命改変プログラム
1673 前に進む為のXの問い編 65
「わーわー! 可愛い!」
そういってアーシアは子鹿を愛でてる。確かに細くてつぶらな瞳をしてる様は愛らしい。さっきまでめっちゃごつい鹿を見てたからってのもあると思うけど、子鹿はとてもひ弱で庇護欲をそそる存在と言って良い。でも……
(絶対に狙ってるよな)
それを狙ってやってるからたちが悪いんだよね。この子鹿が当初は本物か? とか思ってたわけだけど……どうやら子鹿自体は本物みたいだ。
さっき大鹿達は分身? 的な物を作り出して分裂したからね。だからこの子鹿もそういう類いの物だと思ったんだけど……
(そもそもが野生動物が魔法的な物を使う? ――って気もするけど)
普通は使わないよね。なにせ野生動物だし……そこらの野生動物まで魔法とか使い出したら、それこそモンスターとかとの違いって何だよって事に……魔石とかがとれるかとれないか? でしか違いが無くなりそう。
いつの間にか周囲に居た大鹿達の姿はなくなってる。安心させるため? それとも威圧しないためとかだろうか?
「スオウ、この子助けてって言ってるよ」
「いや、もうそういうの良いから」
どう考えても罠……というかたださっきの大鹿が子鹿に変わっただけじゃないかそれ。絶対に目指す場所同じだぞ。大鹿で無理矢理連れ去る試みが失敗したから、今度はアーシアに自ら来てもらうために子鹿を使ってるんだと想う。
(質わりぃ……)
本当にやることが品がないね。絶対に騙されないよ。
「アーシア、そいつはさっきの鹿達の手先だよ。やろうとしてることかわってないし。こいつの目的はアーシアを連れ去ることだ」
僕はそう言って厳しい視線を子鹿に向ける。すると子鹿は怯えるようにしてアーシアに寄りかかる。こいつ……
「そんなこと言っちゃ駄目だよスオウ。この子すっごく怯えてる」
それも演技だと想うんだけど……アーシアはただ本当に純粋だけど、子供が全部純粋なわけじゃない。特にその子鹿は、絶対に純粋じゃ無いと思う。
でもアーシアはそんなのわかってないんだよね。ここで僕が必死にこの子鹿を悪者にしても、きっとアーシアは納得なんてしないだろう。そうなると……アーシアだけで子鹿について行くだろう。
そしてそれがきっと奴らの狙いだ。
(ミスったな……子鹿が見えた瞬間に斬っとくべきだった)
そうすればアーシアがこいつに情を持つことも無かったんだ。子鹿をアーシアの視界に入れられた時点で僕は負けてたという事か。
(あんまり敵対心を見せても、アーシアに失望されるだけだし、敵はそれを狙ってる……なら)
「じゃあ、アーシアはどうしたいんだ?」
「この子を助けたい!」
絶対にそういうと思った。まあ最悪、僕が全力で暴れればどうにかなるだろう。本当に敵が野生の鹿だけ……ならね。そういうわけで僕たちは渋々子鹿の後をついて行くことになった。
そういってアーシアは子鹿を愛でてる。確かに細くてつぶらな瞳をしてる様は愛らしい。さっきまでめっちゃごつい鹿を見てたからってのもあると思うけど、子鹿はとてもひ弱で庇護欲をそそる存在と言って良い。でも……
(絶対に狙ってるよな)
それを狙ってやってるからたちが悪いんだよね。この子鹿が当初は本物か? とか思ってたわけだけど……どうやら子鹿自体は本物みたいだ。
さっき大鹿達は分身? 的な物を作り出して分裂したからね。だからこの子鹿もそういう類いの物だと思ったんだけど……
(そもそもが野生動物が魔法的な物を使う? ――って気もするけど)
普通は使わないよね。なにせ野生動物だし……そこらの野生動物まで魔法とか使い出したら、それこそモンスターとかとの違いって何だよって事に……魔石とかがとれるかとれないか? でしか違いが無くなりそう。
いつの間にか周囲に居た大鹿達の姿はなくなってる。安心させるため? それとも威圧しないためとかだろうか?
「スオウ、この子助けてって言ってるよ」
「いや、もうそういうの良いから」
どう考えても罠……というかたださっきの大鹿が子鹿に変わっただけじゃないかそれ。絶対に目指す場所同じだぞ。大鹿で無理矢理連れ去る試みが失敗したから、今度はアーシアに自ら来てもらうために子鹿を使ってるんだと想う。
(質わりぃ……)
本当にやることが品がないね。絶対に騙されないよ。
「アーシア、そいつはさっきの鹿達の手先だよ。やろうとしてることかわってないし。こいつの目的はアーシアを連れ去ることだ」
僕はそう言って厳しい視線を子鹿に向ける。すると子鹿は怯えるようにしてアーシアに寄りかかる。こいつ……
「そんなこと言っちゃ駄目だよスオウ。この子すっごく怯えてる」
それも演技だと想うんだけど……アーシアはただ本当に純粋だけど、子供が全部純粋なわけじゃない。特にその子鹿は、絶対に純粋じゃ無いと思う。
でもアーシアはそんなのわかってないんだよね。ここで僕が必死にこの子鹿を悪者にしても、きっとアーシアは納得なんてしないだろう。そうなると……アーシアだけで子鹿について行くだろう。
そしてそれがきっと奴らの狙いだ。
(ミスったな……子鹿が見えた瞬間に斬っとくべきだった)
そうすればアーシアがこいつに情を持つことも無かったんだ。子鹿をアーシアの視界に入れられた時点で僕は負けてたという事か。
(あんまり敵対心を見せても、アーシアに失望されるだけだし、敵はそれを狙ってる……なら)
「じゃあ、アーシアはどうしたいんだ?」
「この子を助けたい!」
絶対にそういうと思った。まあ最悪、僕が全力で暴れればどうにかなるだろう。本当に敵が野生の鹿だけ……ならね。そういうわけで僕たちは渋々子鹿の後をついて行くことになった。
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