廃屋に潜む、闇の中
最後の後始末
トールとやらが、紛れ込んだのは地底湖だった。
確か、この地底湖にも女の霊がいたっけ?
あ、今は居ないみたい。僕が来たから、逃げてるな、きっと。
おっと、今はトールについてた霊をなんとかするのが先か?
そうそう、この地底湖でさ。
実は前に面白い物を見つけていた。
オンボロの鞄。
その中にたくさんの札束が入ってた。
けど、残念ながら、ボロボロすぎて、使い物にはならなかったんだけどね。一応、警察には出しておいたけど、あれじゃあ判別できないって。
僕でもない限りね。
いや、綺麗に元通りにしてもいいんだけど……なんか面倒くさそうだし、そんなに金あっても、ていうか、僕の家、資産家ってカンジ?
だから、金に苦労してないから、お任せー。
どうせ、着服とかしちゃってるんじゃないの? 再生できないから難しいだろうけど、まあ一部のお札はなんとか使えそうだったから、数万くらいかなぁ?
とか思っている間に、トールってやつはガラス瓶を持って、こっちにやってきた。
そんな危ないもの持って、何するんだよ。全く。
生前のお前もロクなことしてないだろ?
「殺させはしない。僕がいるかぎりは、ね」
ちょっとだけ、裏技というか、テレポートして相手の瓶を叩いて落とした。
「それに、君が掘り出したもの、良く見た方がいいんじゃない?」
『なん、だと?』
ほらほら、びっくりしてる。
だろーね。
それ、僕が警察にもってっちゃったもん。
僕は大金に慣れてるからいいけど、そうでなかったら、狂ってるところだよ。あ、だから君、死んだのか。なるほどねー。
「そろそろ気づいたらどう? 他の人を巻き込んで、ここまで連れ込んで、道連れにしようなんて、悪趣味にもほどがある」
『五月蝿い、黙れ、黙れっ!!』
っていうか、そんな動きじゃ僕を殺せないってば。
それじゃあ、蚊も殺せないよ?
トールの動きを無駄な動き無しで、余裕を見せつつ避けてみせる。
「そんなんじゃ、僕は殺せないよ?」
『なら、呪ってやる、呪ってやるっ!!』
あ、怒らせちゃった?
けど、好都合。
本当はトールってやつを気絶させて、霊体を引き剥がそうかと思ったけど、勝手に相手から出てくれたよ。
と、そのときだった。
「ラナ君っ!!」
思わず、声の方を見た。
心配そうに、けれど、サナは僕を応援してくれていた。
あーあ、さよなら、幽霊。
これで僕の勝利は確かなものになった。
そんな呪いで……俺を倒せるとでも?
見えない剣で、敵の呪いとやらを切り裂いた。
これで呪いとやらの効力は、ゼロだ。
『なん、だとっ!?』
「もう終わり?」
『なら、お前を取り込んでやるっ!!』
あーあ、更に墓穴掘ってるよ、幽霊。
俺を取り込むのなら、俺以上の力で捻じ込まなきゃ。
まあ、そんな力、あるわけないけどね。
んー、ランクでいうと、Bくらい? まあ、悪くなかったよ?
ほら、跳ね返しちゃった。
「残念だったね。無理みたいだよ?」
『どうして、どうして、どうしてだっ!!』
と、幽霊はその視線を俺から、彼女……サナへと移した。
『お前が無理なら、そこにいる女からっ!! 第一、お前が良い匂いを発しているから、連れてきたんだ。お前を取り込んで力を得てやるっ!!』
………。
今、何て言った?
あまり突拍子もないことだったんで、把握に一瞬の時間を要した。
「サナを取り込むだって?」
体が熱くなる。
きっと、幽霊を睨むと、すぐさまサナの周りに見えないシールドを張った。あの幽霊には突破できない強固なシールド。
「俺より先にサナを手に入れるだって? 百万光年早い、下種が」
立ち上がり、俺は内なる力を徐々に解放していく。
「穏便に済ませようと思ったのに」
そして、最後の『スイッチ』に俺は手をかけた。
「……失せろ。お前にもう用はない」
その場に閃光が放たれた。
……いやその、なんていうかさ。
やり過ぎたって思ってるよ?
みんな、気絶しちゃったし。うん。
あ、さっきの幽霊、パワーの割には、すげえ、不味かったです。
はあ、サナがいるから癒されてるけど。
それがなかったら、今頃、吐いてたかも。
まあ、お陰でー、彼らの記憶をこうして、ちょっと改竄しちゃってます。
つーかさ、こういう嫌な記憶、ある方が可哀想って言うか。
サナの友人じゃなければ、こんなサービスしてないってば。
こんなのやったって、親父に言ったら、殺されそー、言わないけどさ。
さてっと、サナの分も終わったし、これで良し。
ふう、せっかく吸収した分の力、あんまり残ってないよ。
また後で、どこかの霊を吸収しないと。
でも、それよりもまずは。
「でもよかった、みんな無事で。もう少し声をかけて、起きなかったら救急車を呼ぶトコだったよ」
彼らを起こして、先ほどのことをなかったことにした。
あっと! せっかく仲良くなったんだから。
「良かったら、ここに連絡してくれると嬉しいな、サナ」
あ、やっべー、まだ名前聞いてなかったっけ?
