Undead

ごま☆

第1話

いつ、何故でかは分からないが確かに文明は崩壊した。
ここで誤解されたくないのは『崩壊』したのであって、『滅亡』した訳ではないということだ。
人類はまだ滅んではなかった。
ただ、崩壊した物を再建築するのが先か、
ただ、崩壊した物を撤去するのが先かを世界に問いただされていた。







「春眠暁を覚えず」
年老いた村長が昔教えてくれた、昔の文明の言葉。
春は中々寝おけないという意味らしいがそんなことは無い。
今は秋だが俺は中々寝おけない。
建物のすきま風が妙に冷たくお布団から出たくないのだ。
もうとっくに村の集会の時間になっているが俺は布団に丸まった。
お天道様は空の真上に登りきっていた。
いや、もうこれとっくに終わってるな…。
まぁ、いいや。
にしても、背徳感を感じながらの2度寝ってどうしてこんなに気持ちがいいんだ。
体がまるで包み込まれて、浮いていくような温かな感じ…
「あぁ…」
俺はその言葉を最後に意識を失った。


と、思ったその時だった。
「パァンッ」
その甲高くも何処か重々しい発砲音が耳元で囁く。
音の波動は鼓膜に伝わり、次に神経系、そして全身へと伝わる。
ゾゾゾゾゾッと鳥肌が全身から立ち上がる。
おかげで目もパッチリ空いてしまった。

「おはよう、ミノ。今日も黒々しい笑顔が素敵だね。でも、よければ耳元で空砲鳴らすのはやめてね。鼓膜が破れちゃうよ♪」

俺のベッドの横で二丁拳銃を持ち、笑いながら笑っていない彼女は俺の幼馴染でこうして毎朝俺を起こしてくれる優しい娘だ。

「おはようじゃないわよっ!
これで村の集会無断欠席何回目??
テクトが来ないと私も注意されるのよ!!わかってんの!!」

村の集会は満10歳から原則参加で俺は今17歳だから…

「えっと、無断欠席は今までで2675回だな!
あと、私も怒られるって言ったけど俺集会言ったことないから怒られたことないぜ?」

その後、ミノは俺の耳に銃口を突っ込み、空砲を撃ったという。


「あー、耳痛ぇ。」

あの後、ミノが作った朝飯をいただき、 三度寝に洒落こもうと寝室に戻ろうとすると首襟を掴まれ、「冷蔵庫の中ほとんど空っぽだったじゃない!買い出しに行くわよ付いてきなさい。」といわれ渋々着替え家の外に出たのだった。


「しょうがないじゃない、テクトが全然起きないんだもん」

「せめて、集会の前に起こしてくれよ〜」

「起こしたわよ。布団引き剥がして窓全開にしてこれで起きるだろうって思ったら、窓閉めて布団戻して寝てるし…はぁ…」

「え?俺そんな記憶ないぞ??」

「え?」

「え?」

「……買い物の後に、診療所も行くわよ。全く隅に置けないんだから。」

そんなこんなで俺の一日は始まるのだった。

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