授業で寝ていたらいつの間にか転生しました。―最弱から一瞬で最強になり正直ビビる―

伊月優

第03話 最強になり、ついに洞窟の外へ!

今、暗い洞窟の中を適当に歩いている。出口を見つけられるかは別として、というか不安になってきた。で、最後のお願いをバハムートにする前に俺のステータスを確認してみよう。




種族 龍人  LV MAX+ (LV1000005)


個体名 ユウト・ラグナロク


スキル ・哲人

    ・思考回路増強

    ・再生

    ・放出

    ・吸収ストック

    ・龍神の紋章

    ・未



おや?なんかスキル新しく一つ獲得したけどそれに覚えがない。俺が今さっき入手したのは龍神玉だし……、あとで哲人に解析してもらおう!




『わかりました。スキルを解析いたします。少し時間がかかると思われます。』




とにかくスキルの方はひとまず任せる。で、気にするのはスキル以外にもある。皆さんも思っただろう。

レベルがおかしくなってる。もはやチートだろ。だってレベル百万越えだし、しかもプラスされてるし、

たぶんバハムートのレベルと俺のレベルが足されたんだろう。もっと俺レベル上げとくべきだった!そうすればもっとレベル高くなったかもしれないのに。




後悔しても仕方がない。レベルが上がったのだからもっと素直に喜ぶべきだ。レベルの上がり方が尋常じゃないけど。だって百万だよ?考えられる?

正直俺の頭は混乱してます。もう桁違いすぎて、パねえ。

こういうことってあるのかな?バハムートはなんか知ってる?



「こういうことも異例だ。というかレベルが、MAX+なんて見たことない。お前には常識を覆されることが多いな。」



また偶然が重なり常識を覆してしまった。なんか少しやっちまった感があるな。俺普通の人間なのに……ふとステータスを見てみると、

あれ?龍人になってる。俺さっきまで人間だったのに、俺が想像する龍人ってのは龍の一部分を擬態かして自由自在に操れるみたいな感じなんだけど。

でも見た目はそんなに変わった感じしない。ま、自分の顔とかはどうなってるのかわからないけど。




「ちなみに龍人という種族は希少種中の希少種。ユウト、お前どんだけ俺を驚かせたら気が済むんだ?人間から龍人に進化することはないからな?」




また俺やらかした!龍人にも人って文字が入ってるから人間の特殊進化系なのかとでも思っていた。なんだ……って!

希少種中の希少種だって? 俺はソシャゲで言うウルトラレアみたいなものか! てことは強いんじゃね? 前向きに考えよう。

希少種だからって仲間がいないとは限らない。とにかく最後のお願いをバハムートに聞いてもらおう。




「お、最後の願いを聞くぞ。ユウト。」

「最後の願いは……お前の今持っているスキルを俺に継承してほしい。そのかわり俺は退屈しないような冒険をお前に見せてやるよ。」

「ハッハッハッハッ!そんなことを言われるとは思ってなかったぞ。スキルの継承か。いいぞ。俺のスキルは強いからな。ではユウト、約束は守れよ?」

「ああ。」




バハムートの笑い声が洞窟中に響き渡る。少し耳がキーンとして痛くなってくる。スキルの継承って意外と簡単にできるのか。

さらにスキルはバハムート曰く強いらしい。というか強い。だって燃え尽きるまで消えない炎のスキル持ってんだよ?

明らかにスキルのレベルが違うかわかる。でも俺のスキルも強いと思うんだけどな……




バハムートから聞いた話だがスキル継承には結構時間がかかるらしい。普通なら。でも俺は普通じゃない。あ、でも一般の高校生か。ん? それは昔の話だって?

転生してから一日もたってないような気がするけどそうだね。昔の話だ。で、さっきの話に戻るけど、俺が普通じゃ無いって言うのは思考回路増強を持ってるからだ。

それを常時発動させてるから継承にはそんな時間はかからないと思う。ていうか人間じゃなくなっった時点で普通じゃないけど。




「継承を始めるぞユウト。」




バハムートが継承を始めることを告げる。俺はどんなスキルが手に入るのかわくわくしていた。人間だれでもそうか。俺の場合は、(元)人間か。

新しいものが手に入るとうれしいし、興奮してきちゃうよね。




もう30分は経過したと思う。そろそろ終わりそうかな? って思った瞬間、継承が終わったことをバハムートから直接聞いた。

その5分前に哲人の解析が終了した。気になる龍神の紋章のスキル効果だけど、バハムートの力を俺に埋め込むという力らしい。

それと、その力というのはバハムートの本体の力とスキル「バハムートの牙」の二つの力らしい。




だから、俺はバハムートの本体の力を持っているから「部分擬態化」することが可能である。部分擬態化というのは俺の体にバハムートの翼を生やしたり、尻尾を生やしたりすることができる。。

