ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~
SAVE6 ドラゴンさんに暴走発動!!
前回までのあらすじ。
さっそくレベルアップのために、ハイシシ森へ来た私たち。
薬草を求めて、森の奥へ向かっていたら……落とし穴に入って、さあ大変!!
そ、それに…………大きな岩だと思っていたら、それは大きなドラゴンさんでした。
ちゃんちゃん♪ じゃなくって、これって、これって、ひっじょーーーーに、ヤバイんですが!!?
ま、まずは落ち着こう。
そう、おさらいしましょう。折角だから。
サナこと私には、隠しスキルがある。
それが、『竜の姫』。
ドラゴンさんにとっても好かれるスキル、らしい。お陰でハーフドラゴンの魔王さんに殺されずにすみました。
けど。
けどねっ!!?
相手が喋らなさそうな、ドラゴンさんの場合は、どうしたらいいんでしょーーか!!?
『シギャアアアー!!』
「無理無理無理ーーーー!!」
逃げようとしても、足がすくんで、なかなか思うようにいかない。
って、もしかして、これって、『逃げられなかった』ってやつですか!?
こんなときに、そんなの知りたくなかったっ!!
危険な香りがギュンギュンします。やばいです。
例えるならば、あと数秒で変身が解ける巨大ヒーローのカラータイマーみたいな?
落ちていったら、ロープが付いていませんでした、バンジージャンプ?
がすっ!!
鈍い音して、体が吹っ飛び、洞窟の壁にめり込んだ。
痛いってもんじゃない、気絶するかと思うくらい、強烈な一撃がわき腹を殴りつけた。
いや、違う。
正しいのは、ドラゴンがその尾で、私のわき腹を薙ぎ払ったのだ。
それで、吹っ飛ばされた私は、洞窟の壁にぶつかった。
っていうか、気絶したかったよっ!!
痛みのせいか、倒れられなかったしっ!!
よくよくみたら、私のステータス画面の枠が真っ赤に点滅してます。
HPもたったの1だしっ!!
もうもう、これって絶望的……。
私、死んじゃったらどうなるんだろ?
またあのファーストレインの町に戻されちゃうのかな?
ごめんね、皆、またお手数おかけします。
……。
………。
ゆっくりと、スローモーションを見ているかのように、ドラゴンがゆっくり近づいてくる。
涙が、零れた。
やっぱり……やっぱり、ダメっ!!
ここで死にたくないよぉ……。
「助けて、ラナ君っ!!」
ボロボロの体で、声だけ張り上げた。
「危ない、サナっ!!」
瞳を閉じて、ドラゴンからの攻撃の衝撃を……あれ?
『キシャアア!!』
ドラゴンさんがまだ居て。
「大丈夫? サナ」
ラナ君が駆けつけてくれた。まるで、王子様のようだった。いや、顔は本当に王子様だから、思わず頬を染めちゃったけど。
「ラナ君……こ、怖かった……」
ラナ君が、助けてくれたんだ。背中を向けて、私を抱きしめて、盾になってくれたのだ。
しゃくりあげながら、私は泣いていた。幼い子供のように泣きじゃくりながら。
「もう大丈夫、大丈夫だから」
優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。その間にラナ君は、私に向けて回復魔法をかけてくれた。
たった1しかなかったHPが、すぐに満タンになった。
「でも、ラナ君、背中……」
「ああこれ? 平気だよ、かすり傷だから」
ちらりと見えたラナ君のステータス。かなり鋭そうな爪。なんかしゃっきーんってすっごい良い音聞こえたんだけど、えっと、3だけ? 減ったの3ですか? 私、尻尾の攻撃で、根こそぎHP奪われたんですけどっ!?
「で、サナを泣かせたのって、あのドラゴン?」
「え、ああ、うん」
「そう」
急に、何故か、空気が凍りついた。
嵐の前の静けさってやつだろうか?
あ、あれ? ら、ラナ君、怒ってる?
ぷち。
あっ!!
