引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─
35話 剣術大会決勝戦
剣術大会最終日、決勝戦当日。
今日の試合は決勝の1試合のみということで、闘技場内ではちょっとした催し物があったり、今回の大会の見どころなんかを振り返って解説したりしている。
これを、最終日だけ見に来ても今年の大会の概要がわかる親切仕様と取るか、ただの尺稼ぎと取るかは人それぞれだろう。
まあ個人的にはそのあたりのことは関係なしに、前日の試合から十分に時間が空いた、万全の状態で決勝に挑めるというのは非常に助かる。
「そろそろだな……。」
リーシェとルナと、俺の決勝進出の話を聞いて応援に来てくれたエリザと一緒に観客席でそれを見ていた俺だったが、控え室へ向かう時間が迫って来たため席を立つ。
「ガイスト……頑張ってね。私、全力で応援するから。」
「頼もしいな、リーシェ。俺も全力で挑むからな、しっかりと見ておいてくれ。」
小声で「うん。」と言いながら笑顔で頷くリーシェ。
リーシェが応援してくれてると思うと、やはり安心感があるな。
「ガイストさん、わたし、あの……。」
「こないだの話だろ?言わなくてもわかるぜ。……ルナの応援が必要ないぐらいの戦いを見せてやるからな、期待しといてくれ。」
「……はい!期待、してます!」
そう言ってルナは両手で俺の右手を握った。
ルナの体温とともに、口には出来ずとも確かに伝わって来るものがあったような気がした。
「……んー?これって……まあいいや。ね、ガイスト。決勝勝ったらさ、またあたしと沢山しようね。あれからあたしガイストじゃないと満足出来なくなっちゃったみたいで……だから、責任とって、ね?」
「エリザはまずその誤解を招く表現を改めるところから始めようか……。それはともかく、落ち着いたらまた1戦交えるのも悪くないな。……まあ今は観戦だけで我慢しておいてくれ。」
「やったぁ、約束だよ!あたしも応援してるからさ、頑張ってね!」
相変わらずのエリザだったが、良い意味で肩の力が抜けたな。
やる気も十分、体力も全快で、まさにベストコンディション。
それにしても、応援してくれる連れが女の子3人って、俺もなかなかのハーレムっぷりだな。
いや、まあ別に3人とも俺に恋愛感情とかは全然なさそうだが。
それでも、男としては俄然やる気の出る環境ではある。
本能的にいいとこ見せたいとでも思うんだろうか?
まあ理由はどうあれ、やる気が加算されるのは素直に助かる。
精神的な部分ってのは、最終的に勝敗を分ける大きな要素になり得るものだからな。
なので、こういうのは変に「自分は女に現を抜かすような~」とか言って自分を否定するより、そういうもんだと気軽に受け取っておくのが1番いい。
「それじゃあ、行ってくるぜ。」
そう言って、俺は観客席を後にした。
────
そしてついに、決勝戦が始まる。
俺とリヒトが闘技場へと足を踏み入れた瞬間、大きな歓声が辺りを包み込んだ。
やはり今年の盛り上がりは去年とは比べものにならないな。
「お互い、ちゃんと約束は守れたようで何よりだ。……まあ、俺は初戦でちょっと危なかったけどな。」
少し自嘲気味に笑いながら、俺はそう言った。
「最初の方はね。……でも君は、あの短い試合の間に異様な速度で成長を遂げていただろう?やはり異質だよ、君の強さは。」
やはりリヒトは、エリザへのトドメの一撃がまぐれ当たりじゃないことをしっかり見抜いていたか。
「──だからこそ、本当に楽しみだったよ。この決勝が。」
リヒトは剣を抜き、構えをとる。
「だな。……負ける気はねえ。全力でいくぜ。」
俺もまた剣を抜き、構える。
そして、審判が試合開始の合図を宣言する
「双方、位置について……構え。」
「……それでは、始め!」
