セミになりたい少女と内気な僕

ノベルバユーザー173668

セミちゃんの手紙

咲が亡くなって1日後、お葬式が行われた。恋人がやることの中に8つめに、恋人を天国に送ると書いてあったので、咲は、昨日自分が死ぬことを知っていたのかもしれない。棺桶の中の咲を見たが、笑顔だったので、安心した。お焼香が終わり、僕が帰ろうとしたとき、咲の両親から、
「待って下さい。」
と言われた。父親は、
「貴方に、娘の死ぬつらい所をみせてすまなかった。」
と言った。僕は、
「大切な娘さんの、大事な最後の1日を僕と過ごさせてくれてありがとうございます。」
と言った。両親は、
「貴方に、出会ってから本当に娘は楽しそうだった。貴方に出会えてよかった。」
と言った。僕は、
「いえいえ。こちらこそ出会えてよかった。」
と言った。そして、1枚の手紙を渡してきた。
「娘の荷物に入っていました。どうぞお読み下さい。」
 手紙には、楽しかったことや感謝の意がたくさん書にいてあった。それを読んでいると、楽しかったことや辛かったことが思い出される。最後にこう書いてあった。
 「じゃじゃん!!恋人のやること9つめ!それは、恋人の幸せを願うこと。立派なカウンセラーになってね。先生の夢を応援しているよ。でも、なる前に、1つだけアドバイス!それは、私みたいに本音で話せる友達を作ること。先生はよく一人で抱え込んじゃうから、相談できる友達が必要だと思うの頑張ってね。そして、最後のお願いなんだけど、私の妹の優花と友達になってあげて欲しいの。優花は私のことを大切に思ってくれるのはありがたいんだけど、私の看病のせいで友達付き合いも悪いし、友達がいないの。きっと、優花は私が死んだら一人で抱え込んじゃうから先生に助けて欲しいのお願いします。そして、最後に先生の活躍をセミに生まれ変わって見守っているからね。ちゃんとやってね。」
と書いてあった。僕は、セミに生まれ変わるってなんだよと思って、少し笑ってしまった。そして、僕は、咲の両親にたずねた。
「優花ちゃんはどこにいますか?」
咲の母親は、
「2階の自分の部屋に引きこもっているわ。」
と言った。僕は、心のなかでこう言った。
「さあ、9つめを、叶えにいくぞ!」


 

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