カッコ付け奮闘記

ファーストなサイコロ

第一話 始まりと出会い

 歴史と文化、そして世界を牛耳る技術大国『ルーデンヴァルカ』その世界一の国で今日、世界を救う勇者候補の選別が行われる。この世界『テフラン』は空に黒い穴が空いてる。そこから年に一度、巨大なドラゴンが世界を壊しにやって来る。
 だからそんなドラゴンに対抗する戦士を襲撃が近くなると集うんだ。勿論この国自体には軍も兵器もある。それこそ世界最高最大の物が揃ってる。でも不思議と、ここ十五年間最後の一撃を決めて世界を救うのは決まってどこにも属して無い名もなき戦士。
 だからこそ、誰もが勇者を目指してこの地にくるんだ。空を翔て来たトレインから降りると一年振りの空気がおじさんの肺を満たす。冴えない感じだけど、体つきは結構ガッチリしてるおじさんだ。彼は取り出した写真を見て、決意を覚悟に歩み出す。するとテンションが上がった子供が後ろからぶつかって来た。尻餅ついて泣き出す子供。その格好は可愛らしい、防具を身につけてる。
 微笑ましい光景だ。おじさんは泣く子供の頭に手を置いて、こう言うよ。


「勇者の格好をしてる奴が簡単に泣いたらいけないな。その剣はハリボテか?」
「ち……違うもん。これは勇者の剣だ! ドラゴンだって倒すんだ!」
「そうか……だが今年はその剣の出番はない。何故なら俺の剣がドラゴンを倒すからだ」
「お……おじさんが?」
「信じれないか? なら焼き付けとけ。力を試す決闘試験も中継されるからな。目を離すなよ俺の姿からな。まあ見えないかも知れんがな」


  フッと笑って歩き出すおじさん。そんな彼の姿に子供は涙を忘れて目を輝かせてる。


「お、おじさん!」


 するとおじさんは腕を振るって何かを投げた。それが子供の足下に落ちる。それは勇者となった物に渡されるバッジのレプリカ。小さい子は誰もが憧れる勇者の証。それを拾って顔を上げるとおじさんは歩きながら親指を立てた手を掲げてた。
 その姿を見てバッジを強く握りしめる子供の瞳は輝いてる。


 ※※※
 街の至る所で空中モニターが表示され、歓声で民が湧いている。だけどそんな中に落ちる玩具のバッジ。子供が見つめるモニターにはボロボロにされたおじさんが目を回して倒れてた。その姿はまさに無様……しかも相手は清閑な顔をした十代の青年だった。


「おじさん……よわっ!」


 ※※※
 荒れ狂うおじさんは酒場で酒をかっ込んでる。田舎とは違うオシャレでスタイリッシュな酒場で、おじさんの格好は結構浮いてる。


「ヒック……違うんだよ~。武器さえ……俺の武器さえ盗まれなきゃあんな小僧になんて俺は負けないんだぁ!」
「お客さん去年振りですね。またダメでしたか?」
「ははっ、きっびしいな~マスターは。確かにダメだったけど……諦めるなんて出来ないだ。これは約束だからさ。だからこそ……不甲斐ない自分がぁ~許せない~!」


 ガンってテーブルに叩き付けたグラスから跳ねた酒が隣の厳ついデブに付着する。するとギロリとしたギョロ目でおじさんを睨みつける。


「おいおいオッサン、俺の一張羅になんて事やってくれんだ!」


 ドカーンと強烈な一撃がおじさんを襲う。悽然とする酒場。ノシノシと近寄って来るデブは酒を煽って無造作にグラスを投げ捨てる。


「いつつ……」
「オッサン、俺は今機嫌が悪いんだよ」
「君も勇者候補に落ちた口か?」
「ああ? まさかアンタも? なるほどなるほど、同じ場所で腐ってた者同士ってわけか? まああんた見たいなオッサンが勇者に志願するなんて笑いぐさだけどな。年考えろよ」


