人間として転生した元創造神〜テンプレ通り、人生という名のストーリーを急ピッチで進めていく〜

ぱんれお

20話~エルフ




 俺は今、エルフの村で、エルフの村人たちに拘束されている。

 「俺の娘に何しようとしたてめぇ」

 そう言ってさっきのエルフの父親らしきエルフが、俺の顔面を蹴る。

 「…俺は……何も………」

 「誤魔化すんじゃねぇ!どうせてめぇも賊なんだろ?」

 「…賊……?」

 なるほど…そういうことか……

 「てめぇら人間のせいで、どれだけ多くの仲間を失ったか…」

 「いや…だから俺は……」

 「るせぇ!」

 「…ちっ……」

 「あ?てめぇ今舌打ちしたな?」

 「愚かなエルフ共よ…貴様らは我が国の全勢力を持って殺す」

 「あ?我が国だぁ?お前みたいなガキのために国が動いてくれるかよ」

 
 こういう時に、兵士には感謝しないとな…



 「こう様…せめて、この魔石をお持ちください」

 「魔石?」

 「はい、魔石にも色々と種類がございますが、こちらの魔石は、同種族を1万召喚できるのです」

 「ほぉ?」

 召喚しすぎな気もするが…

 「どうぞお気をつけて」



 まあ、そんなことがあったお陰で、兵士1万を召喚できるのだが…

 肝心の使い方がわからん。

 「なあ…エルフよ…」

 「あ?」

 「魔石って使えるか?」

 「馬鹿にしてんのかてめぇ」

 「いや、エルフって高貴だとか聞いてたから、魔石なんかに頼らないと思ってたからさ」

 「あ?魔石は生存率あげるための重要なアイテムなんだから使うに決まってんだろ?心の中で念じるだけで使えるんだから使い勝手もいいしな」

 「へぇー」

 うん、思ってたよりも簡単に聞き出せた。

 念じる…か……


 兵士1万を召喚!……これでいいのかな?


 瞬時、複雑かつ巨大な魔法陣が起動し、大量の兵士が召喚される。

 「んな馬鹿な…」

 呆気にとられるエルフたち。

 「こう様!なぜこんなにボロボロに」

 そう言って俺の拘束を解いたあと、兵士1万が全員エルフに目を向ける。

 「こう様をこんなに酷い有様にしたのはどこのどいつだ!」

 1人の兵士が大声で問う。

 エルフたちはざわつき、俺を蹴飛ばしていた男が押し出されて前に出てきた。

 「あ……あ………」
 
 あまりに驚きすぎて、まともに声さえ出せていない。

 「お前らエルフは、自分を高貴だと思い込み、他種族を見下す…クズはクズらしく」

 「言いすぎだ!」

 俺のために怒ってくれていた兵士に対し、何故か怒りの感情が湧いてきて、怒鳴ってしまった。

 「こう…様……?」

 「…人間の賊が頻繁にエルフをさらってる今、こんな扱いを受けるのは当然だろう。賊を見つけれていないこちらのせいでもある」

 そうそうエルフが人間に誘拐されている中、人間が女に覆いかぶさっていたら、そりゃ誤解するだろう。うん、俺らのせいと言うより、俺のせいだな…

 「し、しかし」

 「黙れ」

 「申し訳ございません!」

 エルフたちは唖然としていた。




 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。とうとう、書き置きが無くなってしまいました…ですが、毎日投稿は頑張っていきたいと思います。
 次話もぜひ読んでくださいね。

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