マフィアと幼女

ててて

4

「んで、その悪さをしたのがさっきのおっさん。あ、わかる?あの嬢ちゃんがいたところの社長ね」

「…はい」

さっき、やくぶつ?とか人間売買とか言ってた。たぶんそれのことだろう。

しゃちょうさんは言ってた。私が最高傑作だって。私は売り物だったのか。

別に悲しい訳では無いが、今までの異様な厳しさ、教育、掃除、娯楽、武術、納得がつく。自分の中でストンと何かが落ちた。

「ドリアできましたよ、どうぞ」

「え、あ、ありがとうございます」

(ドリアって食べ物…)
初めて見る食べ物がとてもめずらしい。

「おっ!美味そうだなー!
じゃ、いだきまーす。おっ、うま!!」

アルフレッドさんが美味しそうに頬張る。
アルフレッドさんの食べ方を見てスプーンですくって食べるのだとわかる。

「お嬢さんも食べて下さい。」

イヴァンさんに催促されスプーンで1口食べてみる。

「!!…おいしいです」

「だろー!!イヴァンの作った料理は美味いんだよなー!」

「温かい…初めて食べました…」

温かい食事なんて風邪を引いた時くらいだ。
通常、一日一食のパンとミルク。それが今までの食事だった。

「初めて…?ドリアは一般的家庭料理だが…
お嬢さん、今まであの屋敷で何を食べてきましたか?」

「えっと、パンとミルクです。」

「………それ以外は?」

「それ以外?あ、風邪をひいた時はパンをお湯につけた温かいご飯でした。」

カッラーン

隣のアルフレッドさんはこちらを向いて目を大きく開きスプーンを落とした。

私はスプーンを拾おうとするとアルフレッドさんに両肩を掴まれた。

「それ、ほんとに言ってる?」

「え??…はい、そうです、けど。」

何かおかしなことを言っただろうか?
普通は、みんなパンとミルクで生活しているのでは?アルフレッドさんみたいに領主さんだとこんな美味しいものが食べられるだけで…

「まじか…なんで俺、あのおっさん銃で1発で殺しちまったんだろう…。もっとジワジワ右手左手の指1本1本からへし折って…」

アルフレッドさんの様子がおかしい。
なにかブツブツ言っている。

そのうちに新しくスプーンを持ってきたイヴァンさんによってアルフレッドさんは元に戻った。

「ほら、お嬢さんも。まだたくさんあるんだから温かい内に食べてください。」

そう言って、イヴァンさんは私の頭を撫でてくれる。

「はい……?」

なにか、その生暖かい目がより一層居心地を悪くしたのだった。

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