 そういってガバガバと大笑いするデブ。するとおじさんは血を拭いつつ立ち上がる。


「勇者に年齢なんて関係ねーよ。それになデブ……お前は勇者に相応しく無い」
「ああ!? なんだとオッサン? あんた見たいな年寄りかはよっぽど俺の方が相応しいぜ。誰も望んでなんか居ないんだよ、オッサンの勇者なんかな」
「確かにそうかも知れない。だが俺はたった一人だけ知ってる。望んでくれてた人を。だから……諦めない。それにな……勇者の力は暴力ではない。勇者の力は常に正義でないといけないんだよ」
「ははっ、そんなの勇者になった奴が正義だろ! 臭過ぎるぜオッサンよ!」


 迫って来るデカい腕。それを上手く弾いてオッサンはこの言葉を紡ぐ。


「臭くても何でも、貴様の様な奴--勇者とは俺は認めん! 絶対な!」
「ちっ……このオッサンが! 最近の若者舐めんなよ!」


 そう言うデブの攻撃がオッサンを襲う。上手くは無いけど、なんとかかわしてると、周りからの声援が聞こえて来る。どうやらオッサンの言葉に感銘を受けた様だ。すると突然にオッサンの動きが変わる。というか、まるで攻撃が当たらなくなった? 
 そして懐に潜ったオッサンはこう言うよ。


「なら俺も言ってやる。年を重ねたオッサンを舐めるなよ!」


 突き刺さるオッサンの拳。白目を剥いてデブはその場に崩れさる。響く歓声がオッサンを包んだ。テンションが上がった客達にもみくちゃにされるオッサンは、もみくちゃにされながらも呆然としてるマスターの元に。そして彼の手にお金を握らせる。


「すみませんね。修理代、足りるかどうか分かりませんが使ってください」
「いや……そんな!」
「あのデブは監獄に、俺は有り金を無くす。それで喧嘩両成敗ですよ。貴方が被害を被る事は無い。気にしないでください」


 そんなオッサンの言葉に更に盛り上がる周囲。そんな熱気の中をオッサンは颯爽と歩いて店を後にする。扉が閉まるその時まで、オッサンはかっこ良く決めてた。そして夜の空気と扉の締まりと共に、消える声や熱気と同時に出る深いため息。


「やっちまったよ……」


 ゴソゴソとズボンをあさって取り出した手作り風の巾着。中を覗いても逆さにしても一銭も出てきやしない。


「やっぱ有り金全部はかっこ付けすぎたな……でもいつもの癖が……」


 トボトボと歩くオッサン。すると後ろから若い声が聞こえた。


「貴方は馬鹿なんですか?」
「何?」


 いきなりの無礼な奴を言う奴を確認しようと振り返る。するとそこには見覚えのある奴が居た。てかオッサンに取っては忘れられない奴だ。だってそれは昼間、オッサンをこてんぱにのした対戦相手だったからだ。


「お前……なんで?」
「別に僕は早々に討伐隊への参加が決まりましたから、そっちも早々に不参加が決まってヒマでしょう? それと同じですよ」
「喧嘩売ってるよなお前?」


 どう考えても今のはそうだろ。おじさんは不快感を表にピクピクと眉を動かす。


「喧嘩を売ってるつもりはありませんよ。不快にさせたのなら済みませんでした。でもてっきり冷やかしなのかと。お年もお年ですし。だから結果には執着してないのだとばかり」
「そんな訳ないだろ。それに言っとくけど俺はまだ三十代だ。その言い方だと五十・六十に思えるぞ。止めてくれ。そこまで老けた覚えない」
「そうですね。そこまで老けては無いですよ。でも実際、僕に負けて爽やかに挨拶をしてくれたのは貴方だけでした。ですから勝ちには執着していなかったのかな? と思ってしまいました」
「ははっ……あれな、本当はスッゲー悔しかったさ。だけどアレは自分の癖みたいな奴でな。カッコ付けちまうんだよ。それにちょっとは大人の余裕を見せときたいだろ?」
「ようは見栄っ張りと言う事ですか」
「やっぱお前喧嘩売ってるだろ?」
「いえいえ、面白い人種だなと。さっきの馬鹿な行動もそれなら理解は出来かねますが、納得は出来ます。貴方はただカッコ付けただけと」
「ふん……確かに俺は微妙に見栄っ張りなカッコ付けだ。だが、それは別に自分の体裁だけを考えてる訳じゃねーよ。決してな」
「そうなんですか? まあ口だけならなんとでも言えますよ」
「やっぱどう考えても喧嘩売ってるよな?」


