会社員(26歳)の俺にJKのストーカーがいるんだが。
6.俺とJKとデート +2
 
  平日のテーマパークはすいていると思っていた。
  なのに……
  「なんでこんなに人が多いんだ……?」
  WSJ(今日来たワンダフル・ステージ・ジャパニーズの略称)の入場ゲートを通過できた俺は早くも疲れていた。
  「悠志さん、それはしょうがないですよ。」
  「は?」
  「入場ゲートを通過してきたお客さんをよく見てください。」
 「なんのことだよ……」
  !!!
  一目で気づいた。
  大人が多い。  
  
  しかもみな、遊ぶには邪魔になりそうなキャリーバックやボストンバッグを持っている。
  バックを持っているのは女性の方がやや多い。
  男性の大半はそう言った大きめな荷物はない。
  その代わりに首から一眼レフを下げていたり、明らかにテーマパークに遊びに来たという服装ではない。
  あの男性陣の服装はあそこでみたことがある、、、。
  
  コミケだ。
  「コスプレ撮影会でもあるのか……?」
  「さすが悠志さん!近いですよ。」
  「ちなみに……どういった作品のやつだ?」
  「お、悠志さん。気になります?実はこれ『スクールカースト!』って、アニメの撮影会なんです。しかも公式です。時間で声優さんのコスプレ・トークイベントもありますよ。」
   「ああああああああああああああ!!」
  「うふふ、悠志さんが2番目に好きな作品ですよね?」
  「鈴鹿!!」
  「声優さんが来るコスプレ・トークイベントって……」
   「もちろん抽選制ですので2枚当てておきました!夕方ですね。」
  鈴鹿は鞄の中からチケット2枚を見せた。
  これはストーカー行為の一部なのか、サプライズなのかは全く俺にはわからなかった。
  「じゃあ、それまでは私の考えたプランに付き合ってください!」
 
▼△▼△
  パーク内の雰囲気はアメリカの映画をモチーフにした感じだ。
  あちこちに撮影スポットみたいなのがある。
  若い子で言うフォトジェニックか……?
  「悠志さん、私どうしても行きたいところがあるので最初に行っても良いですか?」
  「ん。いいぞ。」
  「ありがとうございます!」
   年相応にはしゃぐ鈴鹿。
   普段は俺の家に制服でいるから、非日常のように感じる。
  洋風な建物が立ち並んでいる広い道を進むとジェットコースターが走る音が聞こえてきた。
  「あ、悠志さん。最初はあれです!」
  今頭上を通ったジェットコースターを指さす。
  え??
  今のやつ、高低差70メートルの体と足が固定されてうつぶせ状態になり乗るやつだよな……。
  確か恐竜に捕まれて昊を飛んでいるのがコンセプトの……。
   「悠志さん?もしや絶叫系苦手ですか?」
  「そういうわけではないのだが……。」
   あまり得意ではない。
  ましてや世界最大とかネットに書いてあるの見たぞ。
  いや、乗らず嫌いは良くないか。
  死ぬなら乗ってからだ!
  「いや、なんでもない。行くか。」
  「はい~!」
   鈴鹿の前を歩いたとき、チラッと鈴鹿の鞄のちいさく開いた穴からカメラのレンズが光ったのは気のせいだと思いたい。
  
   待ち時間は意外と短かった。
  確かに入場するときの人は多かったけど、大半はコスプレ関連の人だから遊んでいる人は休日に比べると少ない。
  乗る前に注意事項などをスタッフから聞き、乗り込む。
  1つの乗り物に4人分の椅子がありそれが8列形式。
  平日で人が少ないと言うことで、一緒に乗ってるのは鈴鹿のみ。
「楽しみですね悠志さん!!」
   目がすごくキラキラしてる鈴鹿。
  小学生ぐらい楽しんでるな……。
  「てかお前スカートやばくね?」
  「あ、大丈夫ですよ。ストッパーが太ももの間にくるので。」
  鈴鹿が言い終わると同時にスタッフさんがストッパーを下ろしてくれた。
  結構ガッチリだから多分大丈夫なんだろう。
  「それでは~レッツ!フライングトラベル!!」
  スタッフの方が元気よく叫ぶと椅子が上がりうつ伏せのような体勢に。
  「うおっ。」
  「これ、浮遊感ヤバいですからね~。悠志さんの男気見たいですねっ。」
   一度乗ったことがあるのか余裕で話しかけてくる。
  「男気とか多分ないと思うぞ。」
  「えー」
  
