかるだろう? それともさっき言っていたことは全て嘘だったのかのぅ」
「...今すぐにその身体から出て行ってもらうぞ」

ゲイネスだけを斬るにはあの技しかないな。

「【悪心一刀】!」
「無駄じゃ! 【無空】!」

ゲイネスが右手をだすと、またしても刀に纏わせたはずの【悪心一刀】が消えてしまった。

...なるほど、なんとなく予想ができたが一つだけ試したいことがあるな...

「どうした! 天才の力はこんなものなのか!」
「うるせぇジジイだな! 若い女の身体に乗り移ってるときぐらい静かにしとけよ! 【天撃】!」
「【無空】! ...ほう、今のはなかなかの攻撃だったぞ? そんな強大な魔法を瞬時に放つことができるのは魔王様だけだと思っていたわい」

ゲイネスは今、【無空】では消しきれなかった【天撃】の一部を避けながら話している。

──これで確信した。

「てめぇの【無空】はもう俺には通用しねぇぞ」
「ふん! どうせ負け惜しみなのじゃろう?」
「そんなわけないだろうが。【無空】には二つの欠陥がある。そうだろう?」
「...」
「一つ目は、【無空】で消せる範囲は直径約1メートルぐらいだから大規模な攻撃を完全には消せないこと。二つ目は、【無空】を連続で使用することができないということ。違うか?」
「...」

もちろんこれはハッタリだ。こう言えば調子にのって【無空】を使ってくれるだろう。もしもただのハッタリが当たっていたらいたで楽に済むからいいんだけどな。

「さっきまであんなに話していたのに、自分の魔法の解説をされるとだんまりかよ」
「.....フ.....フフ.......フハハハハハハハハハッ!」
「あぁ?」

こいつ、何笑ってるんだ? 俺のハッタリに気付いたのか?

「それで勝ったつもりかッ! 勇者よッ!」
「そうだよ、俺の勝ちは絶対だぜ? なんなら最後にてめぇが言うセリフまでわかってるぐらいこの先をわかってるぞ」
「そんなものはただの戯れ言だというのじゃ! 我の魔法を一つ見破っただけでいい気になるのではない! 」

...これは気付いてねぇな。

まぁ、たしかにゲイネスの言う通りなんだがな。こいつの受けの魔法はわかったが攻めの魔法がわかんねぇ。もしも、ここで俺が避けられない魔法がとんできて即死したらお終いだ。

──なら、こいつに攻撃させなければいいだけの話だよな!

「【天撃】!」
「それはさきほど試してダメじゃったろうが!【無空】!」
「一発がダメなら二発。二発でダメなら三発。三発でもダメならお前が死ぬまで撃ち続けてやるよ! 【天撃】!」

五発の【天撃】を放つと、ゲイネスは高笑いをし始めた。

「フハハハハハハハハハッ! この身体が英雄シルの身体だということを忘れてはいまいか? それほどの強大な魔法を喰らえば、たとえこの身体でも耐えることができんだろう!」
「だが、てめぇなら【無空】を使う。その身体でしか俺に勝つことができないからだ」
「...バレてしまっているか。だが、まぁよい。お主の度肝はこれで抜かさせてもらおう! 【無空】!」
「な、なに!?」

計画通り。

「フハハハハハハハハハッ! どうじゃ! 驚いたか!」

...この中身の爺さんのために一芝居うってみたがここまで喜ぶか。それは予想外だったな。

「今どんな気持ちじゃ? さきほどお主がドヤ顔で【無空】の欠陥を話しておったが、それは全て的外れなんじゃよー! フハハハハハハハハハッ!」
「あっそ」
「ハハハ...ハハハ.....へ...?」

俺は高笑いしているゲイネスに【悪心一刀】を纏わせた刀で斬った。

──ただそれだけだ。

「...な...ぜ...お主は...さきほどまで...我の...目の前に...」
「それは全部俺が作った【コピー】だよ。本体の俺はこうやってお前の後ろにいるだろ?」
「.....【炎弾】」

目の前に来た炎の弾丸を【雷撃】で振りはらう。

「...フハハ.....ハハ...化け物め.....さぁ...その刀で我を斬るがよい。もう...無様なマネはせんよ」
「そうするが、あんたに一つ聞きたいことがある。魔王は俺より強いか?」
「...さぁのぉ...今の魔王様の...本気を、我は知らんからの」
「そうかい...【魔王軍幹部 ゲイネス】さらばだ」

【悪心一刀】とさらに【雷切 Lv3】も刀に纏わせ、ゲイネスにトドメを刺した。

「これにて一件落着、だな!」


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