 そんなおじさんの言葉に、青年は今度は今までと違う言葉を返す。


「そうですね。実はそうなんですよ。喧嘩を売ってます」
「何?」
「だって気になったんです。さっきの酒場でのおじさんの動き。あれは僕と戦った時とは明らかに違ってた。まさか手を抜かれてたのか--っと、多少のプライドが傷ついてるのです」


 そう言って細い剣を抜き去る青年。


「おいおい別に手加減なんかしてねーよ。ただあの時は自分の武器じゃなかったとは言わせて貰うけどな」
「どういう事ですか?」
「いや、これは流石に格好悪いんだけどさ、戦闘前に俺の斧が盗まれてな。急遽支給品でお前とは戦ったんだよ」
「なるほど、手慣れた武器ではなかったと? ですがさっきも武器は使ってなかった筈ですが?」
「あれは……まあちょっとな」


 おじさんが口ごもってると、青年は何かを察したのかこう言った。


「なるほど。あれがおじさんのルフの力の片鱗って訳ですね。まあ実際、どういう風にルフが力を貸したのかは分からなかったですけど」
「だろうな。俺のは一般的じゃないんでな。言っとくけど教えないぞ」
「いいですよ。決着をつける前にネタバレなんて楽しく無い」
「決着?」
「ええ、どうせなら全開のおじさんと僕は戦ってみたい。その程度に興味がわきました」


 怪しく光る青年の瞳。それは今までなんだか少し感情という感情を映してない様に見えてたけど、ここで初めてその瞳に揺れが生じた気がした。


「それはありがたい事なのか? お前と再戦してどうなるってんだ?」
「もしも良い勝負が出来るのなら、僕が直に貴方を討伐隊に推薦しますよ」
「そんな事出来るものなのか?」
「ええ……まあ、僕には出来ます」
「?」


 街頭に突っ込む虫が燃えて行く。歯切りの悪い言葉でそう言った青年。


「なあ、それを俺が断ったらどうなるんだ?」
「そうですね……取りあえず、もう一度ボコボコにしてあげますよ」


 街頭の明かりに照らされる青年の剣。危ない雰囲気が青年からは漂ってる。


 ※※※
 おじさん達は昼間使われた会場に侵入してる。闘技場の様な場所−−の選手控え室だ。


「これって、見つかったら俺達の方が犯罪だな」
「ですがここなら確実にログが残ってる筈です」
「ログね。けどそんなのどうやって……」
「この子が居ます」


 そう言って青年はフワフワの毛玉を落とす。するとその毛玉がもぞもぞと動いて、フェレットみたいな獣になった。そして周囲の空気をパクパク食べて、毛が白から青に輝き出すと、目から過去の映像を映し出した。


「凄いなこれ」
「空気には記憶の残滓が漂ってるんです。その子はそれを体内に取り込む事でルフの力を借り映像として視覚化出来るんです」
「なるほどな。でも良くアレだけの情報で推理出来るな」
「十分な情報は揃ってたと思いますが? おじさんが武器を取られたのがここなら、犯人は参加者の中にしか居ませんし、それにそんな事をしてメリットに成るのはおじさんと当たる人だけです。おじさんはAブロック見事に総当たり戦全て負けですから思惑通りでしょうね」
「うるせえ。くそ一体どこのどいつが俺の斧を持ってったんだ? 要は俺が対戦した十人の中に犯人がいるんだろ。さっさとその顔を拝みたいぜ」
「僕の事は抜いて貰えませんか? 僕はそんな卑怯な事はしませんし、負けるとも思ってません」
「へいへい--ん? 来たか」


 映像にはゴーゴー寝てるおじさんに近づく人影か。そしてそいつが足下に置いてた武器を持ち去った。


「こいつか!」
「いや、それよりもなんで寝てるんですか? 試合前なのに、周りと緊張感違い過ぎでしょう」
「それはしょうがないだろ。俺は田舎から出てきたんだよ。三十時間の旅だぞ。それに移動中はいつもワクワクして寝れないんだよ」
「おじさんは子供ですか……」


