とあるクラスの勇者30人
とあるクラスの勇者30人
「ねぇ、もし、このクラスがRPGの世界に居たら楽しいと思わない?」
『_じゃあ、先生が大魔王になってやるよ』
*episode1 Magic hands right there
「お前に使命をさずけよう、6年2組の奴らを………___殺す事だ。」
あぁ、ついに言われてしまった
闇に包まれた不気味な部屋に1人の男性の声が響く、それは、声をかけられた少年
_絆にとって、昔から聞いていた、でも
変わってしまった声だった。
通称”大魔王”と名乗る男性の手下となってからも、絆はこの時を恐れていた。
大魔王の1番の目的は6年2組の奴らを殺す事、それの為に絆は時間稼ぎをしてきた筈だったが、もうそれも終わりで、直接指示を下してきた。下されれば絆はそれに従うだけ、見て見ぬふりは出来なかった。
「俺の人生を狂わせたんだ……それぐらいやってもバチは当たらないだろう?」
狂った笑みを浮かべながら、6年2組の皆が写った集合写真をぐしゃぐしゃにナイフで切り裂いていく、それを悲しいとも腹立つとも思えないほど、大魔王も絆も狂っていた。
「…そ、そうですね、”先生”」
「頼んだぞ、絆」
*episode2 30 people of determination
ジリリリリとうるさすぎる目覚ましをどうにか手探りで止めて、しばらく布団の中で
ぼんやりとする。そういや、今日は休みじゃないか、瞼を閉じるギリギリに開けると
そこには7時に示された小さな時計が映る
(7時かよ…まだ寝れるな…)
また眠りにつこうと寝相を変えるも、どうも寝れない、さっきまで求めていた睡眠がすぐ近くにあるのに、どんどん意識がさえていく
「…ん~…寝れねぇから起きるか…」
もぞっと思い体を動かして誰もいない部屋に一言「おはよう」と挨拶する、こうでもしないと挨拶の週間がつかないから、枕元に置いてあった鍵の形をしたロケットペンダントを手に取り、いつもの服に着替える
「…?なんかうるさいな…」
ぎゃあぎゃあと人が叫ぶ声がする
どうも遊んでいるような声じゃなく、逃げ惑うような声、時々小さく爆発音がする
なんかやばそうなこの音に危機感を感じ
私はあたふたと服を着ながら外に出た
「何があったんだよ………ひぇっ…!?…」
扉を開けて見上げたこの世界は
いつもの様な平和な世界じゃなく、まっ黒焦げになった家に、まっ黒焦げな人が逃げ惑う、不気味な世界だった
時々来る爆風は焼けるように熱くて
人々の呼吸を蝕んでいく、
そして、急に視界が光に包まれたかと思うと、鼓膜が破れそうな程の爆音と共に
家が大きな赤い炎で包まれた
(あ、これやばいやつ)
「うぇっ…げっ…げほっ…ぐ…殺す気かよ…」 
思い切り熱風を吸い込み、思わずむせ返る
いきなりの事に肺が追いつかなくて
視界がチカチカする。落ち着くために
深呼吸をひとつ、すると遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた
「花火!!!!!大丈夫か!!!」
「…夏目…!?そっちも大丈夫か…?」
「うん…!大丈夫は大丈夫…!!」
とりあえずこの場から逃げようと
半ばパニックになっている自分を夏目は引っ張り走り出す、ついていく気力ぐらいしかなくて、なるべく足を動かして走っていたその刹那、またもや聞き覚えのある可愛らしい声が隣からやってくる
「ひゃっ!?!…なにこれ…!?」
獣の耳のような髪型をした、私と同じクラスの友人の、_闇桜がそこに立ち尽くしてた。
