声の神に顔はいらない。
71 今日も空が晴れたから
なんかオシャレなカフェに来た。マジかよ……まさにリア充御用達の場所じゃんここ。ほら……女子高生とか、いるよ。恐ろしい。何を頼んでるんだろうか? やっぱりタピオカか? タピオカなのか? オシャレに気合入れてる様な女性もいるし……その他はカップルかな?
場違い感が半端ない。絶対にこんな所、不断なら近づくことはないだろう。近くに来るだけでだんだんとHPが削られること請け合いだ。今はまだ静川秋華という盾を前面に出してるから何とか生きてるが……胸を押さえつけとかないと過呼吸になりかねない。
なんて所に連れてくるの? ちょっとはこっちの格好も考えてよ。そっちは確かにどこに行っても恥ずかしくない容姿してるでしょうよ。けどね。こっちは違うのよ。ファミレス! それとマクドとかが限界だから! スタバに髄するオシャレ感を醸し出してる所は無理だと察して欲しい。
「大丈夫ですか?」
「これを見てそう思う?」
「もっと胸を張っていいと思いますよ?」
けっ……それは全てを持ってる奴のセリフである。それをこの静川秋華はわかってない。仕事もできて、人間関係も周囲に気を使って円滑進める手腕があり、更に仕事ではトップに君臨する。どこのなろう系小説から飛び出て来たんだっていいたくなるほどのハイスペック美少女がそれを言っても意味なんてないのよ。
だって静川秋華からは自信しか感じないし、それが当然でしょう。劣ってる……なんて思ったことあるんだろうか? 少なくとも同性相手には絶対に思わないわよね。だってそこらの女優なんかよりも静川秋華は上だし。
こんな奴が声優界にいるから声優の顔のレベルが上がってこっちは迷惑だよ。声優は声で勝負して、顔もある程度あればお得だね――程度でよかったんだ。それをもう昨今は声よりも顔の比率が高いといっていい。
「静川秋華のせいなんだけど」
「ええ? えっとごめんなさい?」
しまった、声優界のトップにとんでもない事を言ってしまった。あまりのリア充空間に充てられてたのと、被害妄想が混濁してしまったみたい。まさかあの静川秋華に誤らせるとか……後で消されないかな? そもそも静川秋華って言っちゃったし。これまでは名前なんてこちらから言う事はなかった。
だから心の中で『静川秋華』って呼んでた。それが咄嗟に……
「別の所にしましょうか?」
「そう……ですね」
取り合えずへりくだっておいた。それから私達はカラオケに移動した。なんで? と思うかもしれないが、別に話しが出来ればどこでもよかったらしく、近くにカラオケがあったからだ。カラオケの一般的とこよりもなんかちょっと豪華で、内装がオシャレであった。
私は行くとしても個室の所だからこんなところがあるとは知らなかった。ワンランク上のカラオケ店なのだろう。お酒とかも品揃えが豊富で、料理もなんかこだわってる。モニターとか大きいし、スピーカーなんかめっちゃある。凄い……そしてその分料金はお高い。
そういうところに躊躇いなく入れる程に稼いでるんでしょうね。
「何曲か歌いましょうか♪ 匙川さんもどうぞ」
なんでこいつと共にカラオケしないといけないのよ。そんな気はないから話しをしてほしい。けど、流石に再び失言をするわけにはいかない。だから取り合えず得意な曲を入れてみた。まずは静川秋華が歌う。終わったと思ったら、更に歌う。そしてなんかさらにもう一曲続けていった。
おい、大人気声優――喉は大丈夫なの? 結構ガチ目に歌ってたよ。そして三曲歌い終わると、静川秋華は方でゼーハーゼーハー息をしながら、マイクの柄の部分をこっちに向けてこういってきた。
「次は匙川さんの番ですよ」
その表情が、何やら挑戦めいてた様な……何を望んでるのかちょっとよくわからない。けど、これをやらないと何も話さないつもりなら、しょうがないから付き合ってあげよう。私は確かに顔では静川秋華には絶対に勝てない。
けど……声だけは誰にも負けるつもりはない! それは歌だってそうだ。私は顔出しはNGだけど、実はキャラソンはOKなのよ!!