でも、気にしてないみたいだから、ま、いっか。
だって、これから君との楽しい時間が待ってるんだから、さ。
確か、この地底湖にも女の霊がいたっけ?
あ、今は居ないみたい。僕が来たから、逃げてるな、きっと。
おっと、今はトールについてた霊をなんとかするのが先か?
そうそう、この地底湖でさ。
実は前に面白い物を見つけていた。
オンボロの鞄。
その中にたくさんの札束が入ってた。
けど、残念ながら、ボロボロすぎて、使い物にはならなかったんだけどね。一応、警察には出しておいたけど、あれじゃあ判別できないって。
僕でもない限りね。
いや、綺麗に元通りにしてもいいんだけど……なんか面倒くさそうだし、そんなに金あっても、ていうか、僕の家、資産家ってカンジ?
だから、金に苦労してないから、お任せー。
どうせ、着服とかしちゃってるんじゃないの? 再生できないから難しいだろうけど、まあ一部のお札はなんとか使えそうだったから、数万くらいかなぁ?
とか思っている間に、トールってやつはガラス瓶を持って、こっちにやってきた。
そんな危ないもの持って、何するんだよ。全く。
生前のお前もロクなことしてないだろ?
「殺させはしない。僕がいるかぎりは、ね」
ちょっとだけ、裏技というか、テレポートして相手の瓶を叩いて落とした。
「それに、君が掘り出したもの、良く見た方がいいんじゃない?」
『なん、だと?』
ほらほら、びっくりしてる。
だろーね。
それ、僕が警察にもってっちゃったもん。
僕は大金に慣れてるからいいけど、そうでなかったら、狂ってるところだよ。あ、だから君、死んだのか。なるほどねー。
「そろそろ気づいたらどう? 他の人を巻き込んで、ここまで連れ込んで、道連れにしようなんて、悪趣味にもほどがある」
『五月蝿い、黙れ、黙れっ!!』
っていうか、そんな動きじゃ僕を殺せないってば。
それじゃあ、蚊も殺せないよ?
トールの動きを無駄な動き無しで、余裕を見せつつ避けてみせる。
「そんなんじゃ、僕は殺せないよ?」
『なら、呪ってやる、呪ってやるっ!!』
あ、怒らせちゃった?
けど、好都合。
本当はトールってやつを気絶させて、霊体を引き剥がそうかと思ったけど、勝手に相手から出てくれたよ。
と、そのときだった。
「ラナ君っ!!」
思わず、声の方を見た。
心配そうに、けれど、サナは僕を応援してくれていた。
あーあ、さよなら、幽霊。
これで僕の勝利は確かなものになった。
そんな呪いで……俺を倒せるとでも?
見えない剣で、敵の呪いとやらを切り裂いた。
これで呪いとやらの効力は、ゼロだ。
『なん、だとっ!?』
「もう終わり?」
『なら、お前を取り込んでやるっ!!』
あーあ、更に墓穴掘ってるよ、幽霊。
俺を取り込むのなら、俺以上の力で捻じ込まなきゃ。
まあ、そんな力、あるわけないけどね。
んー、ランクでいうと、Bくらい? まあ、悪くなかったよ?
ほら、跳ね返しちゃった。
「残念だったね。無理みたいだよ?」
『どうして、どうして、どうしてだっ!!』
と、幽霊はその視線を俺から、彼女……サナへと移した。
『お前が無理なら、そこにいる女からっ!! 第一、お前が良い匂いを発しているから、連れてきたんだ。お前を取り込んで力を得てやるっ!!』
………。
今、何て言った?
あまり突拍子もないことだったんで、把握に一瞬の時間を要した。
「サナを取り込むだって?」
体が熱くなる。
きっと、幽霊を睨むと、すぐさまサナの周りに見えないシールドを張った。あの幽霊には突破できない強固なシールド。
「俺より先にサナを手に入れるだって? 百万光年早い、下種が」
立ち上がり、俺は内なる力を徐々に解放していく。
「穏便に済ませようと思ったのに」
そして、最後の『スイッチ』に俺は手をかけた。
「……失せろ。お前にもう用はない」
その場に閃光が放たれた。
……いやその、なんていうかさ。
やり過ぎたって思ってるよ?
みんな、気絶しちゃったし。うん。
あ、さっきの幽霊、パワーの割には、すげえ、不味かったです。
はあ、サナがいるから癒されてるけど。
それがなかったら、今頃、吐いてたかも。
まあ、お陰でー、彼らの記憶をこうして、ちょっと改竄しちゃってます。
つーかさ、こういう嫌な記憶、ある方が可哀想って言うか。
サナの友人じゃなければ、こんなサービスしてないってば。
こんなのやったって、親父に言ったら、殺されそー、言わないけどさ。
さてっと、サナの分も終わったし、これで良し。
ふう、せっかく吸収した分の力、あんまり残ってないよ。
また後で、どこかの霊を吸収しないと。
でも、それよりもまずは。
「でもよかった、みんな無事で。もう少し声をかけて、起きなかったら救急車を呼ぶトコだったよ」
彼らを起こして、先ほどのことをなかったことにした。
あっと! せっかく仲良くなったんだから。
「良かったら、ここに連絡してくれると嬉しいな、サナ」
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