不吉な音が聞こえた。
「へえ、俺の可愛いサナを、あんな風にするなんて、良い度胸じゃないか?」
ラナ君はツインソードを鞘から引き抜いた。
あれ? ちょっと華奢な剣だったと思ったんですけど………そのデッカイ剣はなんですかぁ!!??
その二本の剣を一つに合体させて、おっきくて、格好いいグレードソードを作り出した。
……あれ? ラナ君、今、『俺』って??
そ、そういえば……何かスイッチ入ったら目覚める、隠しスキル発動ですか!!?
「たかがレベル38のラウンドドラゴンの分際で」
大地を踏みしめ、構える。
「可愛い可愛い竜の姫だからって」
剣に光が集まってくる。その光が凝縮して……。
「こんなことが許されるなんて」
すうっとそのオッドアイの瞳を細めた。充分、威圧的で迫力満点です、ラナ君っ!!
「思うなっ!!」
カッと弾ける閃光!
「デッド・エンド・エターナル・クロス・ブレイダー!!」
なにが起こったのか、よく見えませんでした。
切り刻んでいたような気がしましたが、閃光でよく見えませんでした。
動きもめっちゃ高速だったし。
ただ……その後に残った巨大なクレーターと、ちょっと壊れた(いや、かなり)洞窟の壁が、その威力の凄さを語ってくれてます。
「ふう、良い汗かいた♪」
汗を拭いて、でっかい剣を、いつものツインソードに戻したラナ君が、とても爽やかな顔で振り返った。
「怪我は無い? 悪は滅したよ」
うん、滅したね。容赦なく、跡形もなくね。
「あ、ありがとう」
一応、お礼を言っておこう。そうでないと、私がやられそうだ。
「おーい、二人ともだいじょーぶ?」
「あらあら、凄いことになっちゃってるわね」
「これはアレだな」
「暴走……」
ぞろぞろと、落とし穴の入り口から、みんながやってきた。
「お陰で助かりました」
たぶん、そういうことなんだろう。
その後のことは覚えてません。
あのぶちきりラナ君の怖さが、身にしみちゃって。
けど、クエストはいつの間にか終わっていて。
私はレベル30になりました!!
まだまだ下っ端ですけど。
さっそくレベルアップのために、ハイシシ森へ来た私たち。
薬草を求めて、森の奥へ向かっていたら……落とし穴に入って、さあ大変!!
そ、それに…………大きな岩だと思っていたら、それは大きなドラゴンさんでした。
ちゃんちゃん♪ じゃなくって、これって、これって、ひっじょーーーーに、ヤバイんですが!!?
ま、まずは落ち着こう。
そう、おさらいしましょう。折角だから。
サナこと私には、隠しスキルがある。
それが、『竜の姫』。
ドラゴンさんにとっても好かれるスキル、らしい。お陰でハーフドラゴンの魔王さんに殺されずにすみました。
けど。
けどねっ!!?
相手が喋らなさそうな、ドラゴンさんの場合は、どうしたらいいんでしょーーか!!?
『シギャアアアー!!』
「無理無理無理ーーーー!!」
逃げようとしても、足がすくんで、なかなか思うようにいかない。
って、もしかして、これって、『逃げられなかった』ってやつですか!?
こんなときに、そんなの知りたくなかったっ!!
危険な香りがギュンギュンします。やばいです。
例えるならば、あと数秒で変身が解ける巨大ヒーローのカラータイマーみたいな?
落ちていったら、ロープが付いていませんでした、バンジージャンプ?
がすっ!!
鈍い音して、体が吹っ飛び、洞窟の壁にめり込んだ。
痛いってもんじゃない、気絶するかと思うくらい、強烈な一撃がわき腹を殴りつけた。
いや、違う。
正しいのは、ドラゴンがその尾で、私のわき腹を薙ぎ払ったのだ。
それで、吹っ飛ばされた私は、洞窟の壁にぶつかった。
っていうか、気絶したかったよっ!!
痛みのせいか、倒れられなかったしっ!!
よくよくみたら、私のステータス画面の枠が真っ赤に点滅してます。
HPもたったの1だしっ!!
もうもう、これって絶望的……。
私、死んじゃったらどうなるんだろ?