 呆れられた。気を取り直しておじさんは言葉を紡ぐ。


「そんな事よりも、なんでこいつは俺を狙ったんだろうな?」
「単に年齢が高かったからでは? 一応年の功と言う言葉もありますし」
「一応か……」
「ええ、一応ですね」
「くっ!」
(反論出来ない事が悔しい!)
「犯人も分かったんだし、いきますよおじさん」
「お、おう。てか映像だけでこいつの居場所とか分かんないぞ?」
「おじさん、早々に追い出されたから分からないんでしょうけど、まだ先行途中の選手には専用の宿が用意されてるんですよ」
「ああ~なるほど~はははは」


 ※※※
 なんだか目の前が霞むおじさん。取りあえず二人はこの場を後にする。次の目的地は選手宿舎だ。お祭り騒ぎで賑わってる町中を駈けてその宿にたどり着く。おじさん達は受付のお嬢さんに映像を見せてその男の部屋を聞く。いや聴こうとした。


「この人の部屋を教えてください」
「そちらの方でしたら丁度あちらに--」
「え?」
「あ?」


 おじさんと目が合った瞬間に逃げ出す犯人。逃走撃の始まりだ。だけど速攻でおじさんはフラフラしだした。


「やっべーアルコールが効いて来たかも。気持ち悪い……」
「全く、貴方と言う人は……止まってていいですよ。僕が捕まえてきます」


 そう言って青年は加速した。とてもじゃないが追いかけれない。おじさんはその場にへたり込む。


 ~五分後~


 近くのベンチに座って休憩してるおじさんの元に青年が戻って来た。その手には犯人が引きずられてる。


「いいご身分ですね」
「うむご苦労」
「捨てますよ」
「ああ! 助かりました! いや、マジ本当に!」


 懇願して平伏するおじさん。その姿に免じて青年は捨てるのは勘弁してくれた様だ。


「--で、俺の斧はどこにやったんだ?」
「斧?」
「しらばっくれんじゃねえ! ネタは上がってんだよ!」


 チラチラと青年を見るおじさん。「はいはい」と言い、映像を再生する青年。それを見た盗人は「ちっ」と舌打ちをした。


「別におっさんがあれだけ弱かったのなら盗む必要なんかなかったぜ。そっちの奴の武器を盗むんだったよ!」
「失礼な逆切れしてんじゃねーよ!」


 ドカッと拳一発お見舞いしてやる。


「さっさと俺の武器を出しやがれ。どこに隠した?」
「あんたの武器ね……あんなのもう売ったよ」
「売った? 売っただと?」


 胸ぐらを掴んで鬼の形相で引き寄せるオッサン。すると青年がこう言った。


「落ち着いてください。売ったってどこに? 武器の売買は国が認めた商人か商店でしか認められてない筈だ。それにデバイスには使用者登録が行われてる。本人以外売る事なんか出来ない筈だ」
「む……確かに。デタラメ言うなよてめぇ!」


 今の武器は殆どがこの国ルーテンヴァルカ製で、その特徴は高高度化した技術での武器の意思化。武器自身が使用者を判断して理解を含め、そして更に成長プログラムを組み込む事でその武器は使用者に有った姿形と能力を手に入れてく。
 それが余りに高性能だから、今や他の武器なんてほぼ駆逐されてる。それに色々と統制をかける為にルーテンヴァルカ製の武器の登録は個人で一つしか出来ない仕様だ。企業や他の国が汎用性を求めて大量に買っても、扱える奴は基本一人で実際大多数配備に向いてない。
 でもそれはルーテンヴァルカが世界の軍事を牛耳る為の仕様だったんだ。やつら自分達の軍だけにはその仕様を排除してる。汎用性が高く、何度もそして複数使える武器を配備してるんだ。懐古の武器じゃルーテンヴァルカ製には歯が立たなく、それを取り入れても他国は厳しい使用条件で運用しないと行けない。
 自国の武器を売り捌いて、そして実質支配する。旨いやり方。軍隊に配備されてるのは、感情コントロールを抑えて、性能の限界値を予め決めた奴だって聞くが、それで汎用性が高まるのなら、良いんだろう。
 そもそも武器を成長させれる奴なんて数少ないからな。ある程度のスペックを予め決めて、それを大多数に使いこなせる様にした方が、戦争とかでは訳に立つんだろう。そしてそれだけ武器自身が高性能だから、勝手に売るなんて許されなくて、管理されてる--筈だ。