今日の試合は決勝の1試合のみということで、闘技場内ではちょっとした催し物があったり、今回の大会の見どころなんかを振り返って解説したりしている。
これを、最終日だけ見に来ても今年の大会の概要がわかる親切仕様と取るか、ただの尺稼ぎと取るかは人それぞれだろう。
まあ個人的にはそのあたりのことは関係なしに、前日の試合から十分に時間が空いた、万全の状態で決勝に挑めるというのは非常に助かる。
「そろそろだな……。」
リーシェとルナと、俺の決勝進出の話を聞いて応援に来てくれたエリザと一緒に観客席でそれを見ていた俺だったが、控え室へ向かう時間が迫って来たため席を立つ。
「ガイスト……頑張ってね。私、全力で応援するから。」
「頼もしいな、リーシェ。俺も全力で挑むからな、しっかりと見ておいてくれ。」
小声で「うん。」と言いながら笑顔で頷くリーシェ。
リーシェが応援してくれてると思うと、やはり安心感があるな。
「ガイストさん、わたし、あの……。」
「こないだの話だろ?言わなくてもわかるぜ。……ルナの応援が必要ないぐらいの戦いを見せてやるからな、期待しといてくれ。」
「……はい!期待、してます!」
そう言ってルナは両手で俺の右手を握った。
ルナの体温とともに、口には出来ずとも確かに伝わって来るものがあったような気がした。
「……んー?これって……まあいいや。ね、ガイスト。決勝勝ったらさ、またあたしと沢山しようね。あれからあたしガイストじゃないと満足出来なくなっちゃったみたいで……だから、責任とって、ね?」
「エリザはまずその誤解を招く表現を改めるところから始めようか……。それはともかく、落ち着いたらまた1戦交えるのも悪くないな。……まあ今は観戦だけで我慢しておいてくれ。」
「やったぁ、約束だよ!あたしも応援してるからさ、頑張ってね!」
相変わらずのエリザだったが、良い意味で肩の力が抜けたな。
やる気も十分、体力も全快で、まさにベストコンディション。
それにしても、応援してくれる連れが女の子3人って、俺もなかなかのハーレムっぷりだな。
いや、まあ別に3人とも俺に恋愛感情とかは全然なさそうだが。
それでも、男としては俄然やる気の出る環境ではある。
本能的にいいとこ見せたいとでも思うんだろうか?
まあ理由はどうあれ、やる気が加算されるのは素直に助かる。
精神的な部分ってのは、最終的に勝敗を分ける大きな要素になり得るものだからな。
なので、こういうのは変に「自分は女に現を抜かすような~」とか言って自分を否定するより、そういうもんだと気軽に受け取っておくのが1番いい。
「それじゃあ、行ってくるぜ。」
そう言って、俺は観客席を後にした。
────
そしてついに、決勝戦が始まる。
俺とリヒトが闘技場へと足を踏み入れた瞬間、大きな歓声が辺りを包み込んだ。
やはり今年の盛り上がりは去年とは比べものにならないな。
「お互い、ちゃんと約束は守れたようで何よりだ。……まあ、俺は初戦でちょっと危なかったけどな。」
少し自嘲気味に笑いながら、俺はそう言った。
「最初の方はね。……でも君は、あの短い試合の間に異様な速度で成長を遂げていただろう?やはり異質だよ、君の強さは。」
やはりリヒトは、エリザへのトドメの一撃がまぐれ当たりじゃないことをしっかり見抜いていたか。
「──だからこそ、本当に楽しみだったよ。この決勝が。」
リヒトは剣を抜き、構えをとる。
「だな。……負ける気はねえ。全力でいくぜ。」
俺もまた剣を抜き、構える。
そして、審判が試合開始の合図を宣言する
「双方、位置について……構え。」
「……それでは、始め!」
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コメント
さんじゅーすい
当初の予想を超えて登場してるので、近々登場人物のとこに載せときます笑
美浜
エリザは相変わらずだなw