ATM~それが私の生きる意味~

本屋綴@バーチャル小説家&Vtuber

頂点を目指して

 その後も様々な企画を行い、番組は無事終了した。
 生放送だったが、放送事故らしいものもなく(ささら談)、終了後の評判も良かったようだ。
 番組を見ていたATMのメンバーも、彼女たちの話から受けたものも多かった。

「私たち、幸香に期待されているようだね」

 嬉しそうに恵未が言う。

「でも今は下手だって言われてたよ。それだけ厳しく見ているってことなのかなー」

 彩希がしょんぼりした表情でつぶやいた。

「今はまだ彼女たちに届かないけど、レッスンや経験を積めば追いつけるはず。よーし、燃えてきた!」

 番組を見て決意を固める時雨。

「……」

 そしてクロナは、番組に出てきた三人のアイドルについて思うことがあるようだ。

「どうしたの、クロナ」

 恵未が尋ねる。

「彼女たち三人が、今のトップアイドルなんだよね」
「少なくとも、ティーンの中ではそうだね」
「そっか。やっぱり人気アイドルともなると雰囲気もどこか違ってるね」
「何言ってるの。私たちもあのレベルを目指して頑張っていくんだよ!」

 先程から気合が入っている時雨が熱のこもった言葉を発する。

「そしていずれは、私たち四人がアイドル・トリニティーンになるんだよ!」
「私たち四人だよ。トリニティにはなれないね」
「細かいことはいいの」
「そうだね。まずはもうすぐに迫っているデビューに向けて頑張ろう!」

 時雨の熱を受けたのか、クロナもやる気になってきたようだ。

「「「おー!」」」

 他の三人も後に続いて声を発した。

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