  鈴鹿がブーブー言ってるうちに動き出した。
  進んでいくとパーク内が見渡せる。
  上昇しているがかなり遅い。
 
  「鈴鹿、これかなり遅くないか?
  他のジェットコースターでもこんなに上りは遅くないぞ。」
  「いえ、悠志さん。甘いですね。
  本番はこれからですよ……!」
  ニタニタと笑いながら話してくる。
  どうせ速く落ちるんだろ。
  と心の覚悟はしていたけれど……
  「うわああああああああああああああああああああああああああああ」  
  「あははははははははははははは!」
   頭から落ちるし高低差がすごいからめっちゃ怖い。
  鈴鹿は隣で大笑いしてるし。
   下がったと思ったら左足の方からぐるっと1回転してまた上昇して……。
  「おかえりなさーい!!」
   スタッフさんの元気な声で我に帰る。
  いつの間にか戻ってきたらしい。
  「いやー、最初からこれは楽しすぎましたね!」
  爽やかな笑顔の鈴鹿と裏腹に真っ白な俺。
  ストッパーが上がるや否や、すぐに鈴鹿は降りて置いておいた荷物をとる。
  「悠志さーん?大丈夫です?」
  「……見え……」
  「んん?」
  「アイナ(スクールカースト!に出てくるキャラ)が見えた!!」
  「あー、一般の方のコスプレ撮影会ですかね。
  次行きたいのはお昼過ぎのやつなんで撮影会行きます?」
 「行くぞ!!」
   一気に活力が戻った気がした。
▼△▼△
   黄色のカラコンに青色のリップ。
  ピンクのヴィッグも着ければ完全に別人な気がする。
  WSJのコスプレ更衣室の一角で大川千尋は自身の姿を鏡で見ていた。
  千尋が参加するのは屋内の撮影会。
  今回コスプレするのはヒロインのアイナが戦闘モードの時に着用する際どい衣装。
  暖房も効いているので少し露出があっても平気だろうと彼女は考えていた。
  どうせ知り合いも来ないだろうし……。
  千尋は結構肉付きが良いため出ている部分は出ている。
  そのため、撮影者の中には変わった者もいるわけで。
 「アイナちゃ~ん、もうちょい胸元強調してくれる?」
  「ローアングルお願い~!!」
  千尋は困惑し、その指示に内心嫌だが従おうとした。
  
  「ちょっと今の注文はキツすぎでしょ。」
  言葉の主は幡多間和人、悠志の知人だ。
  また、千尋とは一度電車のなかで遭遇している。
 千尋は一目で電車の時の人だと気づいた。
  もちろん和人は目の前のコスプレイヤーが千尋だとは気づいていない。
  「おい、お前なんなんだよ!」
  「アイナちゃんは聞いてくれるぞ!」
 千尋に際どい注文をしていたカメラマンたちは一斉に罵声を和人にかける。
 「う~ん、困ったな。まぁ、連れてけばいいか。」
  千尋の手をとると和人は走りだし、カメラマンたちの間をすり抜け 逃げた。
  千尋は内心困惑していた。
  はじめて……男の人に手を触れられた……
  まぁ、そんな千尋の夢思考はもとおき。
  
  「あれ、和人?」
  どこからか千尋も聞いたことがある声がした。
  前にいた男性が歩を止めた。
  千尋も歩を止めて、後ろを見ると彼女の会社の上司、永江悠志と駅で見かけた美少女がいた。 
   
