Unlimited cross city
2:encounter#1
「っあ"ーー!あ"っづい!!」
うだる暑さの部屋の中、だらしなく椅子に座り、黒いパーカーを着込み、顔の半分を隠すようにフードを被った少女が叫んだ。
「何なんだよこの天気!気温!湿度!
あっづ!怒るぞ!」
 半分キレながら黒パーカーの少女__リウカはスナックの袋に手を伸ばす。
「リ…リウカ、うるさい……。」
その向かいでうずくまるようにノートpcをいじっていた少年が、恐る恐る顔を上げて抗議する
「あ?んじゃルク、お前は暑くねぇの?」
ルクと呼ばれた少年は、右目を眼帯で隠し、体の所々に包帯を巻いている。いかにも怪我人という格好だ。__怪我は一切していないが。
「暑いけどさ…叫ぶと余計暑いと思うよ……」
「マジレスすんな……」
正論を言われて、テンションが下がったリウカは、またスナックの袋に手を伸ばす。
「……あっ!」
「うるさいってば……何?」
「…………菓子がきれた」
___________________________________________
「あー…………あっづ…」
勢いよく「ダッシュで買ってくるっ」と部屋を飛び出したものの、30秒後にはこの様である。気温がどうやら35度を越えたようだった。先程部屋で叫んでいた時が嘘のように暑かった。
「暑い…………あつ、ん?」
前方にこの暑い中、井戸端会議を開いている婦人の集まりが見えた。
「…………頭イカれてんのか……」
巻き込まれたら、死ぬ。一瞬でそう判断したリウカは、俯いて小走りをした。これなら誰も声をかけないだろう。
「あらリウカちゃん!」
無駄だったようだ。
「…………はい?」
「はい?じゃないわよ!こんな暑い日にパーカーにフード被っちゃって!脱ぎなさい!」
「あー、ははは。ええ。後で脱ぎますよ。」
適当に相づちをうちながらジリジリと後ろに下がる。
「あ!そうよそうよ!リウカちゃんに伝えたいことがあって!」
「…………はぁ」
大抵、このように話しかけられた場合どうでもいいことなのだ。
(さて、今日は何かな。隣町のスーパーのセロリの特売か、自分の畑のピーマンが猫に食われたか、それか____
「最近、ここら辺で不審者が出たみたいよ」
「……はぇ?」
うっかり変な返事をしてしまった。いや誰だってそうだろう。いつもどうでもいい事を話してくるおばちゃんが、真面目くさった顔をして真面目なことを話しているのだから。
「嘘じゃないわよ。この暑い中真っ黒なコートを着て、サングラスしてて。それに何か、女の子探してるみたいよ」
「明らかに不審者よね……ロリコン?」
「ちょっとリウカちゃん、気をつけてよぉ」
「何かあったらルクくんとか頼りなさいよ!リウカちゃん可愛いんだから」
「あ!そうそう、かわいいといったらねぇ!うちのみゃあちゃんが……」
「………………………………」
正直まだ驚いていた。こんな平和過ぎて、退屈だった町に、不審者なんて面白い事件が起きるなんて_______
___________________________________________
部屋のドアが壊れんばかりの音をたてて開く
「ルクッッ!!」
「ひああッッ!!」
大きく肩を揺らし驚くルクに詰め寄り、リウカは目を輝かせてこう言った。
「不審者、捕まえるぞ!」
うだる暑さの部屋の中、だらしなく椅子に座り、黒いパーカーを着込み、顔の半分を隠すようにフードを被った少女が叫んだ。
「何なんだよこの天気!気温!湿度!
あっづ!怒るぞ!」
 半分キレながら黒パーカーの少女__リウカはスナックの袋に手を伸ばす。
「リ…リウカ、うるさい……。」
その向かいでうずくまるようにノートpcをいじっていた少年が、恐る恐る顔を上げて抗議する
「あ?んじゃルク、お前は暑くねぇの?」
ルクと呼ばれた少年は、右目を眼帯で隠し、体の所々に包帯を巻いている。いかにも怪我人という格好だ。__怪我は一切していないが。
「暑いけどさ…叫ぶと余計暑いと思うよ……」
「マジレスすんな……」
正論を言われて、テンションが下がったリウカは、またスナックの袋に手を伸ばす。
「……あっ!」
「うるさいってば……何?」
「…………菓子がきれた」
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「あー…………あっづ…」
勢いよく「ダッシュで買ってくるっ」と部屋を飛び出したものの、30秒後にはこの様である。気温がどうやら35度を越えたようだった。先程部屋で叫んでいた時が嘘のように暑かった。
「暑い…………あつ、ん?」
前方にこの暑い中、井戸端会議を開いている婦人の集まりが見えた。
「…………頭イカれてんのか……」
巻き込まれたら、死ぬ。一瞬でそう判断したリウカは、俯いて小走りをした。これなら誰も声をかけないだろう。
「あらリウカちゃん!」
無駄だったようだ。
「…………はい?」
「はい?じゃないわよ!こんな暑い日にパーカーにフード被っちゃって!脱ぎなさい!」
「あー、ははは。ええ。後で脱ぎますよ。」
適当に相づちをうちながらジリジリと後ろに下がる。
「あ!そうよそうよ!リウカちゃんに伝えたいことがあって!」
「…………はぁ」
大抵、このように話しかけられた場合どうでもいいことなのだ。
(さて、今日は何かな。隣町のスーパーのセロリの特売か、自分の畑のピーマンが猫に食われたか、それか____
「最近、ここら辺で不審者が出たみたいよ」
「……はぇ?」
うっかり変な返事をしてしまった。いや誰だってそうだろう。いつもどうでもいい事を話してくるおばちゃんが、真面目くさった顔をして真面目なことを話しているのだから。
「嘘じゃないわよ。この暑い中真っ黒なコートを着て、サングラスしてて。それに何か、女の子探してるみたいよ」
「明らかに不審者よね……ロリコン?」
「ちょっとリウカちゃん、気をつけてよぉ」
「何かあったらルクくんとか頼りなさいよ!リウカちゃん可愛いんだから」
「あ!そうそう、かわいいといったらねぇ!うちのみゃあちゃんが……」
「………………………………」
正直まだ驚いていた。こんな平和過ぎて、退屈だった町に、不審者なんて面白い事件が起きるなんて_______
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部屋のドアが壊れんばかりの音をたてて開く
「ルクッッ!!」
「ひああッッ!!」
大きく肩を揺らし驚くルクに詰め寄り、リウカは目を輝かせてこう言った。
「不審者、捕まえるぞ!」
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