学園内の最低ランクの学生がこの世の悪を成敗するそうです。(仮)

怪盗80

第22話:仲間を守る覚悟

「おーい、さっさと撮影会の準備しろよ!」

カイトがジェームズのコーヒーショップで身を潜めてから一週間後…。
学園都市工場跡地にて複数人の学園生が一人の学園生を柱に縛ってカメラなどの準備をしていた。

「じゅ、純也…本当に大丈夫かよ…?」

おどおどしながらカメラを準備する学園生が一人、斎藤純也に質問をしていた。

「あ?何が?」

「い、いや…なんでもない…でも、こんな事してたらいつか生徒会に見つかるんじゃ…」

「安心しろよ、俺たちにはこれがあるんだぜ?これさえあれば生徒会なんて心配いらねぇ!だからお前は安心していろよ」

斎藤純也は自分の人差し指にはまっている指輪を周りに見せつけて同意を求める。
その同意に合わせて周りの仲間も同意を示すかのように指輪をはめた指を高々とあげる。

「お前…なんでこんなに変わっちまったんだよ…」

「何も変わってないぞ?ただ俺たちは…」

「…純也のバカ野郎…もう俺は関わらないからな!」

「おい!何言って…チッ…まぁ、いい、さっさと始めんぞ!」

静かに黙々と準備を進めている純也達とは逆に捕まって拘束されている学園生の殆どは怯えていたが…。

「なぁ…なんでこんな事になってんの…?」

「ん?いや〜僕にも少し分からないなぁ」

縄で縛られている学園生の中に呆れ顔でヘンテコな変装をさせられているカイトと笑っているボロボロの冷斗が捕まっていた。
この現状になった理由は数十分前…。


「なぁ…本当にここなのか?」

「カイトさんが殴って聞いていましたよね?多分大丈夫ですよ」

この前に殴りに殴って情報を得たカイトと鈴木はその本拠地に行ってどんな位かと思い確認したのだが…。

「あのよ…。なんでこんな格好をしなきゃいけないんだ?」

「変装しないとダメですよ!全く…カイトさんはそうゆう所がいけないんです!!」

変装させられたカイトは伊達眼鏡をかけられ胡散臭い髭を付けていかにも変人と言える格好をさせられていた。

「おい…説教はまた後だ…誰かが来た…」

「だから、…だって…絶…にここにい…から」

草陰からそっと顔を出して様子を確認するとそこには、片手にスマートフォンを持って冷斗がこちらへと向かって走ってきた。
あいつは何をしているのかと思いながら観察をしていると冷斗はこちらに気がついて俺たち二人の草陰に手を振りながら走ってくる冷斗に嫌な予感をしながら見守る。

「おーい!カイトくーん」

「おいおいおい、何してんだお前は!!!」

走っている冷斗の後から大勢の学園生が冷斗を追っかけてこちらへと走ってきた。
冷斗はカイトの場所を大声で叫びながら走り、それに釣られてカイトも冷斗と一緒に走って逃げた。

「やぁ、カイトくん♪こんな所で奇遇だね♪」

「お前の顔に一発拳を入れていいか?いいよな?」

「駄目に決まってるでしょ!」

「「「おいゴラァ!!このクソ野郎がぁ!!」」」

「お前、何やった…」

「僕はただ…あの写真の人達を見つけたから…」

「…おし…じゃあな…後は頼んだ」

「ちょ!カイトくん!?」

すぐさま冷斗を囮にするかの様に横の道に逃げていこうとするが冷斗がそれを許す訳がなく。
逃げようとするカイトの背中に飛び混んで無理矢理カイトに乗ろうとする冷斗を振り落とそうと動き回るカイト。