「わ、私にもわからん!!!!とりあえず逃げよう!」
夏目は私を引っ張り、私は闇桜を引っ張るという1列状態のまま、炎に燃える国の中を走り回る。目指すは森の奥にある私達が通う魔導師育成学校。今日は休みだけど
何かがあった時の避難場所に指定されていて、国の皆はほぼほぼそこへ逃げる事になっている。やっと森の入口が見えてきて
すこし安心したその刹那、脳裏にこびりつく程に鮮明に覚えてしまった、_あの爆発が、私達の目の前で起こった
*
「それで、生き残ったのはこの6年2組の30人と、林道先生だけだよ」
朝にあった事など忘れたかのように
夜空が綺麗に包む森の奥に30人はぼちぼちと集まった。それでも顔を合わせる気力もなく、集まった人達は数十人ほど。
集まったとは言えど一人一人色々抱え込み
皆顔を伏せていた中、桜が言葉を放つ
それは安心させると共にこれからどうするのかと言う疑問を込めた言葉だった。
「ありがとう、って事はあの爆発にて国の皆は死亡、森の奥に逃げていた俺ら31人が生き残ったでOK?」
朝の事を復唱する様に友樹が話す
花火、夏目、闇桜は、偶然か必然か、
何故か目の前で起こったにも関わらず
炎の波が3人には襲いかからなく、消えていった、そのおかげで3人は無傷で皆と無事合流し此処にいる。森の精か、あるいは神様が守ってくれたのだろうか、そう思えば思う程、神って居るものなんだなと花火はつくづく思う。それでも、31人以外死んだのは本当で、家族にいくら恨みがあった花火でも、皆の家族や身内が死んだ悲しみに暮れている。それは皆も同じようで、
さんざん泣いたのであろう子や
ずっとふて寝している子、
笑顔を保つが悲しさを隠しきれていない子
ひたすら家族が残した物を抱き抱えながら
泣き出す子など、色々な悲しみを抱えていた。
「これからどーする?皆で心中でもする?」
寝っ転がりながら片目を開き、赤目は言った。そして名前の通り真っ赤な目を少し歪ませ笑みを浮かべる。それには冗談と、覚悟を決めた意味も含まれていた。
冗談言わんばかりじゃないと、白衣を靡かせながらカツン!と大きな足音を響かし
赤目の上に来愛はまたがった。
いきなりの事に思考が追いつかないのか
赤目は目を白黒させながら、ただ見上げている。
「何言ってんの!!!!大魔王を倒しに行くのよ!!!」
朝の事は大魔王がやったと言う噂がある中
皆はそれを何処か気にしていた。嘘だとしても、何故か本当に近い確信があった。
”大魔王”と言う単語に反応した赤目は
にやっと笑い、いつものように明るく話す
「…やっぱり?あんだけされちゃ、やり返さないとな、皆大切な人を奪われているんだ」
その一言に、皆は覚悟を決めたような目で
顔を合わせる。どうやら考えている事は同じのようだった。
「でもさ、そう言えば先生ってどこに行ったんだろうね?いつの間にかに学校来なくなったよね」
疑問を浮かべたように夏蓮が話す
この6年2組の30人の先生を担当していた
先生__坂木先生は、突如3月19日に
姿を消した。それからは連絡も無く
生きているかも、この国にいるかもわからないまま、何ヶ月かがたっている。
分かっているのが、
『俺の望みとあいつらの望みを叶える日がやってきたんだ…』
と言う意味深な言葉だけ、
どうにか1度先生に逢いたい、そう思った時、静かすぎた森の中に何処からか電子音が鳴り響く、すると、声が聞こえてきた
『あれ?6年2組の皆だけ生き残ったの?
