#140文字小説

北西時雨

2018/08/09

万年筆とインクを貰った。初めて持つ物に戸惑いながらも同室の男に習って書いてみる。インクの名前は"月夜"――。群青の暗闇に光沢を混ぜたような、不思議な色合い。これをくれた彼女の髪の色を思い出す。
最初に書く言葉は決まっている。

私の名前はソラ。友人がつけてくれた大切な名前。

コメント

コメントを書く

「文学」の人気作品

書籍化作品