マフィアと幼女

ててて

2


「え…あの…」

男の人の胸に顔を押し付けなれたまま数分がすぎた。鼻にはツンとした鉄の匂いが漂ってくる。

「おー、嬢ちゃんちょっと静かに待ってろよー。あと少しだからー」

一向に離してくれないので大人しくしている。すると、バタバタと人の足音が近づいてきた。

「ちょっと、ボス!勝手に一人で行くなんて…って何してんっすか!!!
え!社長殺しちゃったんっすか!?
はー!?!?
作戦と全然違うじゃないっすかー!生きたまま捕まえて顧客リスト出させてあとは体の売れる部分全部売って残ったのはフィルスファミリーにあげるっていう話だったでじゃないっすか!また、クラウスさんに怒られるっすよ!」

「ったく、ベラベラベラベラうるせぇな。
リック、こいつの後始末しとけ。他の奴らにも残ってるやつは全員捕まえろって伝えとけ。抵抗したら殺せ。俺は一旦帰る。」

「帰るって、はぁ!?ってあれ?その子なんっすか?」

「ん?あぁ、こいつか。さっき、そのおっさんから貰った。」

「はぁーー!?!?!?」

「じゃ、あとよろしく!」 

男の人は私を抱っこして立ち上がった。
どうやら、私はどこかに連れていかれるらしい。
リックと呼ばれた緑の髪の人は口をパクパクさせながら私を見ていた。

床には赤色に染まったしゃちょうさんが倒れている。じっと見ていると男の人が私の目を逸らさせた。

「こら、あんなもん見るんじゃねぇ」

玄関の前には黒いオートモービルと呼ばれる近代技術が生み出した機械があった。

男の人がそれに乗り込む。

「イヴァン、一旦帰るぞ」

「はい」

激しい音と共に動き出したオートモービルはとてつもない速さで丘を下っていく。

どんどん屋敷が遠ざかっていった。

「…にしても、よくこんな山奥で闇オークションなんてやってたよな。気づくのが遅れるわけだぜ、会場も転々としやがって。」

「…そうですね、一応俺らの地区での被害者は5、6人で確定です。損害賠償も請求はできる程度でしょうが…問題は隣のフィルスファミリーでしょう。あそこの損害は酷いですから」

「そうだなぁ、フィルスファミリーにまた貸しだな、今度酒を奢って貰わないとなぁ」

「フィルスのボスのカルロさんが泣きますよ。」

「ははっ、違ぇねぇな」

「…ところで、ボス。話は変わるんですが、
その子供はなんですか?」

「あ、忘れてたわ。こいつは、貰った!」

「は?」

「さっきから静かだな、嬢ちゃん大丈夫か?」

「…はい、大丈夫です。」

(静かに待ってろって言われたから静かにしてんだんだけど…。しゃちょうさんにも言われたことは絶対守れって言われてたし…)

「んー、嬢ちゃんはいつからあそこにいたんだ?誘拐されたのか?拉致られたのか?」

「?いいえ、最初からあそこにいました。」

(ゆうかい?とからち?とかわからないが)

「最初から…か」

「最初からってことは意識した頃からはもうあそこにいたってことですね。」

「あぁ、そうかもな」

男の人に頭をポンポンと触られた。
不思議と心が安らぐ。

「っふ、かわいいなお前」

男の人が笑った。
また頭をポンポンされる。

少し落ち着いたのかお腹がグーっとなった。
忘れていたがそういえば私はお腹が空いていたのだった。

「よし、家に着いたらメシ食うか!美味いもん食わせてやるぞー!
あのイヴァンっていう兄ちゃんが作る飯はどこの飯屋よりも上手いんだ!」

「ちょっ!ハードル上げないでください。普通です。」

「イヴァン!今日のメシはなんだー?」

「ドリアです!!」


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