「逃げるなら僕も連れてけー!」

「そんな事言っている場合じゃ…」

「「あっ…」」

周りにはさっき追っかけていた学園生と先回りしていた学園生達にカイトと冷斗は囲まれていた。
そして、今の現状になっていた。

「元はと言えば…お前がこんな危ない所に来なければ…」

「元はと言えば…カイトくんがこんな場所にいるから…」

「「ん?」」

二人とも会話をハモらせながら話をする場面は周りから見てみれば仲良く茶番をしている様に見えていた。

「あー…さっそくこいつから始めるかぁ…」

写真の学園生もとい純也が一人の女子を引きずりながら工場の真ん中にある柱に縛り付けて撮影を撮り始めた。

「てか、言ったのになんでこんな所にいるんだよ!」

「いやー、なんか行きたくなってきちゃって♪」

「そんな理由かよ!てか、こんな場所でこんな撮影してて面白いのか?俺にはよくわからん」

「仕方がないよ、こうゆう行為でしかストレス発散できないんだから」

「そこの男二人さっきからうっさいわ!!てか、なんでそんな気楽に話し合ってんの!?」

指輪をしていない学園生が捕まっている俺たち二人にツッコミを入れながら黙らせる為にカイトを動かそうとするが…。

「あー…すっげえ眠い…ねぇ、寝ていい?」

「いや、この状況で寝れるのかよ!」

「だってさ…俺が働かなくても大丈夫そうだし」

「えっ?」

そう言うと、後ろで縄を解かれていた冷斗が立ち上がり腰に装着していた拳銃1丁をトリガーを引きながら周りの学園生数十人の身体を正確に撃ち抜いた。

「おい!てめぇら何しやがった!」

撃たれるのを回避した学園生が目を白黒させながら恫喝する。

「麻酔銃だから安心していいよ、ただ眠るだけだからね。でもカイトくんがあんな茶番に付き合ってくれるなんて驚いたなぁ♪」

「馬鹿言え、こんな状況だから仕方がなくしただけだ」

「あはは、素直じゃないなぁ…」

いつもと同じように笑いながら拳銃をくるくると回してガンマンのように突き出す冷斗と縄を鎖で切り裂いて立ち上がるカイトの二人が残りの学園生達に向けて指と拳銃を指して高々と宣言した。

「「今からてめぇら(君たち)をぶっ飛ばす!!」」


「てか、ぶっ飛ばすとか言っていいの?一応生徒会長だろ?」

「んー…まぁ、大丈夫でしょここにいる人達全員に口止めしとけば…」

「何話してんだよ!!オラァ!!」

周りにいた学園生達が高々と宣言したカイトと冷斗に鉄パイプや木刀を装備し雪崩れていくように走り出す。
装備した鉄パイプや木刀でカイト達に攻撃を仕掛けるがやはり実力の差がありすぎた。
二人の周りに近づいた学園生は次々と後方へと吹っ飛ばされていく。
それでも前に進んでくる学園生にはカイトの拳や蹴りが流れるように襲いかかってくる学園生に撃ち込まれていった。
突然の事で目を白黒させている学園生に目を向けながらさっきの話の続きを話しかけた。

「おいそれ、俺も含まれてんぞ!!」

「あー、ごめんごめんも♪5割くらいの戦力が削れたから許して♪」

「そのほとんどをやったのが俺だけどな!!」

ぶっ飛ばされた学園生を見て冷汗をかく残った学園生達はカイトが一歩足を踏み出すと後ろへ後退りをし始めた。
それを見た純也は周りの学園生に怯えるななどと指示をするがそう簡単に恐怖を消す事は出来ず。

「お、おい…もしかして…コイツらがペアバトル大会の決勝で激しい戦闘を繰り広げたとかの噂の二人なんじゃ…」

「そ、そんな事あるわけ…」

集まっていた集団の中にいた学園生一人がボソッと呟くととんでもない奴に手を出したと言う恐怖が集団に広がっていく。

「あー、そんな事もあったね♪そうだ、今から倒した人の数で勝負しない?そうすれば一石二鳥でしょ?」

自分の指を鳴らしながらニコニコと笑う冷斗に捕まっている学園生ですら恐怖を覚えた。

「誰がやるか!全く…とりあえず、ここにいる奴で指輪をはめている奴は指輪を外して降伏すれば俺達は危害を加えない、そして処罰の方でも軽くしてやるから」

やれやれといったような顔で冷斗の提案を蹴ると周りにいた学園生に話をした。
恐怖していた学園生は次々と指輪を外していき自分の足で踏みつけて壊していった。
粗悪品だったのか踏んだらすぐに壊れてしまった。