  
   
   
  
   
  平日のテーマパークはすいていると思っていた。
  なのに……
  「なんでこんなに人が多いんだ……?」
  WSJ(今日来たワンダフル・ステージ・ジャパニーズの略称)の入場ゲートを通過できた俺は早くも疲れていた。
  「悠志さん、それはしょうがないですよ。」
  「は?」
  「入場ゲートを通過してきたお客さんをよく見てください。」
 「なんのことだよ……」
  !!!
  一目で気づいた。
  大人が多い。  
  
  しかもみな、遊ぶには邪魔になりそうなキャリーバックやボストンバッグを持っている。
  バックを持っているのは女性の方がやや多い。
  男性の大半はそう言った大きめな荷物はない。
  その代わりに首から一眼レフを下げていたり、明らかにテーマパークに遊びに来たという服装ではない。
  あの男性陣の服装はあそこでみたことがある、、、。
  
  コミケだ。
  「コスプレ撮影会でもあるのか……?」
  「さすが悠志さん!近いですよ。」
  「ちなみに……どういった作品のやつだ?」
  「お、悠志さん。気になります?実はこれ『スクールカースト!』って、アニメの撮影会なんです。しかも公式です。時間で声優さんのコスプレ・トークイベントもありますよ。」
   「ああああああああああああああ!!」
  「うふふ、悠志さんが2番目に好きな作品ですよね?」
  「鈴鹿!!」
  「声優さんが来るコスプレ・トークイベントって……」
   「もちろん抽選制ですので2枚当てておきました!夕方ですね。」
  鈴鹿は鞄の中からチケット2枚を見せた。
  これはストーカー行為の一部なのか、サプライズなのかは全く俺にはわからなかった。
  「じゃあ、それまでは私の考えたプランに付き合ってください!」
 
▼△▼△
  パーク内の雰囲気はアメリカの映画をモチーフにした感じだ。
  あちこちに撮影スポットみたいなのがある。
  若い子で言うフォトジェニックか……?
  「悠志さん、私どうしても行きたいところがあるので最初に行っても良いですか?」
  「ん。いいぞ。」
  「ありがとうございます!」
   年相応にはしゃぐ鈴鹿。
   普段は俺の家に制服でいるから、非日常のように感じる。
  洋風な建物が立ち並んでいる広い道を進むとジェットコースターが走る音が聞こえてきた。
  「あ、悠志さん。最初はあれです!」
  今頭上を通ったジェットコースターを指さす。
  え??
  今のやつ、高低差70メートルの体と足が固定されてうつぶせ状態になり乗るやつだよな……。
  確か恐竜に捕まれて昊を飛んでいるのがコンセプトの……。
   「悠志さん?もしや絶叫系苦手ですか?」
  「そういうわけではないのだが……。」
   あまり得意ではない。
  ましてや世界最大とかネットに書いてあるの見たぞ。
  いや、乗らず嫌いは良くないか。
  死ぬなら乗ってからだ!
  「いや、なんでもない。行くか。」
  「はい~!」
   鈴鹿の前を歩いたとき、チラッと鈴鹿の鞄のちいさく開いた穴からカメラのレンズが光ったのは気のせいだと思いたい。
  
   待ち時間は意外と短かった。
  確かに入場するときの人は多かったけど、大半はコスプレ関連の人だから遊んでいる人は休日に比べると少ない。
  乗る前に注意事項などをスタッフから聞き、乗り込む。
  1つの乗り物に4人分の椅子がありそれが8列形式。
  平日で人が少ないと言うことで、一緒に乗ってるのは鈴鹿のみ。
「楽しみですね悠志さん!!」
   目がすごくキラキラしてる鈴鹿。
  小学生ぐらい楽しんでるな……。
  「てかお前スカートやばくね?」
  「あ、大丈夫ですよ。ストッパーが太ももの間にくるので。」
  鈴鹿が言い終わると同時にスタッフさんがストッパーを下ろしてくれた。
  結構ガッチリだから多分大丈夫なんだろう。
  「それでは~レッツ!フライングトラベル!!」
  スタッフの方が元気よく叫ぶと椅子が上がりうつ伏せのような体勢に。
  「うおっ。」
  「これ、浮遊感ヤバいですからね~。悠志さんの男気見たいですねっ。」
   一度乗ったことがあるのか余裕で話しかけてくる。
  「男気とか多分ないと思うぞ。」
  「えー」
  
