引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─
12話 リーシェの恋の心強い味方
「好きな人は、いるわよ。いつからかなんてわかんないけど、いつの間にかそうなってて、それからずっと。……誰かは言わなくてもわかるよね?」
「やっぱり!やっぱりそうなんですね!いいなぁ、幼なじみの恋。お互いのことよくわかってるから、きっと付き合ってもうまくいきそうですよね!いいなぁ、わたしも異性の幼なじみ、欲しかったなぁ……。」
「そうかな……?でも、そうだとしても、ガイストは私のこと家族としてしか見られないから、私に対して恋愛感情は持たないと思う……。」
私は、あの時の、過去のことを思い出して話していた。
幼い私とガイストが交わした約束。ガイストにとって私を家族として決定づけたもの。それは他ならぬ私自身が下した選択だ。
でもあの時はああしなきゃいけなかった。両親を失って、深い絶望の淵にうずくまって心を閉ざしていたガイストに、手を差し伸べたいって心から思った。
涙を拭いて、上を向いて、もう一度笑って欲しいんだって、心から願った。
今のガイストがいるのは全部私のお陰だなんておこがましいこと言うつもりなんてない。
それでも、そのための、ひとかけらのきっかけぐらいにはなれたはずだってことは確信してる。
だからきっと、私はあの時、正しいことが出来たんだって思う。
もし正しいことをした結果、私の恋が成就しなくなったんだとしても、それでも絶対に正しいことが優先されるべきだ。
正しいことのために犠牲が必要だっていうのなら、私は喜んで何だって差し出してみせる。
だから私は後悔なんてしてない。
ただ前を向いて歩き続けて、もしも、本当にもしも、いつかガイストが振り向いてくれることがあったらうれしいなって、ただそう思って今を生きてる。
「人の心なんてちょっとしたきっかけですぐ変わっちゃうし、先のことまではわからないですよ。……わたしは2人のこと、すっごくお似合いだって思います。むしろくっつかなきゃダメだろってレベル。もし2人が付き合ったら、わたしがうれしいから……だから、わたし陰ながらリーシェちゃんの恋、応援してますね。」
こういう言葉は同情とか慰めの類であって、本当に本心からのものじゃない場合が多かったりするものだけど、ルナちゃんが言うとむしろ本心から言ってくれてるとしか思えないのがすごい。
こういうのも一種の才能って言えるのかな?
「……ありがとう、ルナちゃん。そう言ってもらえてほんとに心強いわ。ほんとに……。」
「そんな、わたしなんか何ができるわけでもないし、全然心強くなんか──」
「そんなことないよ、……えい。」
私はルナちゃんの頭を両手でやさしく抱き寄せると、私の胸の中にうずめるようにして抱きしめた。
そういえばルナちゃんにこれやるの初めてだっけ。
「……えへへー。……あ、今のこれされてる時のマーヤちゃんの真似です、伝わりましたか?似てましたか?最初の『え』の発音の特徴を、いかにうまく捉えるかがポイントなんですよね。」
「あはは、結構似てたかも。……なんかありがと。今日はルナちゃんのこと元気づけるつもりだったけど、逆に元気もらっちゃったね。」
「ううん、こっちこそありがとう。わたしも、リーシェちゃんと普段できないようなこと話せて楽しかったし。」
そこまで言ったルナちゃんは、浴槽にもたれかかり、ふぅっとため息をついて再びしんみりと話し始めた。
「……あぁー、恋、かぁー。……わたしも恋、したいなぁ……。」
お風呂場の天井を見ながら、遠い目でルナちゃんはそう言った。
「やっぱり!やっぱりそうなんですね!いいなぁ、幼なじみの恋。お互いのことよくわかってるから、きっと付き合ってもうまくいきそうですよね!いいなぁ、わたしも異性の幼なじみ、欲しかったなぁ……。」
「そうかな……?でも、そうだとしても、ガイストは私のこと家族としてしか見られないから、私に対して恋愛感情は持たないと思う……。」
私は、あの時の、過去のことを思い出して話していた。
幼い私とガイストが交わした約束。ガイストにとって私を家族として決定づけたもの。それは他ならぬ私自身が下した選択だ。
でもあの時はああしなきゃいけなかった。両親を失って、深い絶望の淵にうずくまって心を閉ざしていたガイストに、手を差し伸べたいって心から思った。
涙を拭いて、上を向いて、もう一度笑って欲しいんだって、心から願った。
今のガイストがいるのは全部私のお陰だなんておこがましいこと言うつもりなんてない。
それでも、そのための、ひとかけらのきっかけぐらいにはなれたはずだってことは確信してる。
だからきっと、私はあの時、正しいことが出来たんだって思う。
もし正しいことをした結果、私の恋が成就しなくなったんだとしても、それでも絶対に正しいことが優先されるべきだ。
正しいことのために犠牲が必要だっていうのなら、私は喜んで何だって差し出してみせる。
だから私は後悔なんてしてない。
ただ前を向いて歩き続けて、もしも、本当にもしも、いつかガイストが振り向いてくれることがあったらうれしいなって、ただそう思って今を生きてる。
「人の心なんてちょっとしたきっかけですぐ変わっちゃうし、先のことまではわからないですよ。……わたしは2人のこと、すっごくお似合いだって思います。むしろくっつかなきゃダメだろってレベル。もし2人が付き合ったら、わたしがうれしいから……だから、わたし陰ながらリーシェちゃんの恋、応援してますね。」
こういう言葉は同情とか慰めの類であって、本当に本心からのものじゃない場合が多かったりするものだけど、ルナちゃんが言うとむしろ本心から言ってくれてるとしか思えないのがすごい。
こういうのも一種の才能って言えるのかな?
「……ありがとう、ルナちゃん。そう言ってもらえてほんとに心強いわ。ほんとに……。」
「そんな、わたしなんか何ができるわけでもないし、全然心強くなんか──」
「そんなことないよ、……えい。」
私はルナちゃんの頭を両手でやさしく抱き寄せると、私の胸の中にうずめるようにして抱きしめた。
そういえばルナちゃんにこれやるの初めてだっけ。
「……えへへー。……あ、今のこれされてる時のマーヤちゃんの真似です、伝わりましたか?似てましたか?最初の『え』の発音の特徴を、いかにうまく捉えるかがポイントなんですよね。」
「あはは、結構似てたかも。……なんかありがと。今日はルナちゃんのこと元気づけるつもりだったけど、逆に元気もらっちゃったね。」
「ううん、こっちこそありがとう。わたしも、リーシェちゃんと普段できないようなこと話せて楽しかったし。」
そこまで言ったルナちゃんは、浴槽にもたれかかり、ふぅっとため息をついて再びしんみりと話し始めた。
「……あぁー、恋、かぁー。……わたしも恋、したいなぁ……。」
お風呂場の天井を見ながら、遠い目でルナちゃんはそう言った。
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