静川秋華の手から私は無言でマイクを受け取った。そして流れてくる音楽。私は深く空気を吸い込んだ。
場違い感が半端ない。絶対にこんな所、不断なら近づくことはないだろう。近くに来るだけでだんだんとHPが削られること請け合いだ。今はまだ静川秋華という盾を前面に出してるから何とか生きてるが……胸を押さえつけとかないと過呼吸になりかねない。
なんて所に連れてくるの? ちょっとはこっちの格好も考えてよ。そっちは確かにどこに行っても恥ずかしくない容姿してるでしょうよ。けどね。こっちは違うのよ。ファミレス! それとマクドとかが限界だから! スタバに髄するオシャレ感を醸し出してる所は無理だと察して欲しい。
「大丈夫ですか?」
「これを見てそう思う?」
「もっと胸を張っていいと思いますよ?」
けっ……それは全てを持ってる奴のセリフである。それをこの静川秋華はわかってない。仕事もできて、人間関係も周囲に気を使って円滑進める手腕があり、更に仕事ではトップに君臨する。どこのなろう系小説から飛び出て来たんだっていいたくなるほどのハイスペック美少女がそれを言っても意味なんてないのよ。
だって静川秋華からは自信しか感じないし、それが当然でしょう。劣ってる……なんて思ったことあるんだろうか? 少なくとも同性相手には絶対に思わないわよね。だってそこらの女優なんかよりも静川秋華は上だし。
こんな奴が声優界にいるから声優の顔のレベルが上がってこっちは迷惑だよ。声優は声で勝負して、顔もある程度あればお得だね――程度でよかったんだ。それをもう昨今は声よりも顔の比率が高いといっていい。
「静川秋華のせいなんだけど」
「ええ? えっとごめんなさい?」
しまった、声優界のトップにとんでもない事を言ってしまった。あまりのリア充空間に充てられてたのと、被害妄想が混濁してしまったみたい。まさかあの静川秋華に誤らせるとか……後で消されないかな? そもそも静川秋華って言っちゃったし。これまでは名前なんてこちらから言う事はなかった。
だから心の中で『静川秋華』って呼んでた。それが咄嗟に……
「別の所にしましょうか?」
「そう……ですね」
取り合えずへりくだっておいた。それから私達はカラオケに移動した。なんで? と思うかもしれないが、別に話しが出来ればどこでもよかったらしく、近くにカラオケがあったからだ。カラオケの一般的とこよりもなんかちょっと豪華で、内装がオシャレであった。
私は行くとしても個室の所だからこんなところがあるとは知らなかった。ワンランク上のカラオケ店なのだろう。お酒とかも品揃えが豊富で、料理もなんかこだわってる。モニターとか大きいし、スピーカーなんかめっちゃある。凄い……そしてその分料金はお高い。
そういうところに躊躇いなく入れる程に稼いでるんでしょうね。
「何曲か歌いましょうか♪ 匙川さんもどうぞ」
なんでこいつと共にカラオケしないといけないのよ。そんな気はないから話しをしてほしい。けど、流石に再び失言をするわけにはいかない。だから取り合えず得意な曲を入れてみた。まずは静川秋華が歌う。終わったと思ったら、更に歌う。そしてなんかさらにもう一曲続けていった。
おい、大人気声優――喉は大丈夫なの? 結構ガチ目に歌ってたよ。そして三曲歌い終わると、静川秋華は方でゼーハーゼーハー息をしながら、マイクの柄の部分をこっちに向けてこういってきた。
「次は匙川さんの番ですよ」
その表情が、何やら挑戦めいてた様な……何を望んでるのかちょっとよくわからない。けど、これをやらないと何も話さないつもりなら、しょうがないから付き合ってあげよう。私は確かに顔では静川秋華には絶対に勝てない。
けど……声だけは誰にも負けるつもりはない! それは歌だってそうだ。私は顔出しはNGだけど、実はキャラソンはOKなのよ!!
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