マフィアと幼女

ててて

6

「相談って?」

「実はさ、俺は嬢ちゃんをここで育ててもいいと思うんだよな。だって、ここ男所帯じゃん?華欲しいじゃん?」

「…アタシは反対だわ。それって逆に言えばあの子以外みんな男よ?心配だわ。」

「え?でもお前心は女なんだろ?」

「そーよ!アタシは女!体は男だけど心は完全に綺麗な女よ!」

「綺麗かどうかは知らないが、俺はボスに賛成です。」

「あら、イヴァン。アンタ、ロリコンだったの?!」

「ち、ちがう!!あの子がいればボスが夜に遊びに行く回数が減るかなと思っただけで…」

「おおぅ、イヴァン。お前、地味に考えてんだな。それがどうなるかは知らないけど。
んじゃあ、うちで面倒見るって事でいいか?」

「はい。」

「んー、やっぱり心配だわ。アルフレッドみたいな年齢制限ない女好きと住むだなんて…大丈夫かしら。」

「お前!俺のことなんだと思ってんだよ!!」

「変な問題を起こしたらあの子は孤児院に入れるということで。ひとまず預かるって形よ。わかった?」

「ったく、へいへい。それでいいよ」

話にも終わったところでクラウスが部屋から出ようとドアに手をかけた。

「あ、そういえば…あの女の子って名前なにかしら?名前が分かればもしかしたら身元の特定が出来るんじゃない?親とか…」

「名前…?あ!聞いてねーわ!確か、おっさんには17番って呼ばれてたけど…」

「はぁ!?17番!?それは名前じゃないわよ!!!身元も不明じゃない!!まったく…名前ないと不便ね。せっかく女の子なんだから可愛い名前がいいわ!」

「可愛い名前か…」

「ちょっと!それっぽいの考えるわよ!!ほら!ペンと紙!はい、辞書!!」

そうして本人のあずかり知らぬところで1時間以上に渡る名前決めが始まった。




目が覚めるとそこは知らない部屋だった。
フカフカのベットで気持ちよく寝てたみたいだ。

「どこ…?」

起きて髪を整える。廊下を出て1階に降りるとたくさんの人が行き来していた。何人かは物珍しそうに私を見る。

「あれ、さっきの女の子?」

声のかけられた方に振り向くと屋敷で会ったリックと呼ばれた緑の髪の人がいた。

「どうしたんすか?迷子?」

そりゃあ、屋敷内全然知らないから迷子ではあるが、なんだろう。迷子という言葉に頷きたくない…

「あの、アルフレッドさんはどこでしょうか?」

「ボス?ボスなら部屋にいると思うっすよ!案内するっす!」

リックさんが手を繋いで引いてくれる。

「ここっすよ!部屋に入る前は1度ノックするっす!」

リックさんが手本のようにノックした。
コンコン

「入れ」

許可を出したのはアルフレッドさんではなくイヴァンさんの声だった。

「失礼しまっす!お嬢さん連れてきたっすよ!」

入った部屋では机いっぱいに紙が広がりアルフレッドさんとクラウスさんが何かを言い合いをしていた。

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