声の神に顔はいらない。
198 人が狂う、それが愛って誰かが言ってた
「あわわわ……」
「裏も取れてたので返しますね」
なんの!? 裏ってなんの!? 静川秋華は私のスマホをそう言って返して来た。確実に今ので、先生が私に連絡してきたのわかったよね? 私……ここから無事に帰れるのだろうか? というかなんで確認したの? なんかそういう情報でも? でも先生から電話があったのを知ってるのは浅野芽衣くらいしか……
(せんぱーい、言っちゃいました。てへ)
とかいう脳内の浅野芽衣がぶりっ子して謝ってる姿が想像できる。いや、あいつならその可能性高い。てかあいつしか情報源ないし……でも二人って同じ現場の仕事してたかな? わからない。そこまで浅野芽衣に興味なんてないしね。
まあ今は一緒に仕事もしてるし、ラジオで一杯喋る。前よりは浅野芽衣の事をしってると言えるけど、向こうも向こうで私に言いたくない事ってあると思うんだ。だからきっと私達は当たり障りのないことしか喋ってないと思う。
やっぱり浅野芽衣から……漏れたのだろうか?
「えっと……これは……」
「もしかしたらって思ったんです。もしかしたら匙川さんには連絡あったのかなって……」
「なんで? 誰かに聞いたとか?」
「勘です。女の勘」
こわ!? 女の勘こわい!! 私も女の筈なんだけど……そういうのが来た覚えが……ない! てかどうやら浅野芽衣は無実だったらしい。ごめんなさい。とりあえず心の中だけで謝っておいた。
「でもなんで……そんな私に連絡あったのを気になんて……」
「だって先生が帰国して真っ先に電話をした相手が私じゃないなんて……許せないじゃないですか」
「ひっ!?」
なんだろう冬の北風の精だけじゃない寒気が私に襲いかかってるよ! 私……ここで死ぬのかな? てかこんな所で殺されたら先生に迷惑……まさか、自分以外の女はすべからくお前のせいでこうなったんだと――そんな事を静川秋華は先生に訴える気では?
(いやいや、それってもうヤンデレとかメンヘラとかのレベルじゃないし! 流石にそんな事……ない……よね?)
私を見る静川秋華はなんかとてもにこやかな笑顔をつくってた。それを見た瞬間、あるかも――って思った。
「まあ本当は匙川さんにだけはこれ以上先生に近付いて欲しくないんです。でも、私じゃ無理だから……だから連れて来たんです」
そう言って静川秋華はめっちゃ力入れてインターホンを押しまくってる。扉が閉まってても、かすかにだけど、中でピピピピポポポポポポポポポーンって鳴ってるインターホンの音がきこえる。めっちゃ迷惑行為だ。
けどそれでも中から反応は何もない。物音一つしない。これって……
「本当に先生帰って来てる……の?」
「間違いないですよ。だって郵便物は出来る限り確認してますから」
「ん?」
どうやって? とは流石に聞けなかった。
「裏も取れてたので返しますね」
なんの!? 裏ってなんの!? 静川秋華は私のスマホをそう言って返して来た。確実に今ので、先生が私に連絡してきたのわかったよね? 私……ここから無事に帰れるのだろうか? というかなんで確認したの? なんかそういう情報でも? でも先生から電話があったのを知ってるのは浅野芽衣くらいしか……
(せんぱーい、言っちゃいました。てへ)
とかいう脳内の浅野芽衣がぶりっ子して謝ってる姿が想像できる。いや、あいつならその可能性高い。てかあいつしか情報源ないし……でも二人って同じ現場の仕事してたかな? わからない。そこまで浅野芽衣に興味なんてないしね。
まあ今は一緒に仕事もしてるし、ラジオで一杯喋る。前よりは浅野芽衣の事をしってると言えるけど、向こうも向こうで私に言いたくない事ってあると思うんだ。だからきっと私達は当たり障りのないことしか喋ってないと思う。
やっぱり浅野芽衣から……漏れたのだろうか?
「えっと……これは……」
「もしかしたらって思ったんです。もしかしたら匙川さんには連絡あったのかなって……」
「なんで? 誰かに聞いたとか?」
「勘です。女の勘」
こわ!? 女の勘こわい!! 私も女の筈なんだけど……そういうのが来た覚えが……ない! てかどうやら浅野芽衣は無実だったらしい。ごめんなさい。とりあえず心の中だけで謝っておいた。
「でもなんで……そんな私に連絡あったのを気になんて……」
「だって先生が帰国して真っ先に電話をした相手が私じゃないなんて……許せないじゃないですか」
「ひっ!?」
なんだろう冬の北風の精だけじゃない寒気が私に襲いかかってるよ! 私……ここで死ぬのかな? てかこんな所で殺されたら先生に迷惑……まさか、自分以外の女はすべからくお前のせいでこうなったんだと――そんな事を静川秋華は先生に訴える気では?
(いやいや、それってもうヤンデレとかメンヘラとかのレベルじゃないし! 流石にそんな事……ない……よね?)
私を見る静川秋華はなんかとてもにこやかな笑顔をつくってた。それを見た瞬間、あるかも――って思った。
「まあ本当は匙川さんにだけはこれ以上先生に近付いて欲しくないんです。でも、私じゃ無理だから……だから連れて来たんです」
そう言って静川秋華はめっちゃ力入れてインターホンを押しまくってる。扉が閉まってても、かすかにだけど、中でピピピピポポポポポポポポポーンって鳴ってるインターホンの音がきこえる。めっちゃ迷惑行為だ。
けどそれでも中から反応は何もない。物音一つしない。これって……
「本当に先生帰って来てる……の?」
「間違いないですよ。だって郵便物は出来る限り確認してますから」
「ん?」
どうやって? とは流石に聞けなかった。
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