残念、まぁ、いっか』
『てっきりお前らだったら死んでると思ってたんだが…さすが6年生と言った所か』
不信感を与えまくるその声に
皆が気を張りながらも、動揺していた。
『お前らから来いよ、身内を殺された恨み…返せないだろう?お前らと戦う事、楽しみにしてるよ!!』
ぶつんと声が途切れ
また森には静けさが戻ってきた。
ただならぬ雰囲気に皆中央へと集まり
一人一人が不安げだった。
「おーい!!!今の聞いたー!?」
「…ああ、まさか、”先生”から誘われるとはな…」
確かにあの声は昔から聞き覚えのある
坂木先生の声だった。大魔王も、
_坂木先生だった。皆は覚悟を決めた顔で
顔を見合わせる。何が言いたいのか、言わなくてもわかる。
「とりあえず!今日は寝ろ!ここにいない奴は明日伝えよう!おやすみ!!!」
友樹に促されるまま皆は色々な場所へ別れていく、とりあえず今は何をする事も出来ないまま、明日を待ちながら目を瞑るのであった。
『_じゃあ、先生が大魔王になってやるよ』
*episode1 Magic hands right there
「お前に使命をさずけよう、6年2組の奴らを………___殺す事だ。」
あぁ、ついに言われてしまった
闇に包まれた不気味な部屋に1人の男性の声が響く、それは、声をかけられた少年
_絆にとって、昔から聞いていた、でも
変わってしまった声だった。
通称”大魔王”と名乗る男性の手下となってからも、絆はこの時を恐れていた。
大魔王の1番の目的は6年2組の奴らを殺す事、それの為に絆は時間稼ぎをしてきた筈だったが、もうそれも終わりで、直接指示を下してきた。下されれば絆はそれに従うだけ、見て見ぬふりは出来なかった。
「俺の人生を狂わせたんだ……それぐらいやってもバチは当たらないだろう?」
狂った笑みを浮かべながら、6年2組の皆が写った集合写真をぐしゃぐしゃにナイフで切り裂いていく、それを悲しいとも腹立つとも思えないほど、大魔王も絆も狂っていた。
「…そ、そうですね、”先生”」
「頼んだぞ、絆」
*episode2 30 people of determination
ジリリリリとうるさすぎる目覚ましをどうにか手探りで止めて、しばらく布団の中で
ぼんやりとする。そういや、今日は休みじゃないか、瞼を閉じるギリギリに開けると
そこには7時に示された小さな時計が映る
(7時かよ…まだ寝れるな…)
また眠りにつこうと寝相を変えるも、どうも寝れない、さっきまで求めていた睡眠がすぐ近くにあるのに、どんどん意識がさえていく
「…ん~…寝れねぇから起きるか…」
もぞっと思い体を動かして誰もいない部屋に一言「おはよう」と挨拶する、こうでもしないと挨拶の週間がつかないから、枕元に置いてあった鍵の形をしたロケットペンダントを手に取り、いつもの服に着替える
「…?なんかうるさいな…」
ぎゃあぎゃあと人が叫ぶ声がする
どうも遊んでいるような声じゃなく、逃げ惑うような声、時々小さく爆発音がする
なんかやばそうなこの音に危機感を感じ
私はあたふたと服を着ながら外に出た
「何があったんだよ………ひぇっ…!?…」
扉を開けて見上げたこの世界は
いつもの様な平和な世界じゃなく、まっ黒焦げになった家に、まっ黒焦げな人が逃げ惑う、不気味な世界だった
時々来る爆風は焼けるように熱くて
人々の呼吸を蝕んでいく、
そして、急に視界が光に包まれたかと思うと、鼓膜が破れそうな程の爆音と共に
家が大きな赤い炎で包まれた
(あ、これやばいやつ)
「うぇっ…げっ…げほっ…ぐ…殺す気かよ…」 
思い切り熱風を吸い込み、思わずむせ返る
いきなりの事に肺が追いつかなくて
視界がチカチカする。落ち着くために
深呼吸をひとつ、すると遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた
「花火!!!!!大丈夫か!!!」
「…夏目…!?そっちも大丈夫か…?」
「うん…!大丈夫は大丈夫…!!」
とりあえずこの場から逃げようと
半ばパニックになっている自分を夏目は引っ張り走り出す、ついていく気力ぐらいしかなくて、なるべく足を動かして走っていたその刹那、またもや聞き覚えのある可愛らしい声が隣からやってくる
「ひゃっ!?!…なにこれ…!?」
獣の耳のような髪型をした、私と同じクラスの友人の、_闇桜がそこに立ち尽くしてた。
「わ、私にもわからん!!!!とりあえず逃げよう!」