「お、おい…何やってんだよ…この指輪が無いと俺達は…」

「んな事知るかよ!ここで反抗したら命すら取られる勢いだぞ!俺達はもう帰る!」

「だ、駄目だ…俺の…俺の国が…」

頭を抱えて膝をコンクリートの地面の上に落とすと何故か笑いながらブツブツと呟いていた。
次々と周りでは指輪を足で踏み潰して壊している学園生達はすぐさま自分の寮へと帰ったのだろう。

「さぁ、斎藤純也…その指輪を外して壊せ」

「な、なんでなんだよ…」

「…?」

警告に応じない純也は膝をついた冷たいコンクリートの地面から立ち上がりながら呟くように口を開いた。

「なんで、俺はこんな所に…てか、あの銀髪は…」

膝を落とした純也の指輪の宝石が粉々に砕け散った。

「冷斗…何か嫌な予感がする…」

「奇遇だね、僕もだよ」

突然の純也の行動に不信感を持ったカイトは冷斗と背中を合わせて死角を無くす。

「あーあ…精神崩壊回路が壊れたのかな…それにしてもカ〜イ〜ト〜…」

工場の古ぼけた階段をカンカンと一歩ずつ踏み出して降りてくる音を鳴らしながら地面に降りたのは綺麗な銀髪を掻き上げながらカイトに笑顔で話しかける燐がいた。

「殺 し 合 い し よ ? 」

「冷斗!!そいつを安全な場所に!!」

心刀を構えて接近する燐を黒鎖の手袋で鎖を操り燐自体を縛りあげようとするが縛ろうとした鎖全てが振り落とされながら純也を移動させている冷斗の方へと向かっていく。

「あはは♪二人共バイバーイ♪」

振り上げた心刀を冷斗と純也に向けて振り落とそうとするが一瞬の隙を突いて燐の体に鎖を縛り付けてこちら側へと異能で強化して引っ張った。
(斬りつけられる前に冷斗達から離せた事は大きい…このまま時間を稼ぎながらコイツの動きを封じる!!)
黒鎖の手袋を軽く引っ張って調子を整えると燐は再び斬りつけようと動き始めた。

「ねぇ、なんで斬られてくれないの!こんなに!!殺したいのにさぁ!!」

「殺されるって知ってて殺されるなんてまっぴらごめんだ!!」

刀の間合いに入られる前に溝うちに容赦なく異能で強化した蹴りを蹴り込み後ろに仰け反った燐に鎖を操り縛る。
反撃の隙を与える前に鎖で引き寄せて上段蹴りを蹴り込み地面に落ちる前に追撃の拳をおもいっきり下に向けて叩き込み、起き上がろうとした時に回し蹴りを蹴り込んだ。
拳を叩き込まれた燐は工場の入り口の方まで飛んでいった。
連続した攻撃をしても刀を離さず吐血をする燐、最後に抵抗できない様にトドメを刺そうとあと1、2mの燐の方に歩き出す。

「カイト!!?この状況どうゆう事…あっ…この人怪我を…」

「…(ニヤッ)」

「馬鹿野郎!そいつに近づくんじゃねぇ!!」

いち早く気づいたカイトは常時発動させてある異能で燐の方に走り出してアリスにかさばった。

「あはは♪これで終わり♪」
(スッ…)

「うぐっ…」

音もなく背中から横腹に注射器の中にある液体を全て打ち込むと注射器を一気に引き抜いた。

「あっ…身体が思うように…動、かな…」

横腹を抑えながら立ち上がろうとしても地面に身体を落としてしまうカイトの身体を支える

「か、カイト…わ、私の…私のせいで…」

「アリスちゃん!!どうした…の…」

入り口から走って来たユリは倒れ込んでいるカイトの様子を見て絶句した。

「あはは…カイト♪さっき打ったのはアイツが開発した新型の毒物の感想を聞かせてよ♪あと、解毒剤はこれね♪」

解毒剤を取り出した燐に向かって獅子奮迅のごとく走り出した。
アリスはカイトの様子を見ながら慌てているのを気にせず、自身のアタッシュケースを燐の目の前に投げて空中に飛び散る双剣を握り締めて燐に斬りかかる。

