セミになりたい少女と内気な僕

ノベルバユーザー173668

遊園地

その後セミちゃんと、一緒に遊園地に来た。遊園地は平日だというのに子連れの夫婦、カップルで
かなり混んでいた。セミちゃんは、子連れの夫婦を見て、
「子供達楽しそうだね!」
と言った。そのとき思った。そっか、セミちゃんは、家族と遊園地にきたことないんだ。それじゃあ精一杯楽しませなきゃと思ったら、遊園地には、様々なアトラクションがあった。ジェットコースターに乗ったり、メリゴーランドに乗ったりした。セミちゃんは、
「お化け屋敷だって、あれやろうよ。」
と言った。僕は、
「えーやめようよ。」
と言った。僕は、恥ずかしながらお化けが嫌いだった。それに、勘づいたらしく、セミちゃんは、
「行こうよ~。まさかお化けが怖いの?」
とからかってくる。、僕は、
「そんなことない!」
とついつい言った。そして、セミちゃんにおされながらお化け屋敷に入った。お化け屋敷の中は、思った以上につくりがよく、とても恐ろしかった。本当に子供向けかよと思った。そのとき、背中にスプレーがかかった。
「きゃあああ!」
僕は、思わずセミちゃんの肩に抱きついた。セミちゃんは、笑いなから、
「もう、情けないな~」
と言った。物理攻撃はせこいだろうと思った。僕は、二度と入るものかと心に決めた。その後様々な所を巡りもう、太陽がしずんでいた。すると、夜のイルミネーションが始まった。セミちゃんは、
「きれいだね~」
と言って、眺めてる。
僕は、
「そうだね。」
と言った。セミちゃんは、
「また、ここに来ようね。」
と言った。
 その帰り、ホテルにいく道の途中で、セミちゃんは咳をし始めた。それも今までと、様子が違う。なんとなく本能的に分かるやばい音だ。口を抑えている手から、血があふれでている。僕が、
「大丈夫?」
と言うと、セミちゃんは、
「大丈夫。明日はどこへ行こう。」
と言った。そして、道路に濁った赤の血を吐いた。セミちゃんは大丈夫と言っているが、この様子を見れば医者じゃない誰が見ても大丈夫じゃないと分かるだろう。こうなることは覚悟していたのに僕は、怖くなり、耐えられなくなった。これ以上大切な人を目の前で失いたくない。そして、セミちゃんに
「ごめん。僕には覚悟が足りなかった。」
と言い、救急車を呼んだ。こうして、僕とセミちゃんの外の世界への旅は幕を閉じた

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