で、バハムートの牙というのは俺もわからない。バハムートに聞いてみたところ、



「我はこんなスキル持っていた覚えはない。」



と、バハムート自身にも覚えはない。なら、哲人しかないでしょ!って考えて実行したんだけど哲人も解析不能だって……

なら実際に後で使ってみますか!たぶん危険なスキルではないからね。うん。たぶんだけど……



それとバハムートのスキル継承も終わったから確認しよう。どれどれどんなスキルが追加されてるのやら……




種族 龍人  LV MAX+ (LV1000005)


個体名 ユウト・ラグナロク


スキル ・哲人

    ・思考回路増強

    ・再生

    ・放出

    ・吸収ストック

    ・龍神の紋章

    ・黒炎・黒雷

    ・龍眼

    ・超硬化

    ・超威圧




耐性



全状態異常耐性 L 効果 全ての状態以上を無効化する。


超眠り耐性   L 効果 眠り属性の攻撃を受けたとき攻撃を無効化し、代わりにHPをかなり回復する。


風圧耐性    L 効果 風圧を無効化する。




え……なに  なんかスキル獲得の枠超えてるし、勝手に耐性ついた。でも超眠り耐性ってのは俺が授業中寝て転生してたから獲得できたものだと思う。

さっき時間がかかった理由が分かった。スキルの枠を増やしてたのだ。うれしいことだが俺また常識覆した。正直もう自分に呆れてます。

バハムートだって今俺の中でため息をついた。まあ、考えることは同じよ。



あ、そうだ! せっかく新しいスキルを獲得したから常時発動しないと。哲人よろしく。



『はい。新規獲得スキルを常時発動します。成功しました。が、スキル黒炎・黒雷の常時発動には失敗。』



まあ確かにこのスキルたちは常時発動は無理だよな。常に炎と黒雷が発動してたら怖いよね。しかも熱いし。てかバハムート黒雷なんてスキル持ってたんだ。

なんで俺の戦いの時に使わなかったの?




「ZZZ……、ZZZ……」



って!寝てるし!速くない寝るの?もう飽きたのかな?さっき常識を覆すことが何度もあったから疲れたのか?今はそっとしとこう。

でもバハムートのイビキが伝わってくるから少しうるさく感じる。



獲得した中でよくわからないものが皆さんあったと思う。龍眼というスキルだ。さっき哲人に聞いたら相手のスキルやレベル、そして考えていることがわかるらしい。

だから前の俺とバハムートの戦いのときに俺の考えてることがわかったのか。言いスキルだが考えてることがわかるって意外と怖いよ……



よし!大体はスキルのことは把握したから洞窟をまたまた歩いていこう。今まで止まってバハムートや哲人と話してた。

人間界で言ったら変人というやつだな。一人でいろいろとしゃべってるんだもん。




もうスチールスパイダーに襲われたくないから感知のスキルを常時発動しよう。あ、感知のスキルは哲人に含まれてるけどね。

哲人が常時発動してるからそれに含まれてるスキルも自分の思うままに改造的な感じのことができる。




その瞬間、陰からビュ! と何かが飛びだしてきた。俺はさっきと同様素早い動きで攻撃をかわしたが、レベルがMAX+ということもあり自分もついていけないほどの素早い動きであった。

で、飛び出してきたのはもちろんスチールスパイダー。龍と友達になったぜ~って自慢したい。でも、襲ってくるだけか。まあ余計なことは考えない。




早速、スキル黒炎を使ってみる。まずは体を慣らすところから。俺の素早い動きがあれば簡単によけられる。右手をまず構える。

そしてスキルを発動する。すると右手から赤黒い炎が現われる。小説やアニメとかでこういうのは熱いのかな? って思ってたけど何も感じない。



そしてスチールスパイダーをめがけて炎を噴射する。アニメとかで炎の使い方(?)はわかってたのですぐに慣れた。

俺の出した炎はスチールスパイダーを包み込む。あっという間に灰になってしまった。なんか可哀想……



でも硬い体を持ってるはずだ。しかもスチールって名前にあるくらいだから一瞬で灰になるって相当な温度なはずだ。

大体温度はいくつくらいなのかな?