夏目は私を引っ張り、私は闇桜を引っ張るという1列状態のまま、炎に燃える国の中を走り回る。目指すは森の奥にある私達が通う魔導師育成学校。今日は休みだけど
何かがあった時の避難場所に指定されていて、国の皆はほぼほぼそこへ逃げる事になっている。やっと森の入口が見えてきて
すこし安心したその刹那、脳裏にこびりつく程に鮮明に覚えてしまった、_あの爆発が、私達の目の前で起こった
*
「それで、生き残ったのはこの6年2組の30人と、林道先生だけだよ」
朝にあった事など忘れたかのように
夜空が綺麗に包む森の奥に30人はぼちぼちと集まった。それでも顔を合わせる気力もなく、集まった人達は数十人ほど。
集まったとは言えど一人一人色々抱え込み
皆顔を伏せていた中、桜が言葉を放つ
それは安心させると共にこれからどうするのかと言う疑問を込めた言葉だった。
「ありがとう、って事はあの爆発にて国の皆は死亡、森の奥に逃げていた俺ら31人が生き残ったでOK?」
朝の事を復唱する様に友樹が話す
花火、夏目、闇桜は、偶然か必然か、
何故か目の前で起こったにも関わらず
炎の波が3人には襲いかからなく、消えていった、そのおかげで3人は無傷で皆と無事合流し此処にいる。森の精か、あるいは神様が守ってくれたのだろうか、そう思えば思う程、神って居るものなんだなと花火はつくづく思う。それでも、31人以外死んだのは本当で、家族にいくら恨みがあった花火でも、皆の家族や身内が死んだ悲しみに暮れている。それは皆も同じようで、
さんざん泣いたのであろう子や
ずっとふて寝している子、
笑顔を保つが悲しさを隠しきれていない子
ひたすら家族が残した物を抱き抱えながら
泣き出す子など、色々な悲しみを抱えていた。
「これからどーする?皆で心中でもする?」
寝っ転がりながら片目を開き、赤目は言った。そして名前の通り真っ赤な目を少し歪ませ笑みを浮かべる。それには冗談と、覚悟を決めた意味も含まれていた。
冗談言わんばかりじゃないと、白衣を靡かせながらカツン!と大きな足音を響かし
赤目の上に来愛はまたがった。
いきなりの事に思考が追いつかないのか
赤目は目を白黒させながら、ただ見上げている。
「何言ってんの!!!!大魔王を倒しに行くのよ!!!」
朝の事は大魔王がやったと言う噂がある中
皆はそれを何処か気にしていた。嘘だとしても、何故か本当に近い確信があった。
”大魔王”と言う単語に反応した赤目は
にやっと笑い、いつものように明るく話す
「…やっぱり?あんだけされちゃ、やり返さないとな、皆大切な人を奪われているんだ」
その一言に、皆は覚悟を決めたような目で
顔を合わせる。どうやら考えている事は同じのようだった。
「でもさ、そう言えば先生ってどこに行ったんだろうね?いつの間にかに学校来なくなったよね」
疑問を浮かべたように夏蓮が話す
この6年2組の30人の先生を担当していた
先生__坂木先生は、突如3月19日に
姿を消した。それからは連絡も無く
生きているかも、この国にいるかもわからないまま、何ヶ月かがたっている。
分かっているのが、
『俺の望みとあいつらの望みを叶える日がやってきたんだ…』
と言う意味深な言葉だけ、
どうにか1度先生に逢いたい、そう思った時、静かすぎた森の中に何処からか電子音が鳴り響く、すると、声が聞こえてきた
『あれ?6年2組の皆だけ生き残ったの?
残念、まぁ、いっか』
『てっきりお前らだったら死んでると思ってたんだが…さすが6年生と言った所か』
不信感を与えまくるその声に
皆が気を張りながらも、動揺していた。
『お前らから来いよ、身内を殺された恨み…返せないだろう?お前らと戦う事、楽しみにしてるよ!!』
ぶつんと声が途切れ
また森には静けさが戻ってきた。
ただならぬ雰囲気に皆中央へと集まり
一人一人が不安げだった。
「おーい!!!今の聞いたー!?」
「…ああ、まさか、”先生”から誘われるとはな…」
確かにあの声は昔から聞き覚えのある
坂木先生の声だった。大魔王も、
_坂木先生だった。皆は覚悟を決めた顔で
顔を見合わせる。何が言いたいのか、言わなくてもわかる。
「とりあえず!今日は寝ろ!ここにいない奴は明日伝えよう!おやすみ!!!」
友樹に促されるまま皆は色々な場所へ別れていく、とりあえず今は何をする事も出来ないまま、明日を待ちながら目を瞑るのであった。
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