  鈴鹿がブーブー言ってるうちに動き出した。
  進んでいくとパーク内が見渡せる。
  上昇しているがかなり遅い。
 
  「鈴鹿、これかなり遅くないか?
  他のジェットコースターでもこんなに上りは遅くないぞ。」
  「いえ、悠志さん。甘いですね。
  本番はこれからですよ……!」
  ニタニタと笑いながら話してくる。
  どうせ速く落ちるんだろ。
  と心の覚悟はしていたけれど……
  「うわああああああああああああああああああああああああああああ」  
  「あははははははははははははは!」
   頭から落ちるし高低差がすごいからめっちゃ怖い。
  鈴鹿は隣で大笑いしてるし。
   下がったと思ったら左足の方からぐるっと1回転してまた上昇して……。
  「おかえりなさーい!!」
   スタッフさんの元気な声で我に帰る。
  いつの間にか戻ってきたらしい。
  「いやー、最初からこれは楽しすぎましたね!」
  爽やかな笑顔の鈴鹿と裏腹に真っ白な俺。
  ストッパーが上がるや否や、すぐに鈴鹿は降りて置いておいた荷物をとる。
  「悠志さーん?大丈夫です?」
  「……見え……」
  「んん?」
  「アイナ(スクールカースト!に出てくるキャラ)が見えた!!」
  「あー、一般の方のコスプレ撮影会ですかね。
  次行きたいのはお昼過ぎのやつなんで撮影会行きます?」
 「行くぞ!!」
   一気に活力が戻った気がした。
▼△▼△
   黄色のカラコンに青色のリップ。
  ピンクのヴィッグも着ければ完全に別人な気がする。
  WSJのコスプレ更衣室の一角で大川千尋は自身の姿を鏡で見ていた。
  千尋が参加するのは屋内の撮影会。
  今回コスプレするのはヒロインのアイナが戦闘モードの時に着用する際どい衣装。
  暖房も効いているので少し露出があっても平気だろうと彼女は考えていた。
  どうせ知り合いも来ないだろうし……。
  千尋は結構肉付きが良いため出ている部分は出ている。
  そのため、撮影者の中には変わった者もいるわけで。
 「アイナちゃ~ん、もうちょい胸元強調してくれる?」
  「ローアングルお願い~!!」
  千尋は困惑し、その指示に内心嫌だが従おうとした。
  
  「ちょっと今の注文はキツすぎでしょ。」
  言葉の主は幡多間和人、悠志の知人だ。
  また、千尋とは一度電車のなかで遭遇している。
 千尋は一目で電車の時の人だと気づいた。
  もちろん和人は目の前のコスプレイヤーが千尋だとは気づいていない。
  「おい、お前なんなんだよ!」
  「アイナちゃんは聞いてくれるぞ!」
 千尋に際どい注文をしていたカメラマンたちは一斉に罵声を和人にかける。
 「う~ん、困ったな。まぁ、連れてけばいいか。」
  千尋の手をとると和人は走りだし、カメラマンたちの間をすり抜け 逃げた。
  千尋は内心困惑していた。
  はじめて……男の人に手を触れられた……
  まぁ、そんな千尋の夢思考はもとおき。
  
  「あれ、和人?」
  どこからか千尋も聞いたことがある声がした。
  前にいた男性が歩を止めた。
  千尋も歩を止めて、後ろを見ると彼女の会社の上司、永江悠志と駅で見かけた美少女がいた。 
   
  
   
   
  
   
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