#140文字小説

北西時雨

2017/10/27

僕は、雪から生まれた。そう言われて育ってきた。雪の日に、教会の前で拾った赤ん坊だと。そのせいか僕の体は白々としてずっと冷たいまま。でも、ある女の子が僕を見て言う。「真っ白で、とても綺麗」そして、温かい手で沢山撫でる。やめて、やめて。優しくされたら熔けてしまう。

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