またあのファーストレインの町に戻されちゃうのかな?
ごめんね、皆、またお手数おかけします。
……。
………。
ゆっくりと、スローモーションを見ているかのように、ドラゴンがゆっくり近づいてくる。
涙が、零れた。
やっぱり……やっぱり、ダメっ!!
ここで死にたくないよぉ……。
「助けて、ラナ君っ!!」
ボロボロの体で、声だけ張り上げた。
「危ない、サナっ!!」
瞳を閉じて、ドラゴンからの攻撃の衝撃を……あれ?
『キシャアア!!』
ドラゴンさんがまだ居て。
「大丈夫? サナ」
ラナ君が駆けつけてくれた。まるで、王子様のようだった。いや、顔は本当に王子様だから、思わず頬を染めちゃったけど。
「ラナ君……こ、怖かった……」
ラナ君が、助けてくれたんだ。背中を向けて、私を抱きしめて、盾になってくれたのだ。
しゃくりあげながら、私は泣いていた。幼い子供のように泣きじゃくりながら。
「もう大丈夫、大丈夫だから」
優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。その間にラナ君は、私に向けて回復魔法をかけてくれた。
たった1しかなかったHPが、すぐに満タンになった。
「でも、ラナ君、背中……」
「ああこれ? 平気だよ、かすり傷だから」
ちらりと見えたラナ君のステータス。かなり鋭そうな爪。なんかしゃっきーんってすっごい良い音聞こえたんだけど、えっと、3だけ? 減ったの3ですか? 私、尻尾の攻撃で、根こそぎHP奪われたんですけどっ!?
「で、サナを泣かせたのって、あのドラゴン?」
「え、ああ、うん」
「そう」
急に、何故か、空気が凍りついた。
嵐の前の静けさってやつだろうか?
あ、あれ? ら、ラナ君、怒ってる?
ぷち。
あっ!!
不吉な音が聞こえた。
「へえ、俺の可愛いサナを、あんな風にするなんて、良い度胸じゃないか?」
ラナ君はツインソードを鞘から引き抜いた。
あれ? ちょっと華奢な剣だったと思ったんですけど………そのデッカイ剣はなんですかぁ!!??
その二本の剣を一つに合体させて、おっきくて、格好いいグレードソードを作り出した。
……あれ? ラナ君、今、『俺』って??
そ、そういえば……何かスイッチ入ったら目覚める、隠しスキル発動ですか!!?
「たかがレベル38のラウンドドラゴンの分際で」
大地を踏みしめ、構える。
「可愛い可愛い竜の姫だからって」
剣に光が集まってくる。その光が凝縮して……。
「こんなことが許されるなんて」
すうっとそのオッドアイの瞳を細めた。充分、威圧的で迫力満点です、ラナ君っ!!
「思うなっ!!」
カッと弾ける閃光!
「デッド・エンド・エターナル・クロス・ブレイダー!!」
なにが起こったのか、よく見えませんでした。
切り刻んでいたような気がしましたが、閃光でよく見えませんでした。
動きもめっちゃ高速だったし。
ただ……その後に残った巨大なクレーターと、ちょっと壊れた(いや、かなり)洞窟の壁が、その威力の凄さを語ってくれてます。
「ふう、良い汗かいた♪」
汗を拭いて、でっかい剣を、いつものツインソードに戻したラナ君が、とても爽やかな顔で振り返った。
「怪我は無い? 悪は滅したよ」
うん、滅したね。容赦なく、跡形もなくね。
「あ、ありがとう」
一応、お礼を言っておこう。そうでないと、私がやられそうだ。
「おーい、二人ともだいじょーぶ?」
「あらあら、凄いことになっちゃってるわね」
「これはアレだな」
「暴走……」
ぞろぞろと、落とし穴の入り口から、みんながやってきた。
「お陰で助かりました」
たぶん、そういうことなんだろう。
その後のことは覚えてません。
あのぶちきりラナ君の怖さが、身にしみちゃって。
けど、クエストはいつの間にか終わっていて。
私はレベル30になりました!!
まだまだ下っ端ですけど。
コメント