「くそっ…やられたな…」

「カイト…」

「なぁ…アリス…今あの古代武装は持ってきているみたいだな…」

「それより…も…」

ふと背負っていた弓を見るといつも同じ何も変化がなかった。

「大丈夫だ…いつものアリスならやれる…だけど…それだけの覚悟…持っているならな…」

いかにも死亡フラグ的な言葉を発しながら眠りにつくとアリスはゆっくり袋から天穿つ豪弓を取り出した。

「ねぇ、応えてよ…」

全くの反応を見せない弓を見ながら問いかける。
だが、なんの変化すらも起こらずに無駄な時間が使われていく。

「今の私に必要なんだから応えろよ!このクソ野郎!!だから…お願いだから…私に…」

涙を流し嗚咽を漏らしながら声を張り上げる。
すると弓から女の子のような声が聞こえてきた。
世界が一回止まったかのようにモノクロになって二人の動きが止まった。 

「契約者の汝、汝は何を求む」

淡々とそして冷酷に質問する声に震え出している足の震えを止めてはっきりと声に出した。

「わ、私はみんなを守る力が欲しい」

「汝、それすなわち人を殺める力ではないのか?」

「違う!ただ人を殺すんじゃない、みんなを…カイト達を守る力を手に入れないなら奪ってでも手に入れる!それだけの覚悟はしている!」

真剣にどこにいるのかわからない声に自分の答えを応えると声は少しの間を開けて話し出した。

「汝…その力はもう持っているではないか…」

「えっ…?」

「すなわち、我はもう要らないようだな…私…めっちゃ寂しいじゃん…」

「いやいや、なに?ついさっきまでの口調は何処に!?」

「えー…だって君はもうその力は持ってんだからさ私達は何もする事ないんだよね」

ふと前をに顔を上げるとそこにはこの弓の装飾に似たような服を着た青髪の幼女がいた。

「ほら、さっさと行った行った、助けるんでしょ?不思議・・・なあの子を!」

「えっちょまだ聞きたい事が…」

瞬きをするとそこではまだユリと燐が戦いを繰り返している。
そして手元にはいつもと同じような形で天穿つ豪弓があった。

「…」

無言で立ち上がると決心を決めたように目を開き口を開いた。
何を口に出せばいいのかはカイトを見ていた自分には分かっていた。
あとは、自分自身の勇気だけだから。

古代武装アーティファクト!!天穿つ豪弓、解放!!」

言葉を発すると弓から風が吹き出し戦闘を行っている二人の動きでさえ一時的に止めた。
手に持った弓は青を基調とした弓に弦は光で出来ていて金色の月の装飾が目立つ。

「で、できた…も、もうやるしかない!」

アリスが持っていた弓矢を取り出して弦に添えるとその弓矢は消えてしまった。

「えっ…ちょ!!なんで消えちゃうの!あーもう!!」

無茶苦茶になにもついていない弓の弦を引っ張ると光でできた弓矢が1本ついていた。

「この弓…もしかして弓矢がいらないの?」 

そのまま姿勢を保ちながら燐とユリの戦闘中に弓を向けるが早すぎて捉えられない。

「どうすれば…あっ!危ない!ユリちゃん!!」

手汗で弦から指が滑ってしまい矢が放たれしまうとユリに向かっていく射線だった…
が、ユリを避けてその弓矢は燐の刀の持ち手に当たった。

「えっ?矢が避けた?」

「アリスちゃん!そのまま燐に向かって放って!!」

よく分からないが弦を引っ張って弓矢を連射するとそれは必ず燐に向かっていった。

「やっぱり!アリスちゃん!その弓はアリスちゃんが思った目標に必ず当たるまで追跡する、天を穿つまで止まる事を知らない弓だから天穿つ豪弓なんだよ!」

とんでもないものを持ってしまったかのように慌てていたが次第に呼吸を整えて落ち着いていく。

「カイト…待ってて…絶対に助けるから!」

手に持った弓を握り締めて解毒剤を奪うために燐との戦闘が本格的に始まった。

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