命改変プログラム

ファーストなサイコロ

1797 前に進む為のXの問い編 170

 騎士ンズラベーダが多彩な武器をその複数の腕に持つようになって、更に奴が厄介になりました。なにせ奴の持ってる武器は魔法で生み出してる武器なのです。だからこそ、壊れること、手放すことに抵抗がありませ。

 ちゃんと騎士ンズラベーダの行動をつぶさに観察してないと――

「きゃあ!?」

 ――こうやってふとしたときに、騎士ンズラベーダの六本の腕からいつの間にか投げられた武器が私を襲おうとします。全くこっちに意識を向けてない――と思ってると、さっくりとその攻撃を受けてしまいそうです。
 勿論ちゃんと結界を展開してます。けど、その結界さえも騎士ンズラベーダの攻撃では壊されるでしょう。流石に手元離れての攻撃だから、一回くらいはお互いを犠牲に護ってくれそうな気はしますけど、もしも同時に二つの武器を投げられてたらおしまいです。だからこそ、結界に慢心して避けないなんて選択肢はないです。
 実際……今の奴で私が張ってた結界は簡単に砕けてしまいました。同時に騎士ンズラベーダが放ってた武器も消えていったのでやっぱりおあいこですね。騎士ンズラベーダがその武器を手にして突っ込んできたら、結界だけを破壊するだけでは消えないでしょう。けど私への攻撃はオウラさんにテッケンさんの隙を突いてる程度、そんなに身を入れて私に攻撃してるわけじゃないです。それこそ騎士ンズラベーダは手首のスナップだけ……

(いえ……そもそも待ってください。魔法で生み出してる武器ですよね? 投げる――なんて動作が必要なんでしょうか?)

 騎士ンズラベーダが使ってる武器はいくらでも生み出せていくらでも自由が効くようなタイプの魔法の武器です。魔法が付与された武器ではなく。本当に魔力のみで生み出した魔法の武器。実際、オウラさんとテッケンさんと戦ってるときも、時にその武器の刃の長さを変えたりしてます。それだけの自由がきく武器……掌に絶対に生み出さないといけないなんて制約があるんでしょうか? 疑問です。今は普通に騎士ンズラベーダはその掌からしか武器を生み出してないです。それが詠唱なしで生み出す条件なのかもしれないですけど……騎士ンズラベーダはただのモンスター型のボスと違ってちゃんと考えて戦ってます。それは明らかです。

 何せ私たちの実力を見ながら、奴は徐々にその力を解放して言ってます。丁度私たちが対応できるような力を小出しにいってます。それはつまりは、騎士ンズラベーダはそれだけ余裕があると言うことです。こっちはかなりギリギリです。けど、奴にはまだまだ随分と余裕がある。一瞬の油断がこの近郊を崩すことになりそうです。

「命改変プログラム」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く