『1000℃くらいだと思われます。温度は調節することが可能です。』



鉄って大体1500℃くらいで溶けるんだよね。でもこれは生物だから溶けないのかな。でも俺の炎がいかに危険なのかが分かった。なるべく草木が生えてるところでは温度を調節しよう。

そうしないと大惨事になっちゃうからね。でも洞窟にいるなら使い放題!外目指さないといけないんだけどね。



とりあえず先へ進む。 すると何か耳を刺激するような音が聞こえる。その音は洞窟の上空から聞こえるような気がしたので上を見上げる。

マジでうるさい。洞窟だから余計に響いてる。でも、これはスチールスパイダーではないと確信したので少しうれしくなる。



この世界であったことがある生き物は、クモと、龍だけなのである。それ以外の生き物も見てみたいと思い始めた。

さすがに見飽きてしまう。だってゲームで言ったら自分と他のキャラ2体しか出てこないんだよ? そんなゲーム需要ないか……



上を見上げるとなんか急に暗くなってきた。よく見ると俺の顔に急接近してるモンスターいるじゃねえか! どんなモンスターなのかわからないのでとりあえず振り払う。

その時偶然炎を手の周りに放ってしまいそのモンスターに当たってしまう。ドサっと洞窟中に音が響きわたる。何の音だ? と思い音がした方向を見る。



するとピクピクしているモンスターが! 暗くてよくわからないので近くに行ってみる。そこにいたのはコウモリであった。片方の羽を失っている。

可哀想って思ったけど俺が片方の羽を燃やしちゃったんだよね。罪悪感に満ちている俺。あ! そうだ、再生を使えばいい。



モンスターに再生の力を使う。でも再生は始まらない。あれ? と思い哲人に聞いてみる。ちなみにバハムートは爆睡している。



『モンスターは上位のものでないと再生は使えません。再生の対象となるのは自分自身と人間、龍人、龍、上位モンスターのみです。』



いくらなんでも厳しすぎだろ! って思ってもこの世界のルールであるから仕方ない。残念だが倒すしかなさそうだ。

何の技を使って倒そうか考える。そして俺はスキル黒雷を使って倒すことにした。本当にごめんなさい……



右手をコウモリに向かって構える。この技も黒炎と同様手の周りに黒い電気が放たれる。何も感じない。

そして黒雷を放つ。ドーン!と雷がコウモリに直撃する。えげつない……俺は思ってもみなかった黒雷の威力に啞然としている。



だって放ったところにくぼみができてんだよ?しかもコウモリは跡形もなく消えちゃったし。コウモリ側から見ればいい迷惑である。

急に片方の羽を燃やされて、そのあとに雷に直撃して跡形もなくなってしまうのだから。



すると天井から鳴き声が聞こえる。さっきと同様耳を刺激するような音である。いや、さっきよりもひどい!

たぶん今のコウモリを倒したことで大群のコウモリの怒りを買ってしまったのだろう。



するとバサバサと次々に俺を狙い突進してきた。痛い、痛い。ま、スキル超硬化持ってるから少ししか痛み感じないんだけどね。

痛くないしこのまま我慢しやり過ごそう。



なかなか痛みは治まらない。というかさっきよりもコウモリの群れ増えてね?今コウモリの襲撃から十分が経過した。

もうめんどくさい。自分が悪いのだけど。こんな大群処理に困るからよくわからないけどバハムートの牙というスキル使ってみるか。



少し発動に戸惑ったけど使う。よし!バハムートの牙発動!



『対象を選んでください。』



と突然の哲人の声。どうやら対象を選ばないと使えないようだ。もうめんどくさいので冗談交じりで直径200メートルの範囲を選択した。すると



『高さを指定してください。』



おい!高さもかい!さっき一緒に言えばよかったのにと思うが、痛いので天井より少し高い範囲で、と言った。

すると地面から魔法陣みたいなのが出現し、黒いモヤがさっき指定した範囲に広がる。そしてその黒いモヤが牙みたいな形になり、その範囲にいるモンスターたちを包んだ。

俺は対象外なので痛みはわからなかったが相当な勢いだったと思う。だって天井崩れてきてるし。岩が落ちてきていて、目にゴミなどが入るのが嫌だったので目をつむる。



もう痛みは感じないのでコウモリの群れはバハムートの牙に食い尽くされたのだろう。そして光が差し込んできたような感じがした。

まぶしい。ん?まぶしい? ここ洞窟のはずじゃ? まさか光を放つモンスターでも来たのか?でも上から光があるような……



恐る恐る目を開けてみると天井が崩れて外がはっきりと見えていた。久しぶりの外に少し興奮していた。前世では学校と家しか行き来してなかったから。

しかも景色なんて見てない。だって歩きスマホしてたもん。でもよかった。俺はここは洞窟の最下層かなって思ってた。だって、龍とかいるところだよ?



俺は部分擬態化を使って背中に羽を生やす。またまた不思議な感じがした。

そして俺は天井をめがけて飛ぶ!そしてついに俺は外に出た。新鮮な空気。晴れた青空。全てが初めてだがなぜか懐かしく思えた。



すると何やら剣を叩き付けている音がした。なんか面白そうだ。俺はひとまずそこを目指し歩くのであった。



やっぱ外っていいね。









コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品