セミになりたい少女と内気な僕

ノベルバユーザー173668

夢への手紙

 僕が優花の部屋に入ると、優花の部屋には天井からロープが吊るされていた。優花がそれをまじまじ見つめながら、
「お姉ちゃんごめんね。私何もお姉ちゃんのことを分かってあげれなかった。いま会いに行くね。」
僕は、そんな優花の肩を叩く、すると、ようやく優花は僕に気づく、優花は
「お姉ちゃんはあなたのことを必要としていた。私は必要としていない。」
と呟いた。僕は、過去の自分を見ている気がした。そして、彼女を救い出すことで自分の過去への決別と未来の夢への第一歩にできる気がした。僕は、
「そんな、分けないだろう。咲は、君のことを誰よりも愛し、感謝していた。」
と言った。優花は、
「そんな訳ない!!私は、お姉ちゃんが、病院の外に出ようとするのを止め続けた。もし、私がいなければ、もっと、お姉ちゃんは早く外に出れてもっと、幸せに生きれたかもしれないのに。」
僕は、
「過去を振り替えっても意味がない。」
と呟いた。すると、優花は
「あなたに、私の気持ちが分かるわけないわ。私はねお姉ちゃんを幸せにしているつもりで、傷つけていた。お姉ちゃんが亡くなってようやく気づいたの。でももう遅い。何もできない。あなたみたいにすごい人間に私の無力さあなたに分かる?」
僕は、
「ああ。」
と言った。優花は驚いている。僕は、続けて言った。
「僕には弟が、いた。僕の弟も僕が小学生のとき亡くなった。僕は、弟と生前約束したんだ。しかし、それを僕が破ってしまった。それに、君の姉との約束もい1回破ってる。僕は、ただの人間、弱い人間じゃないさ。」
そして、僕は、弟が、亡くなって、家に引きこもっていたとき、先生に言われたことを口にした。
「過去を変えられない。未来は変えられる。僕と友達になって、一緒に明るい未来を目指して頑張ろう!」
優花は、下を向いてずっと泣いていた。これでいいんだ。そんな簡単に立ち直れる問題ではない。あの日の先生みたいに、少しずつでも分かりっていこう。それが、夢への第一歩だ。


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