声の神に顔はいらない。
36 プレゼン3
「ふあーあ、全くようやく俺たちの番か」
まさかとは思うが、あの無精ひげで遅れて来た奴、寝てた? 確かに眠そうに最初からしてたが、まさか本当に寝る奴がいるとは思ってなかった。このギラついた周囲のなかよく寝れたな。最初から捨ててるのか? それとも圧倒的な自信があるのか?
見た感じ、後者には見えないが……どう見てもやる気見えないし。一体どんな酷いプレゼンをするのか。実際ここにいる人たちは誰も彼等に期待なんてしてない。そもそも何か用意があるのか? 見た感じ、よれた紙しか持ってない様な?
このネット全盛の時代に紙って……もう一人いる顔色悪い人がこの部屋を回ってその紙を低姿勢で渡していってるんだが……これってもしかして前にではないって事か? 今までの所は皆さん気合の入った映像とか資料とか作ってきてた。
誰もが目の奥に炎を燃やしてやってくれてた。だがどうだこれ? 配られた紙……なんと一枚である。こんな事ってあるのか? 自分は就職とかやってないから会社勤めとかわからない。けど、社内の会議でもこんなペラッペラな紙一枚とかありえないんじゃないか?
こんなの提出したら怒られるんじゃない? と、取り合えずなんて書いてあるか目を通してみるか。一枚なら、簡単に目を通せるだろう……
「うぐ……」
そう思った自分がバカだった。そして周囲の反応は自分よりももっと悪い。
「なんだこれは?」「こんな物を出すとは……」「先生に失礼だろう」
とか色々と聞こえてくる。まあだけど咎める気にはならないよな。なにせこれ、ほとんど一文字しか読めないからな。簡単に言うと、この紙には色々と書いてあるんだが、その上に大きく一文字書いてあるんだ。それがあるせいで後ろの細かい文字が読み取れない。
「これは、どういう事でしょうか?」
こちら側の会社の人が困惑そうにそういうよ。まあそうなるよね。顔色が悪い人はオロオロとこちら側とふんぞり返ってる無精ひげでぼさぼさ頭の奴を見てる。そいつは頭を掻いてる訳だが……こいつはどうしたいんだ? そもそもなんでここに?
てかよくこんな奴を寄越したな……そう思わざるえない。
「なあ、先生よ」
一瞬、声を掛けられたとわからなかった。けどどうやら自分に彼は声を掛けてるようだ。自分の座ってる場所と彼が座ってる場所は一番遠い。けど、声を出すと何か異様な存在感がある気がした。
「俺たちの主張はそこに書いたとおりだよ。最高の物を作りたいんだろ? なら、ここにいる奴らなんかじゃダメだろ。なんもわかってねえ。俺しかいないぜ。俺があんたの作品を映像作品として昇華してやるよ」
その言葉は衝撃と共に自分の頭を叩いてきた。
まさかとは思うが、あの無精ひげで遅れて来た奴、寝てた? 確かに眠そうに最初からしてたが、まさか本当に寝る奴がいるとは思ってなかった。このギラついた周囲のなかよく寝れたな。最初から捨ててるのか? それとも圧倒的な自信があるのか?
見た感じ、後者には見えないが……どう見てもやる気見えないし。一体どんな酷いプレゼンをするのか。実際ここにいる人たちは誰も彼等に期待なんてしてない。そもそも何か用意があるのか? 見た感じ、よれた紙しか持ってない様な?
このネット全盛の時代に紙って……もう一人いる顔色悪い人がこの部屋を回ってその紙を低姿勢で渡していってるんだが……これってもしかして前にではないって事か? 今までの所は皆さん気合の入った映像とか資料とか作ってきてた。
誰もが目の奥に炎を燃やしてやってくれてた。だがどうだこれ? 配られた紙……なんと一枚である。こんな事ってあるのか? 自分は就職とかやってないから会社勤めとかわからない。けど、社内の会議でもこんなペラッペラな紙一枚とかありえないんじゃないか?
こんなの提出したら怒られるんじゃない? と、取り合えずなんて書いてあるか目を通してみるか。一枚なら、簡単に目を通せるだろう……
「うぐ……」
そう思った自分がバカだった。そして周囲の反応は自分よりももっと悪い。
「なんだこれは?」「こんな物を出すとは……」「先生に失礼だろう」
とか色々と聞こえてくる。まあだけど咎める気にはならないよな。なにせこれ、ほとんど一文字しか読めないからな。簡単に言うと、この紙には色々と書いてあるんだが、その上に大きく一文字書いてあるんだ。それがあるせいで後ろの細かい文字が読み取れない。
「これは、どういう事でしょうか?」
こちら側の会社の人が困惑そうにそういうよ。まあそうなるよね。顔色が悪い人はオロオロとこちら側とふんぞり返ってる無精ひげでぼさぼさ頭の奴を見てる。そいつは頭を掻いてる訳だが……こいつはどうしたいんだ? そもそもなんでここに?
てかよくこんな奴を寄越したな……そう思わざるえない。
「なあ、先生よ」
一瞬、声を掛けられたとわからなかった。けどどうやら自分に彼は声を掛けてるようだ。自分の座ってる場所と彼が座ってる場所は一番遠い。けど、声を出すと何か異様な存在感がある気がした。
「俺たちの主張はそこに書いたとおりだよ。最高の物を作りたいんだろ? なら、ここにいる奴らなんかじゃダメだろ。なんもわかってねえ。俺しかいないぜ。俺があんたの作品を映像作品として昇華してやるよ」
その言葉は衝撃と共に自分の頭を叩いてきた。
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