「確かにそれは俺だって知ってる。だけど買ってくれた奴が居たんだよ。そいつらは武器思考の初期化が出来るとか言ってたぞ。まあ詳しくは知らんがな。あんな斧でも二束三文になったんだから儲けも……」
「二束三文がなんだと?」


 ゴゴゴ--と背景に炎をたぎらせて目を輝かせるおじさん。そして握りしめる拳。


「おい、話したんだから許してくれたって--」
「問答無用!」


 その場には盗人の悲鳴がしばらく響いた。


 ※※※
 ルーテンヴァルカ空の港。その人気の無い倉庫区の辺りをおじさんと青年の二人はコソコソと歩いてる。


「おいおい、二人だけで行くのか?」
「これは見過ごせない問題ですよおじさん。放っておいたら大変な事に成りかねない」
「それなら軍なり警察になり言えよ」
「今は軍も警察も近く現れるドラゴン対策で大慌てですよ。小さな問題になんか構ってられない」
「これは小さい問題じゃないんだろ?」
「ええ、そうですけど。軍や警察に協力を求めるなら証拠が必要です。それをまずは得ましょう」
「まあまずは俺の武器の奪還だけどな」
「……そうですね」
(なんで不満そうなんだよ)
「しっ」


 止まった青年。指差す方向には何人かの人間が見える。そして周りに無造作に集められてる武器が一杯。


「あんなに……一体どうやって?」
「おい、暗くて良く見えないが、あれって軍の鎧じゃないか?」
「まさか、兵士が横流ししてるって言うんですかおじさん?」
「いやいや、兵士って言うか……あれはもっと位高そうだぞ」


 大きな剣を背負って、マントが翻ってる。鎧もごついし……すると箱ごと大量の武器を運んで来る。そしてその位の高そうな奴の前に置く。するとそいつは何かの装置を取り出して、こう言った。


「自慢の武器でこの国は沈む。それで真実がようやく見えるんだ。多少の犠牲は仕方ない」


 紫の妖しい光がその場に輝く。するとその光は箱に入った武器からも発せられる。そしてその光がその持ってる何かに……


「ああ!!」


 その瞬間暗闇の人だかりがこっちを見る。直ぐに隠れたけど奴等は反応する。


「何やってるんですかおじさん!」
「だって……あれって」
「驚かなくても分かってます。あれは騎士総長様です。軍のトップ!」
「って事はこの追って来てる奴等は軍の中でも最高峰のエリート部隊と名高い……」
「ええ、白聖剣団でしょう。騎士総長様直属の部隊ですからね」
「逃げ切れるか?」
「逃げ切れないと殺されますよ。それだけ不味い物を僕達は見てしまいました」


 するとその時周りに詰まれてたコンテナが切り崩される。そして姿を現すのは白銀の騎士甲冑に身を包んだ兵士達だ。


「おじさんは下がっててください」
「だが……」
「武器も無いのに、何が出来るんですか? なんとか切り崩してみせます。その隙に逃げてください。それとこれを預けておきます。さっきの映像を記録してますから……どうにか信頼出来る機関に届けてください」
「おい……」


 戸惑うおじさんにの肩にフェレットが移動する。そして青年は剣を抜いてこう言った。


「頼みます」


 走り出した青年はたった一人で屈強な兵士と切り結ぶ。その剣技は凄くて、数人をたった一人で押してた。もしかしたら二人で逃げれるかも知れない。そう思った矢先、激しい風と凄いプレッシャーが吹き抜けた。
 その方向を見ると、騎士総長の姿がある。そして巨大な剣が抜かれてた。もの凄い一歩を踏む音。その瞬間青年はおじさんに向かって何かを叫んだ。だけどそれは聞こえなかった。だってその瞬間、真っ赤な鮮血が飛び散り、おじさんの頭はその光景で一杯に成ったんだ。

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