引きこもり14歳女子の異世界デビュー ─変わり者いじめられっ子の人リスタート─
1話 拾いものには別に福は無い
「こんなところかな……。」
俺は100体程度の魔物を狩り終え、魔血晶は袋一杯になるまで貯まった。
こいつを町の交換所へ持って行くか、村に寄った商人に売り払えばそれなりの稼ぎにはなる。
最近、魔物の活動が活発になってきているように感じる。
同業者の連中も同じような事を言っていた。
町の耄碌した占い師のばばあは魔王復活の兆しだなどと喚いて真っ昼間から大騒ぎしていたが、流石にそれはどうだろうか。
何でも魔王は100年前に封印されたそうで、くたばったわけじゃないから復活の可能性自体はあるはずなんだが、いかんせん魔王と言われても現実味がまるでない。
なんせ触れ回ってるのが、ことある毎に呪いじゃ祟りじゃとわめき散らすあの胡散臭いばばあじゃ、信憑性も地に落ちるというものだ。
まあだからと言って、若いねーちゃんが必死に訴えかけてたらあっさり信じるのかというと、そういうわけでもないが。
要するに、魔王ネタなんて今の時代じゃ流行らないって話だ。
ともかく、今日は疲れた。
戦果も十分だ。
さっさと帰って風呂と飯にしようと振り返った俺の目に、突如である。
見慣れない服を着た女の子(と言っても歳は大して違わんぐらいか?)の姿が飛び込んで来た。
どうやら倒れて気を失っている様子。
「何だ……さっきまでこんなものいなかったぞ。一体どこから沸いて出た?」
事情はよくわからないが、こんなところで寝ていたら魔物の餌と化して早々にくたばってしまうことは明白だ。
戦闘能力があるようには見えないし、生きながら食われるようなことになれば悲惨極まりない。
更に言えば、人型の魔物の中には人間の女をそっちの意味で襲う奴もいる。
考え始めると、流石にこのまま放ってはおけなくなる。
念のため息があるか確認したところ、やはり死んではいないようだ。
血色はよく外傷も見当たらない。本当に道端で寝ているだけなのか?ありえねぇ。
「おい、起きろ。こんなとこで寝てたら死ぬぞ。」
女の子の頬を軽くぺちぺち叩きながら呼びかけてみるものの、反応が無い。
「疲れてんのか?おーい。」
今度は肩を揺さぶりながら大きめの声で呼びかけるが、やはり反応は無い。
病気などの可能性も疑ってみるものの、それにしては随分と快適にすやすやと寝息を立てているではないか。
「仕方ない、少々面倒だが……。」
諸事情から、似たようなことはいつものように経験している。
起こしても起きない女の子に、俺は何か腐れ縁でもあるのか。
俺は女の子を抱き上げると、そのまま背中に回しておんぶした。
ここに長時間とどまれば魔物が匂いを嗅ぎつけて集まってくるかも知れない。
かと言って、このまま見捨てて置いていくのも寝覚めが悪い。
女の子が小柄でやや痩せた体格なのは幸いだが、それでも数十キロはあるだろう重しを背負って村まで帰るのは相当に骨が折れそうだ。
そもそも俺は魔物退治を終えたばかりで非常に疲れている。
途中で女の子が目覚めることを期待しつつ、俺は村へ向かって重い一歩を踏み出した。
俺は100体程度の魔物を狩り終え、魔血晶は袋一杯になるまで貯まった。
こいつを町の交換所へ持って行くか、村に寄った商人に売り払えばそれなりの稼ぎにはなる。
最近、魔物の活動が活発になってきているように感じる。
同業者の連中も同じような事を言っていた。
町の耄碌した占い師のばばあは魔王復活の兆しだなどと喚いて真っ昼間から大騒ぎしていたが、流石にそれはどうだろうか。
何でも魔王は100年前に封印されたそうで、くたばったわけじゃないから復活の可能性自体はあるはずなんだが、いかんせん魔王と言われても現実味がまるでない。
なんせ触れ回ってるのが、ことある毎に呪いじゃ祟りじゃとわめき散らすあの胡散臭いばばあじゃ、信憑性も地に落ちるというものだ。
まあだからと言って、若いねーちゃんが必死に訴えかけてたらあっさり信じるのかというと、そういうわけでもないが。
要するに、魔王ネタなんて今の時代じゃ流行らないって話だ。
ともかく、今日は疲れた。
戦果も十分だ。
さっさと帰って風呂と飯にしようと振り返った俺の目に、突如である。
見慣れない服を着た女の子(と言っても歳は大して違わんぐらいか?)の姿が飛び込んで来た。
どうやら倒れて気を失っている様子。
「何だ……さっきまでこんなものいなかったぞ。一体どこから沸いて出た?」
事情はよくわからないが、こんなところで寝ていたら魔物の餌と化して早々にくたばってしまうことは明白だ。
戦闘能力があるようには見えないし、生きながら食われるようなことになれば悲惨極まりない。
更に言えば、人型の魔物の中には人間の女をそっちの意味で襲う奴もいる。
考え始めると、流石にこのまま放ってはおけなくなる。
念のため息があるか確認したところ、やはり死んではいないようだ。
血色はよく外傷も見当たらない。本当に道端で寝ているだけなのか?ありえねぇ。
「おい、起きろ。こんなとこで寝てたら死ぬぞ。」
女の子の頬を軽くぺちぺち叩きながら呼びかけてみるものの、反応が無い。
「疲れてんのか?おーい。」
今度は肩を揺さぶりながら大きめの声で呼びかけるが、やはり反応は無い。
病気などの可能性も疑ってみるものの、それにしては随分と快適にすやすやと寝息を立てているではないか。
「仕方ない、少々面倒だが……。」
諸事情から、似たようなことはいつものように経験している。
起こしても起きない女の子に、俺は何か腐れ縁でもあるのか。
俺は女の子を抱き上げると、そのまま背中に回しておんぶした。
ここに長時間とどまれば魔物が匂いを嗅ぎつけて集まってくるかも知れない。
かと言って、このまま見捨てて置いていくのも寝覚めが悪い。
女の子が小柄でやや痩せた体格なのは幸いだが、それでも数十キロはあるだろう重しを背負って村まで帰るのは相当に骨が折れそうだ。
そもそも俺は魔物退治を終えたばかりで非常に疲れている。
途中で女の子が目覚めることを期待しつつ、俺は村へ向かって重い一歩を踏み出した。
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